同一労働同一賃金など非正規雇用の処遇改善について


  政府の働き方改革実現会議は、内閣総理大臣が議長となり労働界と産業界のトップと有識者が集り、これまでよりレベルを上げて議論する場として設置され、同一労働同一賃金の実現に向けて有識者の検討報告等を経てガイドライン案を提示し、これを基に法改正の在り方について議論を行ない、先月28日に「働き方改革実行計画」が決定されました。

同一労働同一賃金など非正規雇用の処遇改善の概要

1.基本給の均等・均衡待遇の確保
基本給が、職務に応じて支払うもの、職業能力に応じて支払うもの、勤続に応じて支払うものなど、その趣旨・性格が様々である現実を認めた上で、それぞれの趣旨・性格に照らして、実態に違いがなければ同一の、違いがあれば違いに応じた支給を求める。すなわち、均衡だけでなく、均等にも踏み込んだものとしている。

昇給についても、勤続による職業能力の向上に応じて行おうとする場合には、同様の職業能力の向上には同一の、違いがあれば違いに応じた昇給を求める。

2.各種手当の均等・均衡待遇の確保
ボーナス(賞与)について、会社の業績等への貢献に応じて支給しようとする場合、同一の貢献には同一の、違いがあれば違いに応じた支給を求める。

役職手当についても、役職の内容、責任の範囲・程度に対して支給しようとする場合、同一の役職・責任には同一の、違いがあれば違いに応じた支給を求める。

そのほか、業務の危険度等に応じて支給される特殊作業手当、交代制勤務などに応じて支給される特殊勤務手当、所定労働時間を超えて同一の時間外労働を行った場合に支給される時間外労働手当の割増率、深夜・休日労働を行った場合に支給される深夜・休日労働手当の割増率、通勤手当・出張旅費、勤務時間内に食事時間が挟まれている際の食事手当、同一の支給要件を満たす場合の単身赴任手当、特定の地域で働くことに対する補償として支給する地域手当等については、同一の支給を求める。

なお、基本給や各種手当といった賃金に差がある場合において、その要因として賃金の決定基準・ルールの違いがあるときは、「無期雇用フルタイム労働者と有期雇用労働者又はパートタイム労働者は将来の役割期待が異なるため、賃金の決定基準・ルールが異なる」という主観的・抽象的説明に終始しがちであるが、これでは足りず、職務内容、職務内容・配置の変更範囲、その他の事情の客観的・具体的な実態に照らして、不合理なものであってはならない。

3.福利厚生や教育訓練の均等・均衡待遇の確保
食堂、休憩室、更衣室といった福利厚生施設の利用、転勤の有無等の要件が同一の場合の転勤者用社宅、慶弔休暇、健康診断に伴う勤務免除・有給保障については、同一の利用・付与を求める。

病気休職については、無期雇用パートタイム労働者には無期雇用フルタイム労働者と同一の、有期雇用労働者にも労働契約の残存期間については同一の付与を求める。

法定外年休・休暇については、勤続期間に応じて認めている場合には、同一の勤続期間であれば同一の付与を求め、特に有期労働契約を更新している場合には、当初の契約期間から通算した期間を勤続期間として算定することを要することとする。

教育訓練については、現在の職務に必要な技能・知識を習得するために実施しようとする場合、同一の職務内容であれば同一の、違いがあれば違いに応じた実施を行わなければならない。

4.派遣労働者の取扱
派遣元事業者は派遣労働者に対し、派遣先の労働者と職務内容、職務内容・配置の変更範囲、その他の事情が同一であれば同一の、違いがあれば違いに応じた賃金の支給、福利厚生、教育訓練の実施が求められる。


◎法改正の方向性
職務内容、職務の成果・能力・経験等に対する正規雇用労働者とパートタイム労働者・有期雇用労働者・派遣労働者を通じた公正な評価・待遇決定の推進や、そうした公正な待遇の決定が、労働者の能力の有効な発揮等を通じ、経済及び社会の発展に寄与するものである等の大きな理念を明らかにした上で、ガイドライン案の実効性を担保するため、裁判(司法判断)で救済を受けることができるよう、その根拠を整備する法改正を行う。

◎法改正の施行に当たって
・法施行までの準備期間の確保
中小企業を含め、本制度改正は企業活動に与える影響が大きいものとなるため、施行に当たっては、周知を徹底するとともに、十分な法施行までの準備期間を確保する。

・説明会の開催や相談窓口の整備などの支援
同一労働同一賃金の法改正の施行に当たっては、説明会の開催や情報提供・相談窓口の整備等を図り、中小企業等の実情も踏まえ労使双方に丁寧に対応することを求める。

また、不本意非正規労働者の正社員化や賃金引上げを支援するとともに、賃金だけでなく諸手当を含めた待遇制度の正規・非正規共通化などに取り組む企業への支援の仕組みを創設する。


詳しくは下記参照先をご覧ください。

参照ホームページ[首相官邸]
http://www.kantei.go.jp/jp/headline/ichiokusoukatsuyaku/hatarakikata.html

雇用保険法等の一部改正について

雇用保険法等の一部改正法案が第193回通常国会で成立しました。本改正で、急速な少子高齢化が進展する中、就業促進や雇用継続を通じた職業の安定を図り、安心して活躍できる環境の整備を進めるため、雇用保険失業等給付の拡充、職業紹介事業等の適正な事業運営確保のための措置の拡充、子育てと仕事が両立しやすい就業環境の整備等が行われます。

雇用保険法等の一部改正の概要

1.失業等給付の拡充(雇用保険法)
(1)リーマンショック時創設の暫定措置終了の一方で、雇用情勢が悪い地域に居住する者の給付日数を60日延長する措置を5年間実施。災害により離職した者の給付日数を、原則60日(最大120日)延長可能とする。

(2)雇止めされた有期雇用労働者の所定給付日数を倒産・解雇等並みにする暫定措置を5年間実施。

(3)倒産・解雇等により離職した30~45歳未満の者の所定給付日数の引き上げ。
30~35歳未満:90日⇒120日、35~45歳未満:90日⇒150日

(4)基本手当等の算定に用いる賃金日額について、直近の賃金分布等を基に、上・下限額等の引き上げ。

(5)専門実践教育訓練給付の給付率を、費用の最大70%に引き上げ。(最大60%⇒70%)

(6)移転費の支給対象に、職業紹介事業者(ハローワークとの連携に適さないものは除く)等の紹介により就職する者を追加。

※施行日:平成29年4月1日(4)は平成29年8月1日施行、(5)及び(6)は平成30年1月1日施行

2.失業等給付に係る保険料率及び国庫負担率の時限的引き下げ(雇用保険法、徴収法)
保険料率及び国庫負担率について、3年間(平成29年~31年度)、時限的に引き下げ。
失業等給付の雇⽤保険料率の引下げ(0.8→0.6)

※施行日:平成29年4月1日
 
 

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3.育児休業に係る制度の見直し(育児・介護休業法、雇用保険法)
(1)原則1歳までである育児休業を6か月延長しても保育所に入れない場合等に限り、更に6か月(2歳まで)の再延長を可能とする。

(2)上記に合わせ、育児休業給付の支給期間を延長する。

※施行日:平成29年10月1日

4.雇用保険二事業に係る生産性向上についての法制的対応(雇用保険法)
雇用保険二事業の理念として「労働生産性の向上に資するものとなるよう留意しつつ、行われるものとする」旨を明記。

※施行日:公布日

5.職業紹介の機能強化及び求人情報等の適正化(職業安定法)
(1)ア)ハローワークや職業紹介事業者等の全ての求人を対象に、一定の労働関係法令違反を繰り返す求人者等の求人を受理しないことを可能とする。イ)職業紹介事業者に紹介実績等の情報提供を義務付ける。ウ)ハローワークでも職業紹介事業者に関する情報を提供する。

(2)求人者について、虚偽の求人申込みを罰則の対象とする。また、勧告(従わない場合は公表)など指導監督の規定を整備。

(3)募集情報等提供事業(注)について、募集情報の適正化等のために講ずべき措置を指針(大臣告示)で定めることとするとともに、指導監督の規定を整備。
(注)求人情報サイト、求人情報誌等

(4)求人者・募集者について、採用時の条件があらかじめ示した条件と異なる場合等に、その内容を求職者に明示することを義務付ける。

※施行日:平成29年4月1日
(1)イ)、(2)~(4)は平成30年1月1日施行、(1)ア)は公布から3年以内施行


詳しくは下記参照先をご覧ください。

参照ホームページ[厚生労働省]
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/soumu/houritu/193.html

所得税法等の一部改正法が成立


 第193回通常国会所得税法等の一部改正法が成立しました。本改正では、わが国の成長力の底上げのため個人所得課税改革、企業の「攻めの投資」や賃上げの促進など経済の好循環の強化、酒税改革などに取り組むとし、また、日本企業の健全な海外展開を支えつつ、国際的な租税回避に効果的に対応できるよう、国際課税の見直し等も行われます。

所得税法等の一部改正法の概要

1.個人所得課税
配偶者控除及び配偶者特別控除の見直し
・所得控除額38万円の対象となる配偶者の収入の上限を103万円から150万円に引上げ
・納税者本人に所得制限を設定。給与収入1,120万円から逓減、1,220万円で消失
 

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◎積立NISAの創設
・積立・分散投資に適した一定の投資信託に対して定期かつ継続的な方法で投資を行う「積立NISA」を創設(年間投資上限額40 万円、非課税期間20 年。現行のNISAとは選択適用)

2.資産課税
・事業承継税制の見直し(災害時等における雇用確保要件の緩和、相続時精算課税制度の併用)
・国外財産に対する相続税等の納税義務の範囲の見直し
・住所が一時的である外国人同士の相続等は国外財産を相続税等の課税対象から除外
・国外に居住する日本人の納税義務を拡大し、租税回避を抑制
課税対象となる国外居住期間:5年以内⇒10年以内

3.法人課税
◎競争力強化のための研究開発税制の見直し
・総額型を試験研究費の増加率に応じて税額控除できる仕組みに見直し、試験研究費の水準に応じて8~10%(中小法人:12%)⇒試験研究費の増減割合に応じて6~14%(中小法人:12~17%)
・試験研究費の範囲に新たなサービス開発に係る一定の費用を追加

◎賃上げを促すための所得拡大促進税制の見直し
大企業については、2%以上の賃上げを行う企業に支援を重点化した上で、前年度からの給与支給総額の増加額への支援を拡充(現行制度とあわせて12%)
中小企業については現行制度を維持しつつ、2%以上の賃上げを行う企業については、前年度からの給与支給総額の増加額への支援を大幅に拡充(現行制度とあわせて22%)
※所得拡大促進税制:給与支給総額の24年度からの増加額の10%を税額控除できる制度

◎地域中核企業向け設備投資促進税制の創設
地域の中核企業が、地域経済に波及効果のある高い先進性を有する事業(※)を行う場合に、その設備投資を対象に投資促進税制を創設
都道府県の認定を受け、国の確認を受けたもの

◎中小企業向け設備投資促進税制の拡充
中小サービス事業者が行う設備投資(冷蔵陳列棚、空調設備等)のうち、生産性向上に資するものについて、即時償却又は10%(※)税額控除の対象に追加
※資本金3,000万円超の場合は7%

4.消費課税
◎酒税改革
類似する酒類間の税率格差が商品開発や販売数量に影響を与えている状況を改め、酒類間の税負担の公平性を回復する等の観点から、ビール系飲料や醸造酒類の税率格差の解消、ビールの定義拡大など、酒税改革に取り組む
ア.税率構造の見直し
・ビール系飲料の税率について、平成38年10月に、1kl当たり155,000円(350ml換算54.25円)に一本化(3段階で実施)
醸造酒類(清酒、果実酒等)の税率について、平成35年10月に、1kl当たり100,000円に一本化(2段階で実施)
・その他の発泡性酒類(チューハイ等)の税率について、平成38年10月に、1kl当たり100,000円(350ml換算35円)に引上げ
イ.ビールの定義の拡大
地域の特産品を用いた地ビール開発を後押しする観点や外国産ビールの実態を踏まえ、麦芽比率要件の緩和(67%→50%)や、副原料の拡大(果実や一定の香味料を追加)を行う

エコカー減税
燃費性能がより優れた自動車の普及を促進する観点から、エコカー減税の対象範囲を見直し
※段階的な基準引上げ。ガソリン車への配慮措置(減税対象:9割→8割)。また、2回目免税の対象を重点化(免税対象:4割→3割、2回目免税2割)

5.国際課税
「外国子会社合算税制」について、租税回避リスクを外国子会社の外形(税負担率)ではなく、個々の活動内容(所得の種類等)により把握する仕組みへ見直し。企業の事務負担に配慮
※経済実体がない、いわゆる受動的所得は合算対象に。他方、実体のある事業からの所得は、子会社の税負担率にかかわらず合算対象外に

6.期限切れ租税特別措置法の延長
・土地の売買による所有権移転登記等に係る登録免許税の税率の軽減措置の延長(⇒2年)
・旅行者等が入国の際に携帯等して輸入する紙巻きたばこに係るたばこ税の税率の特例措置の延長(⇒1年)

7.災害関連税制の常設化
近年災害が頻発していることを踏まえ、災害減免法等の規定に加え、これまで災害ごとに特別立法で手当てしてきた対応を常設化し、災害対応の税制基盤を整備

8.施行日
平成29年4月1日


詳しくは下記参照先をご覧ください。

参照ホームページ[財務省]
http://www.mof.go.jp/about_mof/bills/193diet/index.htm

平成28年度「過重労働解消キャンペーン」の重点監督の実施結果について

厚生労働省は、2016年11月に実施した「過重労働解消キャンペーン」における重点監督の実施結果を公表しました。実施した7,014事業場のうち、労働基準関係法令違反があったのは、全体の67.2%に当たる4,711事業場。主な違反内容としては、「違法な時間外・休日労働」2,773事業場、「過重労働による健康障害防止措置が未実施」728事業場などとなっています。

■重点監督の結果の概要
1.重点監督の実施事業場:7,014事業場
このうち4,711事業場(全体の67.2%)で、労働基準関係法令違反あり

2.主な違反内容
(1)違法な時間外・休日労働があったもの2,773 事業場(39.5 %)
うち、時間外・休日労働(※注1)の実績が最も長い労働者の時間数が、
・1か月当たり80時間を超えるもの:1,756事業場(63.3%)
・1か月当たり100時間を超えるもの:1,196事業場(43.1%)
・1か月当たり150時間を超えるもの:257事業場(9.3%)
・1か月当たり200時間を超えるもの:52事業場(1.9%)

(2)賃金不払残業があったもの459 事業場( 6.5%)

(3)過重労働による健康障害防止措置が未実施のもの728事業場(10.4%)

3.主な健康障害防止に係る指導の状況
(1)過重労働による健康障害防止措置が 不十分なため改善を指導したもの5,269 事業場(75.1%)
うち、時間外労働を月80時間(※注2)以内に削減するよう指導したもの:3,299事業場(62.6%)

(2)労働時間の把握方法が不適正なため 指導したもの889事業場(12.7%)

(※注1)法定労働時間を超える労働のほか、法定休日における労働も含む。
(※注2)脳・心臓疾患の発症前1月間におおむね100時間または発症前2月間ないし6月間にわたって、1か月当たりおおむね80時間を超える時間外労働が認められる場合は、業務と発症との関連性が強いとの医学的知見があるため。

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詳しくは下記参照先をご覧ください。

参照ホームページ[厚生労働省]
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000154525.html

産業医制度等に係る見直しについて

厚生労働省は、労働政策審議会の答申に基づき、産業医制度に係る省令の改正作業を進めています。主な改正内容は、「健康診断結果に基づく医師等からの意見聴取に必要な情報の医師等への提供」、「長時間労働者に関する情報の産業医への提供」及び「産業医の定期巡視の頻度の見直し」となります。

産業医制度等に係る見直しの概要

過労死対策、メンタルヘルス対策、疾病・障害がある等の多様化する労働者の健康確保対策の重要性が増す中、産業医に求められる役割等が変化し、産業医が対応すべき業務が増加しています。このような背景から、産業現場のニーズを踏まえつつ、産業医の位置づけや役割などについて見直しが図られるものです。

≪現行≫

現在、労働安全衛生法令では、以下を義務付けています。

産業医は、少なくとも毎月1回作業場等を巡視し、労働者の健康障害防止のために必要な措置を講ずる。
<労働安全衛生規則第15条(産業医の定期巡視及び権限の付与)>

◎事業者は、健康診断の結果、異常の所見があると診断された労働者について、当該労働者の健康保持に必要な措置について、医師等からの意見を聴取する。
労働安全衛生法第66条の4(健康診断の結果についての医師等からの意見聴取)、労働安全衛生規則第51条の2(健康診断の結果についての医師等からの意見聴取)ほか>

◎事業者は、休憩時間を除き1週間当たり40時間を超えて労働させた場合におけるその超えた時間が1月当たり100時間を超える労働者について、当該労働者からの申出に基づいて医師による面接指導を行う。
労働安全衛生法第66条の8(面接指導等)、労働安全衛生規則第52条の2(面接指導の対象となる労働者の要件等>

≪労働安全衛生規則改正の内容≫

産業医の定期巡視の頻度の見直し(規則第15条関係)
少なくとも毎月1回行うこととされている産業医による作業場等の巡視について、事業者から毎月1回以上産業医に所定の情報が提供されている場合であって、事業者の同意がある場合には、産業医による作業場等の巡視の頻度を、少なくとも2月に1回とすることを可能とする。

(1)衛生管理者が少なくとも毎週1回行う作業場等の巡視の結果
(2)(1)に掲げるもののほか、衛生委員会等の調査審議を経て事業者が産業医に提供することとしたもの

◎健康診断の結果に基づく医師等からの意見聴取に必要となる情報の医師等への提供(規則第51条の2ほか)
事業者は、各種健康診断の有所見者について医師等が就業上の措置等に関する意見具申を行う上で必要となる労働者の業務に関する情報を当該医師等から求められたときは、これを提供しなければならないこととする。

長時間労働者に関する情報の産業医への提供(規則第52条の2関係)
事業者は、毎月1回以上、一定の期日を定めて、休憩時間を除き1週間当たり40時間を超えて労働させた場合におけるその超えた時間の算定を行ったときは、速やかに、その超えた時間が1月当たり100時間を超えた労働者の氏名及び当該労働者に係る超えた時間に関する情報を産業医に提供しなければならないものとする。

◎施行日
平成29年6月1日予定



詳しくは下記参照先をご覧ください。

参照ホームページ[厚生労働省]
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000154537.html

平成27年の有給取得日数は8.8日で取得率48.7%に!

厚生労働省は、このほど平成28年「就労条件総合調査」結果を取りまとめ、公表しました。本調査は、わが国の民間企業における就労条件の現状を明らかにすることを目的としており、それによると、平成27年に民間企業の労働者が取得した有給休暇日数は8.8日で、取得率は48.7%となっています。

平成28年「就労条件総合調査」概要
◎調査の時期
平成28年1月1日現在の状況についての調査。
ただし、年間については、平成27 年(又は平成26会計年度)1年間の状況について調査を実施。

◎調査事項
企業の属性、労働時間制度に関する事項、定年制等に関する事項、賃金制度に関する事項、労働費用に関する事項及び派遣労働者関係費用等に関する事項

◎調査客体数、有効回答数及び有効回答率
調査客体数:6,310社、有効回答数:4,520社、有効回答率:71.6%

年次有給休暇
(1)年次有給休暇の取得状況
平成27 年(又は平成26 会計年度)1年間に企業が付与した年次有給休暇日数(繰越日数を除く。)は、労働者1人平均18.1日、そのうち労働者が取得した日数は8.8日で、取得率は48.7%。
<企業規模別取得率>
・1,000人以上⇒54.7%
・300~999人⇒47.1%
・100~299人⇒44.8%
・30~99人⇒43.7%

(2)年次有給休暇の時間単位取得制度
年次有給休暇を時間単位で取得できる制度がある企業割合は、16.8%。

◎定年制
(1)定年制
定年制を定めている企業割合は、95.4%。定年制の定め方は、
・「一律に定めている」⇒98.2%
・「職種別に定めている」⇒1.6%

(2)一律定年制における定年年齢の状況
一律定年制を定めている企業について、「65歳以上」を定年年齢とする企業割合は16.1%。
<企業規模別>
・1,000人以上⇒6.7%
・300~999人⇒9.1%
・100~299人⇒11.6%
・30~99人⇒18.5%

<産業別>
サービス業(他に分類されないもの)⇒27.1%
医療・福祉⇒25.8%
運輸業・郵便業⇒22.5%
教育・学習支援業⇒20.1%
宿泊業・飲食サービス業⇒18.9%

(3)一律定年制における定年後の措置
ア.勤務延長制度及び再雇用制度の実施状況
一律定年制を定めている企業のうち、勤務延長制度若しくは再雇用制度又は両方の制度がある企業割合は94.1%。
<企業規模別>
・1,000 人以上⇒97.4%
・300~999人⇒97.2%
・100~299人⇒97.0%
・30~99人⇒92.9%

<産業別>
・鉱業・採石業・砂利採取業⇒100.0%
・金融業・保険業⇒98.8%
・電気・ガス・熱供給・水道業⇒98.5%
・複合サービス業⇒98.1
・宿泊業・飲食サービス業⇒87.2%※最も低い

派遣労働者の状況
(1)派遣労働者の受入状況
・平成27 年(又は平成26 会計年度)の派遣労働者の受入企業は31.3%となっており、受入企業の派遣労働者割合は12.6%。
派遣労働者受入企業の「1 企業平均派遣労働者受入関係費用」は71,712 千円となっており、「1人1か月平均派遣労働者受入関係費用」は241,051 円。

(2)派遣労働者数の変化
3年前(平成25年1月)又は現在(平成28年1月)派遣労働者がいる企業は36.3%であり、そのうち、派遣労働者数が、
・「3年前と比べて増加した」企業⇒44.2%
・「3年前と比べて減少した」企業⇒34.4%
・「3年前と変わらない」⇒21.4%

産業別派遣労働者数の変化として「3年前と比べて増加した」企業等は、
・医療・福祉⇒56.7%
・複合サービス事業⇒54.7%
情報通信業⇒51.1%
で5割を超え、13大産業で増加が減少を上回った

(3)派遣労働者が担当している業務の今後の予定
現在派遣労働者を受け入れている企業について、現在派遣労働者が担当している業務の今後3年間の予定(3つまでの複数回答)をみると、
・「引き続き派遣労働者を活用する」⇒77.2%
・「現在受け入れている派遣労働者を自社従業員として直接雇用する」⇒32.7%
・「現在受け入れている派遣労働者以外の者を新たに自社従業員として雇用する」⇒21.5%


詳しくは下記参照先をご覧ください。

参照ホームページ[厚生労働省]
http://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/jikan/syurou/16/index.html

 

介護保険法等の一部改正法案について

高齢者の自立支援と要介護状態の重度化防止、地域共生社会の実現を図るとともに、制度の持続可能性を確保することに配慮し、サービスを必要とする人に必要なサービスを提供するため、一定以上の所得を有する要介護被保険者等の保険給付に係る利用者負担の見直し並びに被用者保険等保険者に係る介護給付費・地域支援事業支援納付金の額の算定に係る総報酬割の導入等の法改正が行われます。

介護保険法等の一部改正法案の概要

Ⅰ.地域包括ケアシステムの深化・推進
◎自立支援・重度化防止に向けた保険者機能の強化等の取組の推進(介護保険法)
全市町村が保険者機能を発揮し、自立支援・重度化防止に向けて取り組む仕組みの制度化

・国から提供されたデータを分析の上、介護保険事業(支援)計画を策定。計画に介護予防・重度化防止等の取組内容と目標を記載

都道府県による市町村に対する支援事業の創設・財政的インセンティブの付与の規定の整備

(その他)
地域包括支援センターの機能強化(市町村による評価の義務づけ等)
・居宅サービス事業者の指定等に対する保険者の関与強化(小規模多機能等を普及させる観点からの指定拒否の仕組み等の導入)
認知症施策の推進(新オレンジプランの基本的な考え方(普及・啓発等の関連施策の総合的な推進)を制度上明確化)

◎医療・介護の連携の推進等(介護保険法、医療法)
(1)「日常的な医学管理」や「看取り・ターミナル」等の機能と「生活施設」としての機能とを兼ね備えた、新たな介護保険施設を創設

※現行の介護療養病床の経過措置期間については、6年間延長することとする。病院又は診療所から新施設に転換した場合には、転換前の病院又は診療所の名称を引き続き使用できることとする。

(2)医療・介護の連携等に関し、都道府県による市町村に対する必要な情報の提供その他の支援の規定を整備

◎地域共生社会の実現に向けた取組の推進等(社会福祉法、介護保険法、障害者総合支援法、児童福祉法)
・市町村による地域住民と行政等との協働による包括的支援体制作り、福祉分野の共通事項を記載した地域福祉計画の策定の努力義務化
・高齢者と障害児者が同一事業所でサービスを受けやすくするため、介護保険障害福祉制度に新たに共生型サービスを位置付ける

(その他)
・有料老人ホームの入居者保護のための施策の強化(事業停止命令の創設、前払金の保全措置の義務の対象拡大等)
・障害者支援施設等を退所して介護保険施設等に入所した場合の保険者の見直し(障害者支援施設等に入所する前の市町村を保険者とする。)

Ⅱ.介護保険制度の持続可能性の確保
(1)2割負担者のうち特に所得の高い層の負担割合を3割とする(介護保険法)

(2)介護納付金への総報酬割の導入(介護保険法)
・各医療保険者が納付する介護納付金(40~64歳の保険料)について、被用者保険間では『総報酬割』(報酬額に比例した負担)とする。

Ⅲ.平成30年4月1日施行
Ⅱ(2)は平成29年8月分の介護納付金から適用、Ⅱ(1)は平成30年8月1日施行


詳しくは下記参照先をご覧ください。

参照ホームページ[厚生労働省]
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/soumu/houritu/193.html