企業と大学との共同研究を深めるガイドラインが公表!

経済産業省文部科学省は、産学官イノベーションを促進するため、「組織」対「組織」の産学官連携を深化させるための方策や、その方策の実行・実現に必要な具体的な行動等について取りまとめた「産学官連携による共同研究強化のためのガイドライン」を策定し公表しています。

ガイドラインの概要

◎背景

わが国を取り巻くイノベーションの環境変化に対応するには、企業と大学・国立研究開発法人が連携するオープンイノベーションの推進が重要。

大学は、官民だけでは対応できない社会的課題を解決に導く知のエキスパートとして、社会的価値を創造していく必要。

これまでの産学官連携での共同研究は極めて小規模であり、「組織」対「組織」の体制の「本格的な共同研究」が不可欠。

大規模な共同研究の成功要因を踏まえた大学・国立研究開発法人側のマネジメントに大きな期待。

◎企画・マネジメント機能構築に向けた取組の視点

1.産学官連携の目標・計画の策定

・客観的・定量的情報に基づく現状把握

・目標・計画に沿った経営戦略の策定

<取組例>

・情報集約(共同研究数/規模、特許数等)と他との比較分析

・目指すべき共同研究を経営戦略に具体化したロードマップ策定

2.「研究経営」を意識した企画・事務と成果管理

・シーズ情報、共同研究情報・権限等を本部へ集約して共同研究提案力を向上させ、ワンストップで提供

・本部での共同研究のリソース管理や柔軟な契約の締結

・共同研究の遅延リスクを踏まえたプロセス改善

<取組例>

・組織改編による本部への共同研究情報と契約権限の集中化

・本部による共同研究進捗管理と研究リソース管理情報の還元

・集約されたシーズ情報を活用した共同研究提案

・共同研究提案・契約・計画での成果目標・目標達成時期の明記

3.高度な専門性を有する人材の配置・資質向上

・本部における高度な専門人材の配置とその資質向上

<取組例>

・リサーチ・アドミニストレーター(URA)、インスティトゥーショナル・リサーチャー(IRer)、コーディネーター、経理・法務人材の配置

4.各種契約雛形・規程類の整備

・共同研究を行う前提となる知財取扱規程等の策定

・共同研究契約締結の円滑化のための雛形類の整備

<取組例>

・リスクマネジメントに係る規程類・クロアポ規程類の整備

・共同研究契約、基本的・包括的合意枠組、秘密保持契約の雛形

ガイドラインの実効性確保に向けて

・産業界と大学・国立研究開発法人がガイドラインに基づく産学官連携活動の評価・改善を図るPDCAサイクルを実施。

大学・国立研究開発法人はガイドラインを教育・研究に並ぶ産学官連携の目標・計画を設定する等に活用。

大学・国立研究開発法人はガイドラインに基づく取組状況を対外的に見える化、産業界が共同研究のマッチングで活用。

詳しくは下記参照先をご覧ください。

参照ホームページ[経済産業省]

http://www.meti.go.jp/press/2016/11/20161130001/20161130001.html