「個人データの漏えい等の事案が発生した場合等の対応について」が公表

  平成29年5月30日、改正個人情報保護法が全面施行されます。それに伴い、昨年11月30日、個人情報保護委員会から「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」が公表されました。そして、その通則編の「4.漏えい等の事案が発生した場合等の対応」に係る補足事項が、この程、公表されました。

■「個人データの漏えい等の事案が発生した場合等の対応について」の概要

1.対象とする事案
本告示は、次の(1)から(3)までのいずれかに該当する事案(以下「漏えい等事案」という。)を対象とする。
(1)個人情報取扱事業者保有する個人データ(特定個人情報に係るものを除く。)の漏えい、滅失又は毀損

(2)個人情報取扱事業者保有する加工方法等情報(個人情報の保護に関する法律施行規則(平成28年10月5日個人情報保護委員会規則第3号)第20条第1号に規定する加工方法等情報をいい、特定個人情報に係るものを除く。)の漏えい

(3)上記(1)又は(2)のおそれ

2.漏えい等事案が発覚した場合に講ずべき措置
個人情報取扱事業者は、漏えい等事案が発覚した場合は、次の(1)から(6)に掲げる事項について必要な措置を講ずることが望ましい。
(1)事業者内部における報告及び被害の拡大防止
責任ある立場の者に直ちに報告するとともに、漏えい等事案による被害が発覚時よりも拡大しないよう必要な措置を講ずる。

(2)事実関係の調査及び原因の究明
漏えい等事案の事実関係の調査及び原因の究明に必要な措置を講ずる。

(3)影響範囲の特定
上記(2)で把握した事実関係による影響の範囲を特定する。

(4)再発防止策の検討及び実施
上記(2)の結果を踏まえ、漏えい等事案の再発防止策の検討及び実施に必要な措置を速やかに講ずる。

(5)影響を受ける可能性のある本人への連絡等
漏えい等事案の内容等に応じて、二次被害の防止、類似事案の発生防止等の観点から、事実関係等について、速やかに本人へ連絡し、又は本人が容易に知り得る状態に置く。

(6)事実関係及び再発防止策等の公表
漏えい等事案の内容等に応じて、二次被害の防止、類似事案の発生防止等の観点から、事実関係及び再発防止策等について、速やかに公表する。

3.個人情報保護委員会等への報告
個人情報取扱事業者は、漏えい等事案が発覚した場合は、その事実関係及び再発防止策等について、個人情報保護委員会等に対し、次のとおり速やかに報告するよう努める。
(1)報告の方法
原則として、個人情報保護委員会に対して報告する。ただし、法第47条第1項に規定する認定個人情報保護団体の対象事業者である個人情報取扱事業者は、当該認定個人情報保護団体に報告する。

上記にかかわらず、法第44条第1項に基づき法第40条第1項に規定する個人情報保護委員会の権限(報告徴収及び立入検査)が事業所管大臣に委任されている分野における個人情報取扱事業者の報告先については、別途公表するところによる(※1)。

(※1) 法第44条第1項に基づき法第40条第1項に規定する個人情報保護委員会の権限が事業所管大臣に委任されている分野の詳細についても、別途公表するところによる。

(2)報告を要しない場合
次のア又はイのいずれかに該当する場合は、報告を要しない(※2)。

(※2)この場合も、事実関係の調査及び原因の究明並びに再発防止策の検討及び実施をはじめとする上記2.の各対応を実施することが、同様に望ましい。
ア.実質的に個人データ又は加工方法等情報が外部に漏えいしていないと判断される場合(※3)
(※3) なお、「実質的に個人データ又は加工方法等情報が外部に漏えいしていないと判断される場合」には、例えば、次のような場合が該当する。
・漏えい等事案に係る個人データ又は加工方法等情報について高度な暗号化等の秘匿化がされている場合
・漏えい等事案に係る個人データ又は加工方法等情報を第三者に閲覧されないうちに全てを回収した場合
・漏えい等事案に係る個人データ又は加工方法等情報によって特定の個人を識別することが漏えい等事案を生じた事業者以外ではできない場合(ただし、漏えい等事案に係る個人データ又は加工方法等情報のみで、本人に被害が生じるおそれのある情報が漏えい等した場合を除く。)
・個人データ又は加工方法等情報の滅失又は毀損にとどまり、第三者が漏えい等事案に係る個人データ又は加工方法等情報を閲覧することが合理的に予測できない場合
イ.FAX若しくはメールの誤送信、又は荷物の誤配等のうち軽微なものの場合(※4)

(※4) なお、「軽微なもの」には、例えば、次のような場合が該当する。
・FAX若しくはメールの誤送信、又は荷物の誤配等のうち、宛名及び送信者名以外に個人データ又は加工方法等情報が含まれていない場合


詳しくは下記参照先をご覧ください。

参照ホームページ[個人情報保護委員会]
http://www.ppc.go.jp/personal/preparation/

「労働時間適正把握のための使用者ガイドライン」が公表

 労働基準法は、使用者に対して労働時間を適切に管理する責務を課していますが、近年、割増賃金の未払いや過重な長時間労働が社会問題化していることから、これらの問題を防止するための労働時間管理のための具体的な措置について、ガイドラインが策定、公表されました。

ガイドラインの概要

ガイドラインの適用範囲
当該ガイドラインの対象事業場は、労基法のうち労働時間に係る規定が適用される全ての事業場であること

当該ガイドラインに基づき使用者が労働時間の適正な把握を行うべき対象労働者は、労基法第41条に定める者及びみなし労働時間制が適用される労働者を除く全ての者であること

当該ガイドラインが適用されない労働者についても、健康確保を図る必要があることから、使用者において適正な労働時間管理を行う責務があること

◎労働時間の考え方
労働時間とは、使用者の指揮命令下に置かれている時間のことをいい、使用者の明示又は黙示の指示により労働者が業務に従事する時間は労働時間に当たる。以下のような時間は、労働時間として扱わなければならない

ア.使用者の指示により、就業を命じられた業務に必要な準備行為(着用を義務付けられた所定の服装への着替え等)や業務終了後の業務に関連した後始末(清掃等)を事業場内において行った時間

イ.使用者の指示があった場合には即時に業務に従事することを求められており、労働から離れることが保障されていない状態で待機等している時間(いわゆる「手待時間」)

ウ.参加することが業務上義務付けられている研修・教育訓練の受講や、使用者の指示により業務に必要な学習等を行っていた時間

◎労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置
(1)始業・終業時刻の確認及び記録

(2)始業・終業時刻の確認及び記録の原則的な方法
ア.使用者が、自ら現認することにより確認し、適正に記録すること

イ.タイムカード、ICカード、パソコンの使用時間の記録等の客観的な記録を基礎として確認し、適正に記録すること

(3)自己申告制により始業・終業時刻の確認及び記録を行う場合の措置
ア.自己申告制の対象となる労働者に対して、当該ガイドラインを踏まえ、労働時間の実態を正しく記録し、適正に自己申告を行うことなどについて十分な説明を行うこと

イ.実際に労働時間を管理する者に対して、自己申告制の適正な運用を含め、当該ガイドラインに従い講ずべき措置について十分な説明を行うこと

ウ.自己申告により把握した労働時間が実際の労働時間と合致しているか否かについて、必要に応じて実態調査を実施し、所要の労働時間の補正をすること

エ.自己申告した労働時間を超えて事業場内にいる時間について、その理由等を労働者に報告させる場合には、当該報告が適正に行われているかについて確認すること

オ.自己申告制は、労働者による適正な申告を前提として成り立つものである。このため、使用者は、労働者が自己申告できる時間外労働の時間数に上限を設け、上限を超える申告を認めない等、労働者による労働時間の適正な申告を阻害する措置を講じてはならないこと

◎賃金台帳の適正な調整
使用者は、労基法第108条及び同法施行規則第54条により、労働者ごとに、労働日数、労働時間数、休日労働時間数、時間外労働時間数、深夜労働時間数といった事項を適正に記入しなければならないこと、そして、違反した場合は、罰金に処されること

◎労働時間の記録に関する書類の保存
使用者は、労働者名簿、賃金台帳のみならず、出勤簿やタイムカード等の労働時間の記録に関する書類について、労基法第109条に基づき3年間保存しなければならないこと

◎労働時間を管理する者の職務
事業場において労務管理を行う部署の責任者は、当該事業場内における労働時間の適正な把握等労働時間管理の適正化に関する事項を管理し、労働時間管理上の問題点の把握及びその解消を図ること

◎労働時間等設定改善委員会等の活用
使用者は、事業場の労働時間管理の状況を踏まえ、必要に応じ労働時間等設定改善委員会等の労使協議組織を活用し、労働時間管理の現状を把握の上、労働時間管理上の問題点及びその解消策等の検討を行うこと


詳しくは下記参照先をご覧ください。

参照ホームページ[厚生労働省]
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/roudouzikan/070614-2.html

雇用保険法等の一部を改正する法律案について

 厚生労働省は、雇用保険法等の一部を改正する法律案を通常国会へ提出しました。この改正法案は、急速な少子高齢化が進展する中、就業促進や雇用継続を通じた職業の安定を図り、安心して活躍できる環境の整備を進めるため、雇用保険失業等給付の拡充、職業紹介事業等の適正な事業運営確保のための措置の拡充、子育てと仕事が両立しやすい就業環境の整備等を行うものです。

雇用保険法等の一部改正法案の概要

1.失業等給付の拡充(雇用保険法)
(1)リーマンショック時創設の暫定措置終了の一方で、雇用情勢が悪い地域に居住する者の給付日数を60日延長する措置を5年間実施。災害により離職した者の給付日数を、原則60日(最大120日)延長可能とする。

(2)雇止めされた有期雇用労働者の所定給付日数を倒産・解雇等並みにする暫定措置を5年間実施。

(3)倒産・解雇等により離職した30~45歳未満の者の所定給付日数の引き上げ。
30~35歳未満:90日⇒120日、35~45歳未満:90日⇒150日

(4)基本手当等の算定に用いる賃金日額について、直近の賃金分布等を基に、上・下限額等の引き上げ。

(5)専門実践教育訓練給付の給付率を、費用の最大70%に引き上げ。(最大60%⇒70%)

(6)移転費の支給対象に、職業紹介事業者(ハローワークとの連携に適さないものは除く)等の紹介により就職する者を追加。

※施行日:平成29年4月1日、(4)は平成29年8月1日施行、(5)及び(6)は平成30年1月1日施行

2.失業等給付に係る保険料率及び国庫負担率の時限的引き下げ(雇用保険法、徴収法)
保険料率及び国庫負担率について、3年間(平成29年~31年度)、時限的に引き下げ。
保険料率:0.8%⇒0.6%、国庫負担率(基本手当の場合)13.75%(本来負担すべき額(1/4)の55%)⇒2.5%(同10%)

※施行日:弊誌絵29年4月1日

3.育児休業に係る制度の見直し(育児・介護休業法、雇用保険法)
(1)原則1歳までである育児休業を6か月延長しても保育所に入れない場合等に限り、更に6か月(2歳まで)の再延長を可能とする。

(2)上記に合わせ、育児休業給付の支給期間を延長する。

※施行日:平成29年10月1日

4.雇用保険二事業に係る生産性向上についての法制的対応(雇用保険法)
雇用保険二事業の理念として「労働生産性の向上に資するものとなるよう留意しつつ、行われるものとする」旨を明記する。

※施行日:公布日

5.職業紹介の機能強化及び求人情報等の適正化(職業安定法)
(1)ア)ハローワークや職業紹介事業者等の全ての求人を対象(注)に、一定の労働関係法令違反を繰り返す求人者等の求人を受理しないことを可能とする。イ)職業紹介事業者に紹介実績等の情報提供を義務付ける。ウ)ハローワークでも職業紹介事業者に関する情報を提供する。
(注)現行はハローワークにおける新卒者向け求人のみ。

(2)求人者について、虚偽の求人申込みを罰則の対象とする。また、勧告(従わない場合は公表)など指導監督の規定を整備。

(3)募集情報等提供事業(注)について、募集情報の適正化等のために講ずべき措置を指針(大臣告示)で定めることとするとともに、指導監督の規定を整備。
(注)求人情報サイト、求人情報誌等

(4)求人者・募集者について、採用時の条件があらかじめ示した条件と異なる場合等に、その内容を求職者に明示することを義務付ける。

※施行日:平成29年4月1日
     (1)イ)、(2)~(4)は平成30年1月1日施行、(1)ア)は公布から3年以内施行


詳しくは下記参照先をご覧ください。

参照ホームページ[厚生労働省]
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000149918.html

日本・スロバキア社会保障協定の署名が行われました

 平成29年1月30日、スロバキアブラチスラバにおいて「社会保障に関する日本国とスロバキア共和国との間の協定」の署名が行われました。現在、日本・スロバキア両国からそれぞれ相手国に派遣される企業駐在員等について、日本・スロバキア双方の社会保障制度に二重に加入を義務付けられる等の問題が生じていることから、これを解消するための措置となります。

社会保障に関する日本国とスロバキア共和国との間の協定概要
国際間の人的移動に伴い、外国に派遣される日本人及び外国から日本に派遣される外国人について、次のような問題が生じています。
(1)二重加入
相手国に派遣され就労している人については、派遣中でも自国の年金制度に継続して加入している場合が多く、自国の公的年金制度と相手国の公的年金制度に対して二重に保険料を支払うことを余儀なくされていること。

(2)年金受給資格の問題
日本の公的年金制度に限らず、外国の公的年金制度についても老齢年金の受給資格のひとつとして一定期間の制度への加入を要求している場合がありますが、相手国に短期間派遣され、その期間だけ相手国の公的年金制度に加入したとしても老齢年金の受給資格要件としての一定の加入年数を満たすことができない場合が多いため、相手国で負担した保険料が掛け捨てになること。

上記の問題を解決するために、以下の2つを主な内容とした社会保障協定を締結しています。
(1)適用調整
相手国への派遣の期間が5年を超えない見込みの場合には、当該期間中は相手国の法令の適用を免除し自国の法令のみを適用し、5年を超える見込みの場合には、相手国の法令のみを適用する。

(2)保険期間の通算
両国間の年金制度への加入期間を通算して、年金を受給するために最低必要とされる期間以上であれば、それぞれの国の制度への加入期間に応じた年金がそれぞれの国の制度から受けられるようにする。

日本・スロバキア社会保障協定は、これらの問題を解決することを目的としており、この協定が効力を生ずれば、派遣期間が5年以内の一時派遣被用者等は、原則として、派遣元国の年金制度にのみ加入することとなります。また、両国での保険期間を通算してそれぞれの国における年金の受給権を確立できることとなります。

今回の協定の締結を経て、企業及び駐在員等の負担が軽減され、日本・スロバキア両国間の人的交流及び経済交流が一層促進されることが期待されます。

今後、この協定を締結するためには、内閣として国会に承認を求めることが予定されています。(手続きは外務省が行います。)

スロバキアの在留邦人は、193名(平成27年10月1日現在、外務省・海外在留邦人数調査統計)。

◎発効済の社会保障協定等
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詳しくは下記参照先をご覧ください。

参照ホームページ[厚生労働省]
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000149723.html


同一労働同一賃金ガイドライン案について

  わが国の非正規雇用労働者の賃金水準は欧州諸国と比べて低い状況にあり、不合理な待遇差の解消による非正規雇用労働者の待遇改善は重要な政策課題となっております。昨年末に、「同一労働同一賃金ガイドライン案」が公表されましたが、今後、国会審議等を踏まえて最終的に確定されます。

同一労働同一賃金ガイドライン案の概要
当該ガイドライン案は、同一の企業・団体における、正規雇用労働者と非正規雇用労働者の間の不合理な待遇差を是正することを目的としているため、正規雇用労働者と非正規雇用労働者の間に実際に待遇差が存在する場合に参照されることを目的としています。このため、客観的に待遇差が存在しない企業等については、当該ガイドライン案は対象としておりません。

当該ガイドライン案では、正規雇用労働者と非正規雇用労働者との間で、待遇差が存在する場合に、いかなる待遇差が不合理なものであり、いかなる待遇差は不合理なものでないのかが示されています。また、典型的な事例として整理できるものについては、問題とならない例・問題となる例という形で具体例が付されています。

ガイドライン案の項目】

Ⅰ.有期雇用労働者及びパートタイム労働者
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Ⅱ.派遣労働者
派遣元事業者は、派遣先の労働者と職務内容、職務内容・配置の変更範囲、その他の事情が同一である派遣労働者に対し、その派遣先の労働者と同一の賃金の支給、福利厚生、教育訓練の実施をしなければならない。また、職務内容、職務内容・配置の変更範囲、その他の事情に一定の違いがある場合において、その相違に応じた賃金の支給、福利厚生、教育訓練の実施をしなければならない。


詳しくは下記参照先をご覧ください。

参照ホームページ[厚生労働省]
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000144972.html

産業医制度の在り方に関する検討会報告書が公表

 平成27年12月から労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度が新たに導入され、ストレスチェック及び面接指導の実施等が産業医の職務に追加されました。法改正後、産業構造や産業保健における課題等も変化してきている折から、産業医の役割について更なる検討が加えられました。

■検討会報告書の概要
◎求められる労働衛生管理
 ・労働者の高齢化等が進む中、定期健康診断の有所見率が近年5割を超えている。
 ・過労死対策やメンタルヘルス対策が社会的にも重要課題となっている。
 ・疾病や障害のある労働者等、多様化する労働者の健康確保が重要課題となっている。

◎事業場の特徴に応じた労働衛生管理
 ・腰痛、熱中症、化学物質による疾病等の業務上疾患者は年間約8千人。

◎効果的な運用ための管理体制
 ・事業場において作業環境管理、作業管理及び健康管理を効果的に運用するためには、必要に応じて外部機関等も活用しながら、連絡・調整機能を有する、産業医等からなる産業保健のチームによる体制・対応が重要。

産業医等に期待される役割
産業医の職務>
1.健康診断及び面接指導等の実施並びにこの結果に基づく労働者の健康を保持するための措置に関すること。
2.作業環境の維持管理に関すること。
3.作業の管理に関すること。
4.1~3の他、労働者の健康管理に関すること。
5. 健康教育、健康相談その他労働者の健康の保持増進を図るための措置に関すること。
6.衛生教育に関すること。
7.労働者の健康障害の原因の調査及び再発防止のための措置に関すること。
※秘密保持規定:産業医等が健康診断及び面接指導の実施等の事務に従事した場合は、当該実施に関して知りえた労働者の秘密を漏らしてはならない(罰則付き)

産業医の定期巡視>
産業医は、少なくとも毎月1回作業場を巡視し、作業方法又は衛生状態に有害の恐れがあるときは、直ちに、労働者の健康障害を防止するために必要な措置を講じなければならない。

産業医の要件を備える者>
 ・厚生労働大臣の指定する者が行う研修を修了した者
 ・厚生労働大臣が指定した産業医養成課程を設置している大学を卒業し、その大学が行う実習を履修した者
 ・労働衛生コンサルタント(試験区分が保健衛生)に合格した者、等

<現在の産業医制度について>

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産業医の選任義務がある事業における産業医の選任状況>
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◎労働安全衛生規則の一部を改正する省令案
労働安全衛生法において、事業場ごとに産業医を選任するよう義務が課されているものの、産業医の事業場での役所については規定がなく、現在、法人の代表者等が産業医を兼任している事例もある。産業医としての職務を適切に遂行するために、法人の代表者等が当該事業場の産業医を兼任することを禁止するよう改正されます。
<改正内容>
事業者は、産業医を選任するに当たっては、法人の代表者若しくは事業を営む個人(事業場の運営について利害関係を有しない者を除く)又は事業場においてその事業の実施を統括管理する者を選任してはならないこととする。
<施行日>
平成29年4月1日


詳しくは下記参照先をご覧ください。

参照ホームページ[厚生労働省]
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000146365.html

下請取引に関連する運用基準及び振興基準等の見直し

  公正取引委員会は、下請法等の一層の運用強化に向けた取組みを進めるため、親事業者による違反行為の未然防止や事業者からの下請法違反行為に係る情報提供に資するため「下請代金支払遅延等防止法に関する運用基準」の改正を行いました。また、中小企業庁では、「下請中小企業振興法」に基づく「振興基準」の改正、下請代金の支払手段についての通達の見直しを行っています。

■下請法に関する運用基準の見直し
公正取引委員会による勧告・指導の中で、繰り返し見受けられる行為、事業者が問題ないと認識しやすい行為、さらに、関係省庁のヒアリングで得られた問題行為が75事例追加されました。

◎追加された主な違反事例
<減額>
コンビニエンスストア本部である親事業者は、消費者に販売する食料品の製造を下請業者に委託しているところ、店舗において値引きセールを実施することを理由に、下請代金から一定額を差し引いて支払った。

<買いたたき>
親事業者は、下請事業者に製造を委託している部品について、量産が終了し、補給品としてわずかに発注するだけで発注数量が現状大幅に減少しているにもかかわらず、単価を見直すことなく、一方的に量産時の大量発注を前提とした単価により通常の対価を下回る下請代金の額を定めた。

<不当な経済上の利益の提供要請>
親事業者は、量産終了から一定期間が経過した下請事業者が所有する金型、木型等の型について、機械部品の製造を委託している下請事業者から破棄の申請を受けたところ、「自社だけで判断することは困難」などの理由で長期にわたり明確な返答を行わず、保管・メンテナンスに要する費用を考慮せず、無償で金型、木型等の型を保管させた。

■下請企業振興の「基準」を改正
1.親事業者と下請事業者は共存共栄で
親事業者は、生産性向上に努力する下請事業者への訪問や面談を欠かさずに行うこと、また、研究会の開催や協力体制の確保、設計段階からサプライチェーン全体が連携して対応することも重要であること。

2.一方的な原価低減要請は止めよう
親事業者は、原価低減要請をするとき、経済合理性や十分な協議を欠いた要請はしない。
<減価逓減要請の望ましくない事例>
・原価低減目標の数値のみを提示する
・原価低減要請に応じることを発注継続の前提とする
・文書や記録を残さない(口頭で削減幅を示唆)

3.対価には、労務費が上昇した影響を反映しよう
親事業者は、取引対価の見直しや要請があった場合、人手不足や最低賃金の引き上げなどによる労務費の上昇について、その影響を反映するよう協議する。

4.金型・木型の保管コストは親事業者が負担を
・金型、木型などの型の保管に関して、双方が十分に協議し、方法や費用負担を明確に定める。
・親事業者の事情によって下請事業者にその保管を求めている場合には、親事業者が費用を負担する。

5.支払は現金で!手形の場合は親事業者が割引料の負担を!
・下請代金の支払いは可能な限り現金で!
・手形やファクタリングなどによる場合は、割引料を下請事業者に負担させることがないようにする。
手形サイトは120日(繊維業においては90日)を超えてはならないことは当然として、将来的に60日以内とするよう努める。
※親事業者のうち、大企業から率先して取り組んでもらうよう、政府が数年間かけて改善状況を調査する。

6.業界で自主行動計画を作り、親事業者は積極的に協力を
業種別下請ガイドラインサプライチェーン全体の取引適正化に向けた自主行動計画を振興基準に位置付け。
・親事業者、下請事業者ともに下請ガイドラインを守る。親事業者は下請ガイドラインの内容に即して、マニュアルや社内ルースを整備し、自社の調達において徹底させる。
・業界団体等は、サプライチェーン全体の取引適正化を図るため、自主的な行動計画を策定する。


詳しくは下記参照先をご覧ください。

参照ホームページ[公正取引委員会]
http://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/h28/dec/161214_1.html