「無期転換ルール」の本格化まであと2年!

厚生労働省は、労働契約法の無期転換ルールに基づく無期転換申込みが、2年後の平成30年度から本格的に行われることを踏まえ、事業主や労働者により一層の理解を深めてもらうために、厚生労働省が今年度実施する8つの支援策をまとめ公表しています。

■無期転換ルールへの対応支援概要

無期転換ルールとは、労働契約法の改正により、有期労働契約が反復更新されて通算5年を超えたときに、労働者の申込みによって企業などの使用者が無期労働契約に転換しなければならないルールのことです。

独立行政法人労働政策研究・研修機構が平成27年12月に公表した調査では、無期転換ルールの内容を知らない企業が40%超にのぼっています。こうした現状を踏まえ、厚生労働省では、無期転換ルールの周知とともに、事業主や労働者のニーズも確認しながら、さまざまな支援メニューを用意し、企業における無期転換制度の導入を支援することとしています。

無期転換ルールの認知度[全有効回答企業:4,854社]

独立行政法人労働政策研究・研修機構が実施した「改正労働契約法とその特例への対応状況及び多様な正社員の活用状況に関する調査」(平成27年12月18日公表)による無期転換ルールの認知度は以下のとおりです。

1.改正内容まで知っている⇒58.7%

2.改正されたことは知っているが、内容は分からない⇒34.8%

3.知らない・分からない⇒ 6.1%

無期転換ルールに対する企業側の対応方針[フルタイム契約労働者を雇用している企業:2,671社]

フルタイム契約労働者を雇用している企業、パートタイム契約労働者を雇用している企業ともに、66.1%(下記2、3及び4の回答社の合計)が「何らかの形で無期契約にしていく」と回答しています。

1.通算5年を超えないよう運用⇒6.0%

2.申し込みがなされた段階で無期契約に切り替える⇒45.4%

3.適性をみながら5年前に無期契約に切り替える⇒19.6%

4.雇い入れの段階から無期契約にする⇒1.1%

5.有期契約労働者を派遣労働者や請負に切り替える⇒0.4%

6.対応方針は未定・分からない⇒23.9%

◎無期転換ルールの導入に向けた厚生労働省の8つの支援

(1)無期転換制度の導入支援のための「モデル就業規則」の作成(小売業・飲食業は作成済み)

モデル就業規則参考URL⇒http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/tayounaseisyain.html

(2)無期転換制度や「多様な正社員制度」の導入を検討する企業へのコンサルティングを実施

(3)無期転換ルールも含めた「労働契約等解説セミナー」を全国で208回開催

(4)無期転換制度や「多様な正社員制度」についてのシンポジウムを開催

(5)先進的な取組を行っている企業の事例を厚生労働省のホームページなどで紹介

無期転換制度導入企業事例URL⇒http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000100036.html

(6)無期転換制度の導入手順などを紹介するハンドブックを作成

(7)キャリアアップ助成金を拡充:参考URL⇒http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/part_haken/jigyounushi/career.html

(8)都道府県労働局(雇用環境・均等部(室))に専門の相談員を配置

◎無期転換ルールの特例

専門的知識等をもつ有期雇用労働者や、定年後引き続いて雇用される有期雇用労働者の人々を対象に能力の有効な発揮を目指す観点から、「専門的知識等を有する有期雇用労働者等に関する特別措置法」(有期雇用特別措置法)が、平成27年4月1日から施行されました。

通常は、同一の使用者との有期労働契約が通算5年を超えて反復更新された場合に無期転換申込権が発生しますが、有期雇用特別措置法による特例によって、次のような場合には、無期転換申込権が発生しないこととされています。

・専門的知識等を持つ有期雇用労働者

⇒一定の期間内に完了することが予定されている業務に就く期間(上限:10年)

・定年後引き続き雇用される有期雇用労働者

⇒定年後引き続き雇用されている期間

この特例を受けるためには 、専門的知識等をもつ有期雇用労働者や定年後引き続いて雇用される有期雇労働者について、雇用管理に関する特別の措置について、都道府県労働局長の認定を受ける必要があります。

詳しくは下記参照先をご覧ください。

参照ホームページ[厚生労働省]

http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000122934.html