雇用保険法等の一部を改正する法律案について

 厚生労働省は、雇用保険法等の一部を改正する法律案を通常国会へ提出しました。この改正法案は、急速な少子高齢化が進展する中、就業促進や雇用継続を通じた職業の安定を図り、安心して活躍できる環境の整備を進めるため、雇用保険失業等給付の拡充、職業紹介事業等の適正な事業運営確保のための措置の拡充、子育てと仕事が両立しやすい就業環境の整備等を行うものです。

雇用保険法等の一部改正法案の概要

1.失業等給付の拡充(雇用保険法)
(1)リーマンショック時創設の暫定措置終了の一方で、雇用情勢が悪い地域に居住する者の給付日数を60日延長する措置を5年間実施。災害により離職した者の給付日数を、原則60日(最大120日)延長可能とする。

(2)雇止めされた有期雇用労働者の所定給付日数を倒産・解雇等並みにする暫定措置を5年間実施。

(3)倒産・解雇等により離職した30~45歳未満の者の所定給付日数の引き上げ。
30~35歳未満:90日⇒120日、35~45歳未満:90日⇒150日

(4)基本手当等の算定に用いる賃金日額について、直近の賃金分布等を基に、上・下限額等の引き上げ。

(5)専門実践教育訓練給付の給付率を、費用の最大70%に引き上げ。(最大60%⇒70%)

(6)移転費の支給対象に、職業紹介事業者(ハローワークとの連携に適さないものは除く)等の紹介により就職する者を追加。

※施行日:平成29年4月1日、(4)は平成29年8月1日施行、(5)及び(6)は平成30年1月1日施行

2.失業等給付に係る保険料率及び国庫負担率の時限的引き下げ(雇用保険法、徴収法)
保険料率及び国庫負担率について、3年間(平成29年~31年度)、時限的に引き下げ。
保険料率:0.8%⇒0.6%、国庫負担率(基本手当の場合)13.75%(本来負担すべき額(1/4)の55%)⇒2.5%(同10%)

※施行日:弊誌絵29年4月1日

3.育児休業に係る制度の見直し(育児・介護休業法、雇用保険法)
(1)原則1歳までである育児休業を6か月延長しても保育所に入れない場合等に限り、更に6か月(2歳まで)の再延長を可能とする。

(2)上記に合わせ、育児休業給付の支給期間を延長する。

※施行日:平成29年10月1日

4.雇用保険二事業に係る生産性向上についての法制的対応(雇用保険法)
雇用保険二事業の理念として「労働生産性の向上に資するものとなるよう留意しつつ、行われるものとする」旨を明記する。

※施行日:公布日

5.職業紹介の機能強化及び求人情報等の適正化(職業安定法)
(1)ア)ハローワークや職業紹介事業者等の全ての求人を対象(注)に、一定の労働関係法令違反を繰り返す求人者等の求人を受理しないことを可能とする。イ)職業紹介事業者に紹介実績等の情報提供を義務付ける。ウ)ハローワークでも職業紹介事業者に関する情報を提供する。
(注)現行はハローワークにおける新卒者向け求人のみ。

(2)求人者について、虚偽の求人申込みを罰則の対象とする。また、勧告(従わない場合は公表)など指導監督の規定を整備。

(3)募集情報等提供事業(注)について、募集情報の適正化等のために講ずべき措置を指針(大臣告示)で定めることとするとともに、指導監督の規定を整備。
(注)求人情報サイト、求人情報誌等

(4)求人者・募集者について、採用時の条件があらかじめ示した条件と異なる場合等に、その内容を求職者に明示することを義務付ける。

※施行日:平成29年4月1日
     (1)イ)、(2)~(4)は平成30年1月1日施行、(1)ア)は公布から3年以内施行


詳しくは下記参照先をご覧ください。

参照ホームページ[厚生労働省]
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000149918.html

日本・スロバキア社会保障協定の署名が行われました

 平成29年1月30日、スロバキアブラチスラバにおいて「社会保障に関する日本国とスロバキア共和国との間の協定」の署名が行われました。現在、日本・スロバキア両国からそれぞれ相手国に派遣される企業駐在員等について、日本・スロバキア双方の社会保障制度に二重に加入を義務付けられる等の問題が生じていることから、これを解消するための措置となります。

社会保障に関する日本国とスロバキア共和国との間の協定概要
国際間の人的移動に伴い、外国に派遣される日本人及び外国から日本に派遣される外国人について、次のような問題が生じています。
(1)二重加入
相手国に派遣され就労している人については、派遣中でも自国の年金制度に継続して加入している場合が多く、自国の公的年金制度と相手国の公的年金制度に対して二重に保険料を支払うことを余儀なくされていること。

(2)年金受給資格の問題
日本の公的年金制度に限らず、外国の公的年金制度についても老齢年金の受給資格のひとつとして一定期間の制度への加入を要求している場合がありますが、相手国に短期間派遣され、その期間だけ相手国の公的年金制度に加入したとしても老齢年金の受給資格要件としての一定の加入年数を満たすことができない場合が多いため、相手国で負担した保険料が掛け捨てになること。

上記の問題を解決するために、以下の2つを主な内容とした社会保障協定を締結しています。
(1)適用調整
相手国への派遣の期間が5年を超えない見込みの場合には、当該期間中は相手国の法令の適用を免除し自国の法令のみを適用し、5年を超える見込みの場合には、相手国の法令のみを適用する。

(2)保険期間の通算
両国間の年金制度への加入期間を通算して、年金を受給するために最低必要とされる期間以上であれば、それぞれの国の制度への加入期間に応じた年金がそれぞれの国の制度から受けられるようにする。

日本・スロバキア社会保障協定は、これらの問題を解決することを目的としており、この協定が効力を生ずれば、派遣期間が5年以内の一時派遣被用者等は、原則として、派遣元国の年金制度にのみ加入することとなります。また、両国での保険期間を通算してそれぞれの国における年金の受給権を確立できることとなります。

今回の協定の締結を経て、企業及び駐在員等の負担が軽減され、日本・スロバキア両国間の人的交流及び経済交流が一層促進されることが期待されます。

今後、この協定を締結するためには、内閣として国会に承認を求めることが予定されています。(手続きは外務省が行います。)

スロバキアの在留邦人は、193名(平成27年10月1日現在、外務省・海外在留邦人数調査統計)。

◎発効済の社会保障協定等
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詳しくは下記参照先をご覧ください。

参照ホームページ[厚生労働省]
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000149723.html


同一労働同一賃金ガイドライン案について

  わが国の非正規雇用労働者の賃金水準は欧州諸国と比べて低い状況にあり、不合理な待遇差の解消による非正規雇用労働者の待遇改善は重要な政策課題となっております。昨年末に、「同一労働同一賃金ガイドライン案」が公表されましたが、今後、国会審議等を踏まえて最終的に確定されます。

同一労働同一賃金ガイドライン案の概要
当該ガイドライン案は、同一の企業・団体における、正規雇用労働者と非正規雇用労働者の間の不合理な待遇差を是正することを目的としているため、正規雇用労働者と非正規雇用労働者の間に実際に待遇差が存在する場合に参照されることを目的としています。このため、客観的に待遇差が存在しない企業等については、当該ガイドライン案は対象としておりません。

当該ガイドライン案では、正規雇用労働者と非正規雇用労働者との間で、待遇差が存在する場合に、いかなる待遇差が不合理なものであり、いかなる待遇差は不合理なものでないのかが示されています。また、典型的な事例として整理できるものについては、問題とならない例・問題となる例という形で具体例が付されています。

ガイドライン案の項目】

Ⅰ.有期雇用労働者及びパートタイム労働者
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Ⅱ.派遣労働者
派遣元事業者は、派遣先の労働者と職務内容、職務内容・配置の変更範囲、その他の事情が同一である派遣労働者に対し、その派遣先の労働者と同一の賃金の支給、福利厚生、教育訓練の実施をしなければならない。また、職務内容、職務内容・配置の変更範囲、その他の事情に一定の違いがある場合において、その相違に応じた賃金の支給、福利厚生、教育訓練の実施をしなければならない。


詳しくは下記参照先をご覧ください。

参照ホームページ[厚生労働省]
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000144972.html

産業医制度の在り方に関する検討会報告書が公表

 平成27年12月から労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度が新たに導入され、ストレスチェック及び面接指導の実施等が産業医の職務に追加されました。法改正後、産業構造や産業保健における課題等も変化してきている折から、産業医の役割について更なる検討が加えられました。

■検討会報告書の概要
◎求められる労働衛生管理
 ・労働者の高齢化等が進む中、定期健康診断の有所見率が近年5割を超えている。
 ・過労死対策やメンタルヘルス対策が社会的にも重要課題となっている。
 ・疾病や障害のある労働者等、多様化する労働者の健康確保が重要課題となっている。

◎事業場の特徴に応じた労働衛生管理
 ・腰痛、熱中症、化学物質による疾病等の業務上疾患者は年間約8千人。

◎効果的な運用ための管理体制
 ・事業場において作業環境管理、作業管理及び健康管理を効果的に運用するためには、必要に応じて外部機関等も活用しながら、連絡・調整機能を有する、産業医等からなる産業保健のチームによる体制・対応が重要。

産業医等に期待される役割
産業医の職務>
1.健康診断及び面接指導等の実施並びにこの結果に基づく労働者の健康を保持するための措置に関すること。
2.作業環境の維持管理に関すること。
3.作業の管理に関すること。
4.1~3の他、労働者の健康管理に関すること。
5. 健康教育、健康相談その他労働者の健康の保持増進を図るための措置に関すること。
6.衛生教育に関すること。
7.労働者の健康障害の原因の調査及び再発防止のための措置に関すること。
※秘密保持規定:産業医等が健康診断及び面接指導の実施等の事務に従事した場合は、当該実施に関して知りえた労働者の秘密を漏らしてはならない(罰則付き)

産業医の定期巡視>
産業医は、少なくとも毎月1回作業場を巡視し、作業方法又は衛生状態に有害の恐れがあるときは、直ちに、労働者の健康障害を防止するために必要な措置を講じなければならない。

産業医の要件を備える者>
 ・厚生労働大臣の指定する者が行う研修を修了した者
 ・厚生労働大臣が指定した産業医養成課程を設置している大学を卒業し、その大学が行う実習を履修した者
 ・労働衛生コンサルタント(試験区分が保健衛生)に合格した者、等

<現在の産業医制度について>

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産業医の選任義務がある事業における産業医の選任状況>
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◎労働安全衛生規則の一部を改正する省令案
労働安全衛生法において、事業場ごとに産業医を選任するよう義務が課されているものの、産業医の事業場での役所については規定がなく、現在、法人の代表者等が産業医を兼任している事例もある。産業医としての職務を適切に遂行するために、法人の代表者等が当該事業場の産業医を兼任することを禁止するよう改正されます。
<改正内容>
事業者は、産業医を選任するに当たっては、法人の代表者若しくは事業を営む個人(事業場の運営について利害関係を有しない者を除く)又は事業場においてその事業の実施を統括管理する者を選任してはならないこととする。
<施行日>
平成29年4月1日


詳しくは下記参照先をご覧ください。

参照ホームページ[厚生労働省]
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000146365.html

下請取引に関連する運用基準及び振興基準等の見直し

  公正取引委員会は、下請法等の一層の運用強化に向けた取組みを進めるため、親事業者による違反行為の未然防止や事業者からの下請法違反行為に係る情報提供に資するため「下請代金支払遅延等防止法に関する運用基準」の改正を行いました。また、中小企業庁では、「下請中小企業振興法」に基づく「振興基準」の改正、下請代金の支払手段についての通達の見直しを行っています。

■下請法に関する運用基準の見直し
公正取引委員会による勧告・指導の中で、繰り返し見受けられる行為、事業者が問題ないと認識しやすい行為、さらに、関係省庁のヒアリングで得られた問題行為が75事例追加されました。

◎追加された主な違反事例
<減額>
コンビニエンスストア本部である親事業者は、消費者に販売する食料品の製造を下請業者に委託しているところ、店舗において値引きセールを実施することを理由に、下請代金から一定額を差し引いて支払った。

<買いたたき>
親事業者は、下請事業者に製造を委託している部品について、量産が終了し、補給品としてわずかに発注するだけで発注数量が現状大幅に減少しているにもかかわらず、単価を見直すことなく、一方的に量産時の大量発注を前提とした単価により通常の対価を下回る下請代金の額を定めた。

<不当な経済上の利益の提供要請>
親事業者は、量産終了から一定期間が経過した下請事業者が所有する金型、木型等の型について、機械部品の製造を委託している下請事業者から破棄の申請を受けたところ、「自社だけで判断することは困難」などの理由で長期にわたり明確な返答を行わず、保管・メンテナンスに要する費用を考慮せず、無償で金型、木型等の型を保管させた。

■下請企業振興の「基準」を改正
1.親事業者と下請事業者は共存共栄で
親事業者は、生産性向上に努力する下請事業者への訪問や面談を欠かさずに行うこと、また、研究会の開催や協力体制の確保、設計段階からサプライチェーン全体が連携して対応することも重要であること。

2.一方的な原価低減要請は止めよう
親事業者は、原価低減要請をするとき、経済合理性や十分な協議を欠いた要請はしない。
<減価逓減要請の望ましくない事例>
・原価低減目標の数値のみを提示する
・原価低減要請に応じることを発注継続の前提とする
・文書や記録を残さない(口頭で削減幅を示唆)

3.対価には、労務費が上昇した影響を反映しよう
親事業者は、取引対価の見直しや要請があった場合、人手不足や最低賃金の引き上げなどによる労務費の上昇について、その影響を反映するよう協議する。

4.金型・木型の保管コストは親事業者が負担を
・金型、木型などの型の保管に関して、双方が十分に協議し、方法や費用負担を明確に定める。
・親事業者の事情によって下請事業者にその保管を求めている場合には、親事業者が費用を負担する。

5.支払は現金で!手形の場合は親事業者が割引料の負担を!
・下請代金の支払いは可能な限り現金で!
・手形やファクタリングなどによる場合は、割引料を下請事業者に負担させることがないようにする。
手形サイトは120日(繊維業においては90日)を超えてはならないことは当然として、将来的に60日以内とするよう努める。
※親事業者のうち、大企業から率先して取り組んでもらうよう、政府が数年間かけて改善状況を調査する。

6.業界で自主行動計画を作り、親事業者は積極的に協力を
業種別下請ガイドラインサプライチェーン全体の取引適正化に向けた自主行動計画を振興基準に位置付け。
・親事業者、下請事業者ともに下請ガイドラインを守る。親事業者は下請ガイドラインの内容に即して、マニュアルや社内ルースを整備し、自社の調達において徹底させる。
・業界団体等は、サプライチェーン全体の取引適正化を図るため、自主的な行動計画を策定する。


詳しくは下記参照先をご覧ください。

参照ホームページ[公正取引委員会]
http://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/h28/dec/161214_1.html

【NEW】「過労死等ゼロ」緊急対策について

長時間労働の是正や過重労働による健康障害防止対策が喫緊の課題となっているところ、昨年末、厚生労働省長時間労働削減推進本部において「過労死等ゼロ」緊急対策が決定されました。それによりますと、違法な長時間労働等を複数の事業場で行うなどの企業に対する全社的な是正指導や是正指導段階での企業名公表制度の強化等が図られました。

■「過労死等ゼロ」緊急対策の概要
1.違法な長時間労働を許さない取組の強化
(1)新ガイドラインによる労働時間の適正把握の徹底
・労働者の「実労働時間」と「自己申告した労働時間」に乖離がある場合、使用者は実態調査を行うこと。
・「使用者の明示又は黙示の指示により自己啓発等の学習や研修受講をしていた時間」は労働時間として取り扱わなければならないこと等を明確化する。(平成29年から実施)

(2)長時間労働等に係る企業本社に対する指導
・違法な長時間労働等を複数の事業場で行うなどの企業に対して、全社的な是正指導を行なう。
・企業幹部に対し、長時間労働削減や健康管理、メンタルヘルス対策(パワハラ防止対策を含む)について指導し、その改善状況について全社的な立ち入り調査により確認する。(平成29年から実施)。

(3)是正指導段階での企業名公表制度の強化
・これまでの月100時間超を月80時間超に拡大
・過労死等・過労自殺等で労災支給決定した場合も対象
  →これらが2事業場に認められた場合に、企業本社の指導を実施し、是正されない場合に公表
・月100時間超と過労死・過労自殺が2事業場に認められた場合などにも企業名を公表

(4)36協定未締結事業場に対する監督指導の徹底
最低賃金の履行確保を重点とする監督等の機会に、36協定未締結事業場に対する指導を徹底する。(平成28年度第4四半期に実施)

2.メンタルヘルスパワハラ防止対策のための取組の強化
(1)メンタルヘルス対策に係る企業本社に対する特別指導
複数の精神障害の労災認定があった場合には、企業本社に対して、パワハラ防止も含め個別指導を行う。特に過労自殺(未遂含む)を含む事案については、新たに改善計画を策定させ、1年間の継続的な指導を行う。(平成29年度から実施)

(2)パワハラ防止に向けた周知啓発の徹底
メンタルヘルス対策に係る企業や事業場への個別指導等の際に、「パワハラ対策導入マニュアル」等を活用し、パワハラ対策の必要性、予防・解決のために必要な取組等も含め指導を行う。(平成29年度から実施)

(3)ハイリスクな方を見逃さない取組の徹底
長時間労働者に関する情報等の産業医への提供を義務付ける。(平成29年度から実施)
・過重労働等の問題のある事業場については、長時間労働者全員への医師による緊急の面接(問診)等の実施を都道府県労働局長が指示できる制度を整備する。(平成29年度から実施)

3.社会全体で過労死等ゼロを目指す取組の強化
(1)事業主団体に対する労働時間の適正把握等について緊急要請
・36協定未締結など違法な残業の防止、労働時間の適正な把握等
・企業・業界団体におけるメンタルヘルス対策、パワハラ防止対策等の取組による「心の健康づくり」の推進
長時間労働の背景になっている取引慣行(短納期発注、発注内容の頻繁な変更等)の是正

(2)労働者に対する相談窓口の充実
労働者から長時間労働等の問題について、夜間・休日に相談を受け付ける「労働条件相談ほっとライン」の開設日を増加し、毎日開設するなど相談窓口を充実させる。(平成29年度から実施)

(3)労働基準法等の法令違反で公表した事案のホームページへの掲載(平成29年から実施)


詳しくは下記参照先をご覧ください。

参照ホームページ[厚生労働省]
http://www.mhlw.go.jp/kinkyu/151106.html

「経済対策を踏まえた仕事と育児の両立支援」について

 

 

 

平成28年8月2日に閣議決定した「未来への投資を実現する経済対策」において、雇用の継続に特に必要と認められる場合の育児休業期間の延長等を含めた両立支援策について議論するとされたことを踏まえ、昨年9月から、労働政策審議会の雇用均等分科会で検討を重ね、昨年末、同審議会から建議が行われました。

 

■経済対策を踏まえた仕事と育児の両立支援の建議概要

1.建議の背景

約8割の市区町村において待機児童がゼロであるものの、都市部を中心に待機児童が多く見られることが背景となっており、国として、育児休業を取得した労働者が安心して職場復帰できるよう、保育所等の整備を一層進めることが必要。4月に限らず育児休業から復帰を希望する時期に子どもを預けられる環境の整備及び保育の質の確保があわせて望まれる。

 

安倍政権の最重要課題の一つが「女性が輝く社会」の実現であり、女性活躍推進法が施行されている中で、多くの企業が女性活躍に向けて取り組んでいること。女性労働者も、できるだけ早く職場復帰して様々な両立支援制度を上手く使いながらキャリアを積むようになり、企業の側もそれを支援している。

 

2.必要な措置の具体的内容

(1)雇用の継続に特に必要と認められる場合の育児休業期間の延長について

現行育児・介護休業法では育児休業は原則1歳まで、保育所に入れない等の場合は1歳6ヶ月まで認められている。1歳6ヶ月に達する後の延長についても、現行規定を踏まえ、「雇用の継続に特に必要と認められる場合」、すなわち「保育所に入れない等の場合」(育児・介護休業法施行規則第6条参照)に限定すべきである。また、1歳6ヶ月に達した後の更なる延長については、緊急的なセーフティネットとしての措置であることが明確になるようにすべきである。

 

今回は、希望する時期より入所が遅れた場合の待機期間のデータ等を参考に、延長の期間としては、最長2歳までと考えられる。

 

地方自治体は、国と連携して、保育ニーズに応じて保育所等の整備を進めつつ、その状況の的確な把握に努めるとともに、保育コンシェルジュの配置を進め、保育の利用を希望する労働者のニーズに応じたきめ細かな保育の選択肢を提供すべきである。

 

(2)能力・モチベーション維持のための対策

労働者自身のキャリアを考えると早い職場復帰が望ましい。このため、国は、産前産後休業・育児休業に入る前の労働者に直接両立支援についての情報提供を積極的に行うべきである。本来育児休業期間中は育児に専念する期間ではあるが、労働者は会社を離れていることの不安や焦りもあると考えられるので、企業では、従業員のニーズに応じて様々な手法で労働者のモチベーション維持や復帰のための仕組みを工夫しているところもある。

 

国は、特に、(ア)有期契約労働者等のいわゆる非正規雇用労働者や中小企業で働く労働者及び(イ)やむを得ず育児休業期間を延長することになり焦りや不安を感じることが多いであろう労働者を念頭に置いて、本人のニーズに応じて育児休業中や復帰時に活用できる能力開発プログラムの開発や調査研究を行うべきである。また、国は、既存の制度の活用など必要な情報を発信すべきである。

 

(3)男性の育児休業取得を促進する方策

男性の育児休業取得率が低い現状を踏まえ、育児休業にかかわらず男性が休んで育児をすることを促進していくことが必要である。

 

企業において、就学前までの子供を有する労働者が育児にも使える休暇を設け、労働者、特に男性労働者による育児を促していくことが考えられる。労働者が育児休業を取得しやすいように、事業主は労働者又はその配偶者が妊娠又は出産したことを言い出しやすい雰囲気作りに努め、対象者には企業が周知することが望ましい。

 

また、パパママ育休プラスの利用率が非常に低い現状を踏まえ、国は、パパママ育休プラスの周知について徹底すべきである。その上で更に使いにくいという状況であれば、その要因を分析し対策を考えるべきである。

 

(4)効果検証

今回講じた策の効果については、施行2年後を目途に調査した上で分析し、女性活躍の進捗との関係や男性の育児に関わる制度の利用状況等も検証し、必要に応じて見直すことが望ましい。

 

 

詳しくは下記参照先をご覧ください。

 

 

 

参照ホームページ[厚生労働省]

http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000145578.html