新型コロナの影響に伴う休業により、著しく報酬が下がった場合の標準報酬月額の特例改定

日本年金機構から、令和3年8月から令和3年12月までの間に新型コロナウイルス感染症の影響による休業に伴い報酬が急減した方や、令和2年6月から令和3年5月までの間に休業により著しく報酬が下がり特例改定を受けている方についても、特例措置の対象とするとの案内が更新されています。

■標準報酬月額の特例改定について
 令和2年4月から令和3年7月までの間に新型コロナウイルス感染症の影響による休業により著しく報酬が下がった方について、事業主からの届出により、健康保険・厚生年金保険料の標準報酬月額を、通常の随時改定(4か月目に改定)によらず、特例により翌月から改定を可能とする措置が講じられているところです。
 今般、令和3年8月から令和3年12月までの間に新型コロナウイルス感染症の影響による休業に伴い報酬が急減した方や、令和2年6月から令和3年5月までの間に休業により著しく報酬が下がり特例改定を受けている方についても、特例措置が講じられることとなりました。

(1)令和3年8月から令和3年12月までの間に新たに休業により著しく報酬が下がった方の特例
 次のアからウのすべてに該当する方が対象となります。
ア.新型コロナウイルス感染症の影響による休業があったことにより、令和3年8月から令和3年12月までの間に、著しく報酬が下がった月が生じた方
イ.著しく報酬が下がった月に支払われた報酬の総額(1か月分)が、既に設定されている標準報酬月額に比べて2等級以上下がった方(固定的賃金の変動がない場合も対象となります)
ウ.本特例措置による改定内容に本人が書面により同意している
 f:id:koyama-sharoushi:20210830084837p:plain【出典:日本年金機構 以下同】

(2)令和2年6月から令和3年5月までの間に休業により著しく報酬が下がり特例改定を受けている方の特例
 次のアからエのすべてに該当する方が対象となります。
ア.新型コロナウイルス感染症の影響による休業があったことにより、次のいずれかに該当する方
(ア)令和2年6月から令和3年5月までの間に著しく報酬が下がり、令和2年7月から令和3年6月までの間に特例改定を受けた方
(イ)令和2年8月に支払われた報酬にて令和2年度定時決定の保険者算定の特例を受けた方
イ.令和3年7月までに休業が回復したことによる、随時改定に該当していない方
ウ.令和3年8月に支払われた報酬の総額(1か月分)に該当する標準報酬月額が、令和3年9月の定時決定で決定された標準報酬月額に比べて2等級以上下がった方
エ.本特例改定による改定内容に本人が書面により同意している
f:id:koyama-sharoushi:20210830084850p:plain
※上記(1),(2)により特例改定を受けた方は、休業が回復した月に受けた報酬の総額を基にした標準報酬月額が、特例改定により決定した標準報酬月額と比較して2等級以上上がった場合、その翌月から標準報酬月額を改定することになりますので、月額変更届の提出が必要です。




詳しくは下記参照先をご覧ください。

参照ホームページ[ 日本年金機構 ]
https://www.nenkin.go.jp/oshirase/taisetu/2021/202108/0810.html

有期雇用労働者の育児休業給付・介護休業給付の支給要件の緩和

雇用保険法施行規則の一部を改正する省令(令和3年厚生労働省令第126号)」が公布されました。出産・育児等による労働者の離職を防ぎ、希望に応じて男女ともに仕事と育児等を両立できるようにするため、子の出生直後の時期における柔軟な育児休業の枠組みの創設、育児休業を取得しやすい雇用環境整備及び労働者に対する個別の周知・意向確認の措置の義務付け、育児休業給付に関する所要の規定の整備等の措置を講ずるものです。この改正省令による改正の概要等は次のとおりです。

■改正の趣旨・経緯
育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律及び雇用保険法の一部を改正する法律(令和3年法律第58号)により、育児・介護休業法における有期雇用労働者の育児・介護休業取得要件の緩和(※)に関する規定が令和4年4月1日から施行される。
(※)有期雇用労働者については、
育児休業の取得要件として、
 ①その事業主に引き続き雇用された期間が1年以上である者であること
 ②その養育する子が1歳6か月に達する日までに、その労働契約が満了することが明らかでない者であること
・介護休業の取得要件として、
 ①その事業主に引き続き雇用された期間が1年以上である者であること
 ②介護休業開始予定日から起算して93日を経過する日から6か月に達する日までに、その労働契約が満了することが明らかでない者であること
が課されていたところ、雇用形態にかかわらず育児・介護休業を取得しやすくするよう、無期雇用労働者と同様の取扱いとするべく、令和4年4月1日以後に開始される育児・介護休業について、①の要件を削除することとされた。

〇上記の改正を受け、雇用保険法施行規則においても同様に、育児休業給付金及び介護休業給付金の支給の対象となる休業について、期間を定めて雇用される者については、①の要件を削除することとする。

■改正の概要
1 男性の育児休業取得促進のための子の出生直後の時期における柔軟な育児休業の枠組みの創設【育児・介護休業法】
子の出生後8週間以内に4週間まで取得することができる柔軟な育児休業の枠組みを創設する。
①休業の申出期限については、原則休業の2週間前までとする。※現行の育児休業(1か月前)よりも短縮
②分割して取得できる回数は、2回とする。
③労使協定を締結している場合に、労働者と事業主の個別合意により、事前に調整した上で休業中に就業することを可能とする。

育児休業を取得しやすい雇用環境整備及び妊娠・出産の申出をした労働者に対する個別の周知・意向確認の措置の義務付け
育児休業の申出・取得を円滑にするための雇用環境の整備に関する措置
②妊娠・出産(本人又は配偶者)の申出をした労働者に対して事業主から個別の制度周知及び休業の取得意向の確認のための措置を講ずることを事業主に義務付ける。

育児休業の分割取得
育児休業(1の休業を除く。)について、分割して2回まで取得することを可能とする。

育児休業の取得の状況の公表の義務付け
常時雇用する労働者数が1,000人超の事業主に対し、育児休業の取得の状況について公表を義務付ける。

5 有期雇用労働者の育児・介護休業取得要件の緩和
有期雇用労働者の育児休業及び介護休業の取得要件のうち「事業主に引き続き雇用された期間が1年以上である者」であることという要件を廃止する。ただし、労使協定を締結した場合には、無期雇用労働者と同様に、事業主に引き続き雇用された期間が1年未満である労働者を対象から除外することを可能とする。

育児休業給付に関する所要の規定の整備【雇用保険法
①1及び3の改正を踏まえ、育児休業給付についても所要の規定を整備する。
②出産日のタイミングによって受給要件を満たさなくなるケースを解消するため、被保険者期間の計算の起算点に関する特例を設ける。

■施行期日
・2及び5:令和4年4月1日
・1、3及び6:公布日から1年6月を超えない範囲内で政令で定める日(ただし、6②については公布日から3月を超えない範囲内で政令で定める日)
・4:令和5年4月1日




詳しくは下記参照先をご覧ください。

参照ホームページ[ 厚生労働省 ]
https://www.mhlw.go.jp/content/11601000/000794810.pdf

雇用保険の高年齢被保険者の特例の創設と、その特例に関する省令の改正

 


 「雇用保険法施行規則の一部を改正する省令(令和3年厚生労働省令第125号)」が公布されました。来年(2022年)1月1日より「65歳以上の労働者を対象に本人の申出を起点に、2つの事業所の労働時間を合算して『週の所定労働時間が20時間以上である』ことを基準として雇用保険を適用する制度」が施行されることとなり、省令案には制度の対象者となる要件が公表されています。この改正省令による改正の概要等は次のとおりです。

■改正の趣旨・経緯
雇用保険法等の一部を改正する法律(令和2年法律第14号)により、高年齢被保険者の特例(※)に関する規定が令和4年1月1日から施行される。
(※)複数の事業主に雇用される65歳以上の労働者について、本人の申出を起点に、2つの事業所の労働時間を合算して、「週の所定労働時間が20時間以上である」ことを基準として雇用保険を適用する制度。

この制度の対象者となる要件は次のとおり(雇用保険法第37条の5第1項各号)。
① 2つ以上の事業主の適用事業に雇用される65歳以上の者
② 上記①のそれぞれ1つの事業主の適用事業における1週間の所定労働時間が20時間未満
③ 上記①のうち2つの事業主の適用事業における1週間の所定労働時間の合計が20時間以上
厚生労働省令で定める時間数以上のものを合算)

○これに伴い、雇用保険法施行規則の一部の規定について所要の整備を行うこととされた。

1 省令の改正の概要
〇「2つの事業主の適用事業における1週間の所定労働時間の合計が20時間以上」を判断する際、各事業主の適用事業における1週間の所定労働時間については、厚生労働省令で定める時間数以上であるものを合計の対象とするが、その厚生労働省令で定める時間数は「5時間」とする。

○高年齢被保険者の特例の申出により高年齢被保険者となろうとする者又はなった者について、合算した週の所定労働時間等の就業状況を、その雇用する事業主が把握し、各種の手続を行うことは困難であるため、通常事業主がその事業所を管轄する公共職業安定所に対して行う雇用保険に関する事務について、当該労働者本人が本人の住居所を管轄する公共職業安定所に対して行うこととし、これに伴う所要の規定の整備を行う。

○また、改正法において、介護休業給付及び育児休業給付については、すべての事業所において休業していることを要件としたことなどを踏まえ、所要の規定の整備を行う。

2 施行期日
令和4年1月1日から施行


<現行制度>
○1事業所で週所定労働時間が20時間以上の者は適用する。
○複数の事業所で就労する場合は、それぞれの事業所ごとに適用要件を判断する(労働時間を合算しない)。

<主な改正内容>
〇65歳以上の者を対象として、本人の申出を起点として2つの事業所の労働時間を合算して適用する制度を試行する。
逆選択モラルハザード等を施行後5年を目途に検証。)
 f:id:koyama-sharoushi:20210817154955j:plain(参考)マルチジョブホルダーの資格取得・喪失の流れ
 f:id:koyama-sharoushi:20210817155056j:plain(注)HW=ハローワーク、MHLW=Ministry of Health, Labour and Welfare、厚生労働省




詳しくは下記参照先をご覧ください。

参照ホームページ[ 厚生労働省 ]
https://www.mhlw.go.jp/content/11601000/000794806.pdf

脳・心臓疾患の労災認定基準、約20年ぶりの見直しへ

 


厚生労働省の「脳・心臓疾患の労災認定の基準に関する専門検討会」は、脳・心臓疾患の労災認定の基準に関する報告書を取りまとめ、公表しました。厚生労働省では、この報告書を受け、速やかに脳・心臓疾患の労災認定基準を改正し、業務により脳・心臓疾患を発症された方に対して、適正な労災補償を行っていくとのことです。脳・心臓疾患の労災認定基準の見直しは約20年ぶりとなります。

■報告書の概要
【業務の過重性の評価(業務と発症との関連性)】
業務による「長期間にわたる疲労の蓄積」と「発症に近接した時期の急性の負荷」が発症に影響を及ぼすとする現行基準の考え方は妥当

■現行基準が適切と判断
長期間の過重業務
労働時間
・発症前1か月間に100時間または2~6か月間平均で月80時間を超える時間外労働は、発症との関連性は強い(※)
・月45時間を超えて長くなるほど、関連性は強まる
・発症前1~6か月間平均で月45時間以内の時間外労働は、発症との関連性は弱い

労働時間以外の負荷要因
・拘束時間が長い勤務
・出張の多い業務など

■現行基準に新たに取り入れることが適切と判断
長期間の過重業務
・労働時間のみで業務と発症との関連性が強いと認められる水準には至らないがこれに近い時間外労働が認められ、これに加えて一定の労働時間以外の負荷が認められるときには、業務と発症との関連性が強いと評価できることを明示
・労働時間以外の負荷要因として、「休日のない連続勤務」、「勤務間インターバルが短い勤務」及び「身体的負荷を伴う業務」を新たに規定し、他の負荷要因も整理

短期間の過重業務・異常な出来事
・業務と発症との関連性が強いと判断できる場合を明確化
→「発症前おおむね1週間に継続して深夜時間帯に及ぶ時間外労働を行うなど過度の長時間労働が認められる場合」等を例示

【対象疾病】
・認定基準の対象疾病に「重篤心不全」を追加

厚生労働省では、この報告書を受け、速やかに脳・心臓疾患の労災認定基準を改正し、業務により脳・心臓疾患を発症された方に対して、適正な労災補償を行っていくこととしています。

■脳・心臓疾患の現状
人口動態統計1による昭和22年から令和2年までの期間における主要疾患死亡率の変動をみると、下図のとおり、心疾患が悪性新生物に次いで増加を続けており、死因の第2位を占めており。脳血管疾患は昭和46年からみると減少傾向にあるが、老衰に次いで死因の第4位であり、これらの脳・心臓疾患は依然として高い水準を占めています。
  f:id:koyama-sharoushi:20210804090721j:plain詳しくは下記参照先をご覧ください。

参照ホームページ[ 厚生労働省 ]
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_19809.html

治療と仕事の両立支援助成金(環境整備コース)に関するQ&Aを更新

厚生労働省は、平成28年2月に「事業場における治療と職業生活の両立支援のためのガイドライン」を定め、がん、脳卒中、心疾患、糖尿病、肝疾患、難病などの疾病を抱える労働者が治療を受けながら働き続けられるための取組を進めることを推進しています。独立行政法人労働者健康安全機構では、令和3年度産業保健関係助成金「治療と仕事の両立支援助成金(環境整備コース)」について、このコースに関するQ&Aが更新されました。この「治療と仕事の両立支援助成金(環境整備コース)」は、事業主の方が両立支援コーディネーターの配置と、両立支援制度の導入を新たに行った場合に、助成を受けることができる制度です。職場における治療と仕事の両立支援のためにぜひご活用ください。

■治療と仕事の両立支援を巡る状況
(1)疾病を抱える労働者の状況
 「治療と職業生活の両立等支援対策事業」(平成25年度厚生労働省委託事業)における企業を対象に実施したアンケート調査によれば、疾病を理由として1か月以上連続して休業している従業員がいる企業の割合は、メンタルヘルスが38%、がんが21%、脳血管疾患が12%である。また、「平成22年国民生活基礎調査」に基づく推計によれば、仕事を持ちながら、がんで通院している者の数は、32.5万人に上っている。
 さらに、労働安全衛生法に基づく一般健康診断において、脳・心臓疾患につながるリスクのある血圧や血中脂質などにおける有所見率は、年々増加を続けており、平成26年は53%に上るなど、疾病のリスクを抱える労働者は増える傾向にある。
 また、これらの疾病の有病率は年齢が上がるほど高くなる状況にあり、高齢化の進行に伴い、今後は職場においても労働力の高齢化が進むことが見込まれる中で、事業場において疾病を抱えた労働者の治療と仕事の両立への対応が必要となる場面はさらに増えることが予想される。

(2)疾病を抱える労働者の就業可能性の向上と課題
 一方、近年の診断技術や治療方法の進歩により、かつては「不治の病」とされていた疾病においても生存率が向上し、「長く付き合う病気」に変化しつつあり、労働者が病気になったからと言って、すぐに離職しなければならないという状況が必ずしも当てはまらなくなってきている。
 しかしながら、疾病や障害を抱える労働者の中には、仕事上の理由で適切な治療を受けることができない場合や、疾病に対する労働者自身の不十分な理解や、職場の理解・支援体制不足により、離職に至ってしまう場合もみられる。
 例えば、糖尿病患者の約8%が通院を中断しており、その理由としては「仕事(学業)のため、忙しいから」が最も多くなっている。また、連続1か月以上の療養を必要とする社員が出た場合に「ほとんどが病気休職を申請せず退職する」「一部に病気休職を申請せず退職する者がいる」とした企業は、正社員のメンタルヘルスの不調の場合は18%、その他の身体疾患の場合は15%であり、過去3年間で病気休職制度を新規に利用した労働者のうち、38%が復職せず退職していた。

(3)事業場等における現状と課題
 事業場においては、健康診断に基づく健康管理やメンタルヘルス対策をはじめとして、労働者の健康確保に向けた様々な取組が行われてきたが、近年では、厳しい経営環境の中でも、労働者の健康確保や疾病・障害を抱える労働者の活用に関する取組が、健康経営やワーク・ライフ・バランス、ダイバーシティ推進、といった観点からも推進されている。
 一方で、治療と仕事の両立支援の取組状況は事業場によって様々であり、支援方法や産業保健スタッフ・医療機関との連携について悩む事業場の担当者も少なくない。
 こうしたことから、労働者の治療と仕事の両立支援に取り組む企業に対する支援や医療機関等における両立支援対策の強化も必要な状況にある。


■「治療と仕事の両立支援助成金」(環境整備コース)に関するQ&A
1 両立支援コーディネーターについて
問1-1 両立支援コーディネーター基礎研修は事業主でも受講できるのですか。
答1-1 「治療と仕事の両立支援助成金」の各コースを活用いただく場合、配置する両立支援コーディネーターは当該企業に雇用されている労働者に限定しています。ただし、本助成金の活用を予定していない場合、事業主が両立支援コーディネーター基礎研修の受講を申込みいただくことは可能です。

問1-2 両立支援コーディネーター基礎研修の受講を希望していますが、どこに申込めばよいですか。
答1-2 両立支援コーディネーター基礎研修については、労働者健康安全機構が実施していますので、当機構のホームページ中、「両立支援コーディネーター研修」で検索いただき、日程等詳細をご確認のうえ、お申込みください。

問1-3 助成金の支給対象事業主と両立支援コーディネーターの間に雇用関係は必要ですか。
答1-3 「治療と仕事の両立支援助成金」の各コースともに、雇用関係は必要です。

2 対象となる傷病について
問2-1 本助成金の両立支援制度が対象とする労働者の傷病は何ですか。
答2-1 本助成金の両立支援制度が対象とする労働者の傷病とは、がん、脳卒中、心疾患、糖尿病、肝疾患、難病などの反復・継続して治療が必要となる傷病です。

3 導入する両立支援制度について
問3-1 導入する両立支援制度について、パートタイム従業員を除く正規従業員のみを対象とする予定です。このような場合、本助成金を利用することは可能ですか。
答3-1 両立支援制度は雇用形態に関わらず、全ての労働者を対象としていることから、「同一労働同一賃金ガイドライン」(令和2年4月1日適用)を踏まえて、不合理な待遇差のないことが望ましく、雇用保険一般被保険者も含め対象とする必要があります。

4 「治療と仕事の両立支援助成金」の各コースの支給申請について
問4-1 「制度活用コース」を申請する予定がなくても、「環境整備コース」に申請することは可能ですか。
答4-1 「制度活用コース」を申請する予定の有無に関わらず、「環境整備コース」を申請いただくことは可能です。

問4-2 「環境整備コース」の支給を受けていなくても、「制度活用コース」に申請することは可能ですか。
答4-2 「環境整備コース」の支給の有無に関わらず、「制度活用コース」を申請いただくことは可能です。

問4-3 社員の高齢化に備えて、社内で相談のうえ、新しく両立支援制度を導入し、両立支援コーディネーターを配置することを考えています。治療と仕事の両立支援助成金(環境整備コース)を活用したいのですが、社内の取組期間に具体的な制約はありますか。
答4-3 本助成金を活用いただく場合、両立支援コーディネーターの配置と両立支援制度の導入について、それぞれの取組時期の前後は問いませんが、いずれの取組も、令和3年 4 月 1 日から令和4年3月 31 日までの間に実施されている必要があります。

問4-4 最初に両立支援制度を導入し、次に両立支援コーディネーターを配置しようと考えていますが、両立支援コーディネーターを配置する日が令和3年4月1日から令和4年3月31日の間にある場合、両立支援制度を導入した日も令和3年4月1日から令和4年3月31日の間でなければ申請することはできないでしょうか。
答4-4 支給申請するに当たり、基準日の要件を満たしていますが、両立支援制度を導入した日も令和3年 4 月 1 日から令和4年3月 31 日の間である必要があります。したがって、令和3年3月 31 日以前に両立支援制度を導入した場合、この条件を満たさないので申請することはできません。ただし、令和2年度中に両立支援コーディネーター基礎研修を修了し、かつ両立支援制度の導入を新たに行った事業者で、既に環境整備計画の認定を受けている場合、申請することはできます。

問4-5 現在、「ストレスチェックの実施及び体制の整備に対する助成金」の助成金を不正受給したとして不支給措置を受けているのですが、別の種類の助成金になるため、この「治療と仕事の両立支援助成金」(各コース)を新たに申請することは可能でしょうか。
答4-5 申請することはできません。当機構で取り扱っている助成金の中のいずれかで、不正受給により不支給措置を受けられている場合は、当助成金だけに限らず、産業保健関係助成金の支給申請をすることはできません。

問4-6 様式第3号「支給要件確認申立書」の中で「過去1年間に、労働関係法令(労働基準関係法令等)違反をしている。」とありますが、労働関係法令違反とはどのようなことを指すのですか。
答4-6 労働関係法令違反により送検されていること、又は行政機関から企業名の公表や認定の取り消しをされていることを指します。なお、就業規則の作成届出、36 協定届出、健康診断の実施などの労働関係法令違反については、是正・改善されてから申請していただくことが望ましいです。

※この助成金は、厚生労働省の産業保健活動総合支援事業の一環として行われています。




詳しくは下記参照先をご覧ください。

参照ホームページ[ 厚生労働省 ]
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000115267.html

令和3年度「全国労働衛生週間」を10月に実施

 厚生労働省は、10月1日(金)から7日(木)まで、令和3年度「全国労働衛生週間」を実施します。今年は、一般公募で募った454作品の中から、本村一生さん(岐阜県)の作品「向き合おう!こころとからだの健康管理」をスローガンに決定しました。また今年は、副スローガンとして、高田俊助さん(兵庫県)の作品「うつらぬうつさぬルールとともにみんなで守る健康職場」を選び、「全国労働衛生週間」を契機に、職場における新型コロナウイルス感染症拡大防止の徹底を呼びかけることとしています。

 全国労働衛生週間は、労働者の健康管理や職場環境の改善など、労働衛生に関する国民の意識を高め、職場での自主的な活動を促して労働者の健康を確保することなどを目的に昭和25年から毎年実施しているもので、今年で72回目になります。毎年9月1日から30日までを準備期間、10月1日から7日までを本週間とし、この間、各職場で職場巡視やスローガン掲示、労働衛生に関する講習会・見学会の開催など、さまざまな取り組みを展開するものです。

■主唱者、協賛者の実施事項
 以下の取組を実施する。
(1)労働衛生広報資料等の作成、配布を行う。
(2)雑誌等を通じて広報を行う。
(3)労働衛生講習会、事業者間で意見交換・好事例の情報交換を行うワークショップ等を開催する。
(4)事業場の実施事項について指導援助する。
(5)その他「全国労働衛生週間」にふさわしい行事等を行う。

■実施者の実施事項
 労働衛生水準のより一層の向上及び労働衛生意識の高揚を図るとともに、自主的な労働衛生管理活動の定着を目指して、各事業場においては、事業者及び労働者が連携・協力しつつ、次の事項を実施する。
(1)全国労働衛生週間中に実施する事項
ア:事業者又は総括安全衛生管理者による職場巡視
イ:労働衛生旗の掲揚及びスローガン等の掲示
ウ:労働衛生に関する優良職場、功績者等の表彰
エ:有害物の漏えい事故、酸素欠乏症等による事故等緊急時の災害を想定した実地訓練等の実施
オ:労働衛生に関する講習会・見学会等の開催、作文・写真・標語等の掲示、その他労働衛生の意識高揚のための行事等の実施

(2)準備期間中に実施する事項
下記の事項について、日常の労働衛生活動の総点検を行う。
ア:重点事項
(ア)過重労働による健康障害防止のための総合対策に関する事項
  a.時間外・休日労働の削減、年次有給休暇の取得促進及び労働時間等の設定の改善による
    仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)の推進
  b.事業者による仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)の推進や過重労働対策を積極的に推進する旨の表明
  c.労働安全衛生法に基づく労働時間の状況の把握や長時間労働者に対する医師の面接指導等の実施の徹底
  d.健康診断の適切な実施、異常所見者の業務内容に関する医師への適切な情報提供、医師からの意見聴取及び事後措置の徹底
  e.小規模事業場における産業保健総合支援センターの地域窓口の活用
(イ)「労働者の心の健康の保持増進のための指針」等に基づくメンタルヘルス対策の推進に関する事項
  a.事業者によるメンタルヘルスケアを積極的に推進する旨の表明
  b.衛生委員会等における調査審議を踏まえた「心の健康づくり計画」の策定、実施状況の評価及び改善
  c.4つのメンタルヘルスケア(セルフケア、ラインによるケア、事業場内産業保健スタッフ等によるケア、
     事業場外資源によるケア)の推進に関する教育研修・情報提供
  d.労働者が産業医や産業保健スタッフに直接相談できる仕組みなど、労働者が安心して健康相談を受けられる環境整備
  e.ストレスチェック制度の適切な実施、ストレスチェック結果の集団分析及びこれを活用した職場環境改善の取組
  f.職場環境等の評価と改善等を通じたメンタルヘルス不調の予防から早期発見・早期対応、
     職場復帰における支援までの総合的な取組の実施
  g.「自殺予防週間」(9月10日~9月16日)等をとらえた職場におけるメンタルヘルス対策への積極的な取組の実施
  h.産業保健総合支援センターにおけるメンタルヘルス対策に関する支援の活用
(ウ)新型コロナウイルス感染症の拡大防止に向けた取組の推進に関する事項
  a.職場における感染防止対策の基本である「取組の5つのポイント」に基づく、事業場内の感染防止対策実施状況の確認と徹底
  b.「職場における新型コロナウイルス感染症の拡大を防止するためのチェックリスト」を活用した、
     職場の実態に即した実行可能な感染拡大防止対策の検討及び対策の実施
(エ)「高年齢労働者の安全と健康確保のためのガイドライン」に基づく労働災害の予防的観点からの高年齢労働者に対する健康づくりの推進に関する事項
  a.事業者による高年齢労働者の労働災害防止対策に積極的に取り組む旨の表明
  b.高年齢労働者の身体機能の低下等による労働災害の発生を考慮したリスクアセスメントの実施
  c.高年齢労働者が安全に働き続けることができるよう、事業場の実情に応じ、施設、設備、装置等の
     改善及び体力の低下等の高年齢労働者の特性を考慮した、作業内容等の見直し
  d.労働安全衛生法に基づく雇入時及び定期の健康診断の確実な実施と、労働者の気付きを促すための体力チェックの活用
  e.高年齢労働者の身体機能の維持向上のための取組の実施
(オ)化学物質による健康障害防止対策に関する事項
  a.中小規模事業場を中心とした特定化学物質障害予防規則、有機溶剤中毒予防規則等の特別規則の遵守の徹底
    (非製造業業種を含む)、金属アーク溶接等作業における健康障害防止対策の推進
  b.製造者・流通業者が化学物質を含む製剤等を出荷する際及びユーザーが購入した際の
     ラベル表示・安全データシート(SDS)交付の状況の確認
  c.SDSにより把握した危険有害性に基づくリスクアセスメントの実施とその結果に基づく
    ばく露濃度の低減や適切な保護具の使用等のリスク低減対策の推進
  d.ラベルやSDSの内容やリスクアセスメントの結果について労働者に対する教育の推進
  e.危険有害性等が判明していない化学物質を安易に用いないこと、また、危険有害性等が不明であることは
     当該化学物質が安全又は無害であることを意味するものではないことを踏まえた取扱い物質の選定、
     ばく露低減措置及び労働者に対する教育の推進
  f.皮膚接触や眼への飛散による薬傷等や化学物質の皮膚からの吸収等を防ぐための
     適切な保護具や汚染時の洗浄を含む化学物質の取扱い上の注意事項の確認
  g.特殊健康診断等による健康管理の徹底
  h.塗料の剥離作業における健康障害防止対策の徹底
(カ)石綿による健康障害防止対策に関する事項
  a.建築物等の解体・改修工事における石綿ばく露防止対策の徹底及びこれらの対策の実施に対する発注者による配慮の推進
   (a)必要な知識を有する者による事前調査の実施、事前調査結果の掲示及び備え付けの徹底
   (b)労働基準監督署に対する届出の徹底
   (c)隔離・湿潤化の徹底
   (d)呼吸用保護具等の使用の徹底及び適正な使用の推進
   (e)作業後等の労働者の洗身や工具等の付着物の除去の徹底
   (f)石綿作業主任者の選任及び職務遂行の徹底
   (g)健康診断の実施の徹底及び離職後の健康管理の推進
   (h)作業実施状況の写真等による記録の徹底
  b.吹付け石綿等が損傷、劣化し、労働者が石綿等にばく露するおそれがある建築物等における吹付け石綿
    石綿含有保温材等の除去、封じ込め等の徹底(貸与建築物等の場合において貸与者等に措置の実施を確認し、
    又は求めることを含む。
   (a)労働者が就業する建築物における石綿含有建材の使用状況の把握
   (b)封じ込め、囲い込みがなされていない吹付け材、保温材等の石綿使用の有無の調査
   (c)建材の損傷劣化状況に関する必要な頻度の点検の実施
   (d)建材の劣化状況等を踏まえた必要な除去等の実施
   (e)設備の点検、補修等の作業を外注する場合における、吹付け石綿石綿含有保温材等の有無
      及びその損傷・劣化等の状況に関する当該設備業者等への情報提供の実施
  c.石綿にばく露するおそれがある建築物等において労働者を設備の点検、
     補修等の作業等に臨時で就業させる場合の労働者の石綿ばく露防止
   (a)労働者を臨時に就業させる建築物等における吹付け石綿石綿含有保温材等の有無
      及びその損傷・劣化等の状況に関する当該業務の発注者からの情報収集の実施
   (b)労働者が石綿にばく露するおそれがある場合(不明な場合を含む。)における労働者の呼吸用保護具等の使用の徹底
  d.禁止前から使用している石綿含有部品を交換・廃棄等を行う作業における労働者の石綿ばく露防止対策の徹底
   (a)工業製品等における石綿含有製品等の把握
   (b)石綿含有部品を交換・廃棄等を行う作業における呼吸用保護具等の使用等
(キ)「職場における受動喫煙防止のためのガイドライン」に基づく受動喫煙防止対策に関する事項
  a.各事業場における現状把握と、それを踏まえ決定する実情に応じた適切な受動喫煙防止対策の実施
  b.受動喫煙の健康への影響に関する理解を図るための教育啓発の実施
  c.支援制度(専門家による技術的な相談支援、喫煙室の設置等に係る費用の助成)の活用
(ク)「事業場における治療と仕事の両立支援のためのガイドライン」に基づく治療と仕事の両立支援対策の推進に関する事項
  a.事業者による基本方針等の表明と労働者への周知
  b.研修等による両立支援に関する意識啓発
  c.相談窓口等の明確化
  d.両立支援に活用できる休暇・勤務制度や社内体制の整備
  e.治療と仕事の両立を支援するための制度導入等に係る助成金、産業保健総合支援センターによる支援の活用
(ケ)「職場における腰痛予防対策指針」に基づく腰痛の予防対策の推進に関する事項
  a.リスクアセスメント及びリスク低減対策の実施
  b.作業標準の策定及び腰痛予防に関する労働衛生教育(雇入れ時教育を含む。)の実施
  c.社会福祉施設及び医療保健業向けの腰痛予防講習会等を活用した介護・看護作業における腰部に負担の少ない介助法の実施
  d.陸上貨物運送事業における自動化や省力化による人力への負担の軽減
(コ)「STOP!熱中症クールワークキャンペーン」に基づく熱中症予防対策の推進に関する事項
  a.WBGT値の実測と、測定値に基づく熱中症リスクの評価、作業時間の短縮や、
     暑熱順化不足者の把握を含めた作業前ミーティングでの注意喚起など、評価を踏まえた適切な熱中症予防対策の実施
  b.自覚症状の有無にかかわらない水分・塩分の摂取
  c.救急措置の事前の確認と実施
  d.健康診断結果を踏まえた日常の健康管理や健康状態の確認
(サ)「テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン」に基づく労働者の作業環境、健康確保等の推進に関する事項
  a.「テレワークを行う労働者の安全衛生を確保するためのチェックリスト【労働者用】」を活用した作業環境の確保及び改善
  b.「テレワークを行う労働者の安全衛生を確保するためのチェックリスト【事業者用】」を活用した労働者の心身の健康確保

イ:労働衛生3管理の推進等
(ア)労働衛生管理体制の確立とリスクアセスメントを含む労働安全衛生マネジメントシステムの確立をはじめとした労働衛生管理活動の活性化に関する事項
  a.労働衛生管理活動に関する計画の作成及びその実施、評価、改善
  b.総括安全衛生管理者、産業医、衛生管理者、衛生推進者等の労働衛生管理体制の整備・充実とその職務の明確化及び連携の強化
  c.衛生委員会の開催と必要な事項の調査審議
  d.危険性又は有害性等の調査及びその結果に基づく必要な措置の推進
  e.現場管理者の職務権限の確立
  f.労働衛生管理に関する規程の点検、整備、充実
(イ)作業環境管理の推進に関する事項
  a.有害物等を取り扱う事業場における作業環境測定の実施とその結果の周知及びその結果に基づく作業環境の改善
  b.局所排気装置等の適正な設置、稼働、検査及び点検の実施の徹底
  c.事務所や作業場における清潔保持
  d.換気、採光、照度、便所等の状態の点検及び改善
(ウ)作業管理の推進に関する事項
  a.自動化、省力化等による作業負担の軽減の推進
  b.作業管理のための各種作業指針の周知徹底
  c.適切、有効な保護具等の選択、使用及び保守管理の徹底
(エ)「職場の健康診断実施強化月間」(9月1日~9月30日)を契機とした健康管理の推進に関する事項
  a.健康診断の適切な実施、異常所見者の業務内容に関する医師への適切な情報提供、医師からの意見聴取及び事後措置の徹底
  b.一般健康診断結果に基づく必要な労働者に対する医師又は保健師による保健指導の実施
  c.高齢者の医療の確保に関する法律に基づく医療保険者が行う特定健診・保健指導との連携
  d.小規模事業場における産業保健総合支援センターの地域窓口の活用
(オ)労働衛生教育の推進に関する事項
  a.雇入れ時教育、危険有害業務従事者に対する特別教育等の徹底
  b.衛生管理者、作業主任者等労働衛生管理体制の中核となる者に対する能力向上教育の実施
(カ)「事業場における労働者の健康保持増進の指針」等に基づく心とからだの健康づくりの継続的かつ計画的な実施に関する事項
(キ)快適職場指針に基づく快適な職場環境の形成の推進に関する事項
(ク)「副業・兼業の促進に関するガイドライン」に基づく副業・兼業を行う労働者の健康確保対策の推進に関する事項
(ケ)職場における感染症新型コロナウイルス感染症、ウイルス性肝炎、H.IV、風しん等)に関する予防接種への配慮を含めた理解と取組の促進に関する事項


ウ:作業の特性に応じた事項
(ア)粉じん障害防止対策の徹底に関する事項
  a.「粉じん障害防止総合対策推進強化月間」(9月1日~9月30日)を契機とした
     「第9次粉じん障害防止総合対策」に基づく取組の推進
   (a)屋外における岩石・鉱物の研磨作業若しくはばり取り作業及び屋外における鉱物等の破砕作業に係る粉じん障害防止対策
   (b)ずい道等建設工事における粉じん障害防止対策
   (c)呼吸用保護具の使用の徹底及び適正な使用の推進
   (d)じん肺健康診断の着実な実施
   (e)離職後の健康管理の推進
  b.改正粉じん障害防止規則に基づく取組の推進
(イ)電離放射線障害防止対策の徹底に関する事項
(ウ)「騒音障害防止のためのガイドライン」に基づく騒音障害防止対策の徹底に関する事項
(エ)「振動障害総合対策要綱」に基づく振動障害防止対策の徹底に関する事項
(オ)「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン」に基づく
      情報機器作業における労働衛生管理対策の推進に関する事項
(カ)酸素欠乏症等の防止対策の推進に関する事項

  a.酸素欠乏危険場所における作業前の酸素及び硫化水素濃度の測定の徹底
  b.換気の実施、空気呼吸器等の使用等の徹底
(キ)建設業、食料品製造業等における一酸化炭素中毒防止のための換気等に関する事項


エ:東日本大震災等に関連する労働衛生対策の推進
(ア)東電福島第一原発における作業や除染作業等に従事する労働者の放射線障害防止対策の徹底に関する事項
(イ)「原子力施設における放射線業務及び緊急作業に係る安全衛生管理対策の強化について」
     (平成24年8月10日付け基発0810第1号)に基づく
      東電福島第一原発における事故の教訓を踏まえた対応の徹底に関する事項


 今年は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止の観点から、いわゆる“3つの密”((1)密閉、(2)密集、(3)密接)を避けることを徹底しつつ、各事業場の労使協力のもと、全国労働衛生週間を実施します。

 全国労働衛生週間を活用し、過労死等の防止を含めた長時間労働による健康障害の防止対策やメンタルヘルス対策の推進、事業場で留意すべき「取組の5つのポイント」をはじめ職場における新型コロナウイルス感染症の予防対策の推進、病気を抱えた労働者の治療と仕事の両立支援をサポートする仕組みを整備。
 また、化学物質対策では、特定化学物質障害予防規則、石綿障害予防規則などの関係法令に基づく取り組みの徹底を図るとともに、各事業場におけるリスクアセスメントとその結果に基づくリスク低減対策の実施を促進していくとのことです。




詳しくは下記参照先をご覧ください。

参照ホームページ[ 厚生労働省 ]
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_19768.html

「外国人雇用対策の在り方に関する検討会」の中間取りまとめを公表

厚生労働省は、「外国人雇用対策の在り方に関する検討会」の中間取りまとめを行い公表しています。本検討会は、我が国の労働市場の動向や、その中における外国人雇用の状況を確認しつつ、アフターコロナも見据えた外国人雇用の在り方とその対応策について、具体的な方向性を議論することを目的として、厚生労働省職業安定局長が公労使の構成員の参集を求めて開催したものです。
厚生労働省としては、この中間取りまとめで示された対応の方向性を具体的な施策に反映できるように検討し、外国人労働者に対する支援をより一層充実していくとのことです。

■外国人雇用対策の在り方に関する検討会の開催趣旨
 近年、我が国における外国人労働者の数は急激に増加し、この10年間で約3倍となっています。この間、産業構造も絶えず変化しており、国内では、様々な分野で、多様な技能を有する外国人労働者が活躍しています。
 こうした中で、平成31年には、生産性向上や国内人材確保のための取組を行ってもなお深刻な人手不足である分野に労働者を受け入れるため、新たな在留資格「特定技能」が創設されるとともに、「外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策」に基づき、我が国で共に働き、共に生きる存在として、外国人を受入れるための環境整備が政府全体で進められています。

 一方で、足下に目を向けると、新型コロナウイルス感染症の影響により、国際的な人の往来が一時的に停滞する等、社会活動に変化が生じ、様々な産業が打撃を受ける中で、外国人労働者にも影響が確認されています。
 このように、複雑化する社会経済情勢の中にあっては、学識経験者や労使の代表による意見を聞きながら、雇用情勢の変化に応じた適時・的確かつ柔軟な外国人雇用対策を実施していくことが求められています。
 このため、本検討会は、我が国の労働市場の動向や、その中における外国人雇用の状況を確認しつつ、アフターコロナも見据えた外国人雇用の在り方とその対応策について、具体的な方向性を議論することを目的として開催されました。

■検討結果
1:外国人雇用対策の在り方と方向性(総論)
(1)我が国労働市場への外国人労働者の包摂の状況や国際的な労働移動を適切に把握し、エビデンスに基づいた外国人雇用対策を講じるべき。
 本検討会では、国内労働市場における外国人労働者の状況について、統計データによる客観的な把握に努めた。既存の統計やそれに基づく分析から、新型コロナウイルス感染症禍において、外国人労働者は、日本人労働者と比較して、離職しやすく再就職しにくいのではないかという課題が浮かび上がり、また、在留資格によって雇用状況に様々な違いがあることが明らかになった。しかし、外国人労働者と日本人労働者との比較を行うための客観的な情報の把握については、多くの課題がある。

 また、国際労働移動は送出し国と受入れ国の経済発展段階を踏まえた構造的なものであり、欧米、湾岸諸国を含めてグローバルに行われている。外国人労働者は、送出し国の経済水準や教育水準を背景に、それぞれの学歴に応じ、様々なルートにより就労や留学先となる国を選択している。日本もかつては送出し国であったが、現在は受入れ国となっているように、社会経済状況の変化が、国際労働移動に変化をもたらす。このため、外国人労働者の雇用対策の検討にあたっては、国際労働移動の観点から、送出し国側の視点や、他の受入れ国との比較も踏まえた広い視野による検討が求められる。

 外国人労働者をめぐる問題については、エピソードベースの情報にとどまらず、国内外の労働市場の動向の全体像をエビデンスに基づき客観的に把握し、取り組むべき課題や優先順位を明確にすることが求められる。その上で、我が国の労働市場における包摂の状況や国際的な労働移動のありようを適切に把握し、労働市場が円滑・適正に機能するための方策を検討していくことが必要である。また、検討にあたっては、多様なステークホルダーの参画を図るとともに、議論の過程を公開し、日本人、外国人双方に周知されるべきである。

(2)新型コロナウイルス感染症禍で起きている複層的な課題を解決するために、関係機関が得意とする分野を生かして、連携して対応していくべき。
 新型コロナウイルス感染症禍に伴う入国や行動の制限等による経済への影響により、外国人労働者の雇用は、若年労働者や女性労働者等と同様、様々な影響を受けていると考えられる。他方で、外国人労働者は、その在留資格・国籍、所属する職場やコミュニティの多様性を背景に、外から見えにくい形で窮状に陥っている場合があると考えられる。困窮する外国人の中には、行政からの情報が届かず、自ら支援を求めることも難しい者がいると考えられるため、困窮する外国人を可視化し、教育や福祉、人道上の観点も含めて適切にアウトリーチを行うなど、様々なチャネルからの支援が必要である。

 こうした状況下では、関係諸機関が連携して、解決に向けた取組を進めていくべきである。例えば、公共職業安定機関であるハローワークと、地域や家庭に対するアプローチを得意とする福祉・教育機関や、民間の支援機関といった様々な機関がそれぞれのリソースを持ち寄って対応することが必要である。
 また、これまで、外国人労働者については、在留資格別の管理という視点が強かったが、新型コロナウイルス感染症禍という全世界的な危機の中においては、どのような在留資格、国籍であっても、それぞれの特性に留意しつつ就労支援等の労働市場への包摂を図ることが必要ということが明らかとなった。このためには、日本人と同様に、労働法遵守と人権の擁護、各種行政サービスへのアクセスを確保するとともに、外国人労働者がその有する能力を最大限に発揮するという観点から、労働市場が機能するための円滑かつ適正な職業紹介と採用、労働者のスキルの適正な評価等を確保することが重要である。また、外国人の幸福追求という観点も重要である。

(3)日本と母国の文化ギャップの克服や、専門的・技術的分野の外国人労働者の長期キャリアを前提とした就労環境を整備していくべき。
 外国人労働者の職場・地域への望ましい定着の在り方を考える上では、外国人と日本人の文化ギャップや認識の相違が原因でトラブルが生じることが多い。例えば、外国人労働者の採用の場面では、企業が業務内容にかかわらず日本人と同等のコミュケーション能力を求める一方、外国人労働者が母国の雇用慣行を前提とした働き方を希望することなどによるミスマッチや、職場におけるコミュニケーションの場面で、日本人特有の言い回し等への認識の相違が原因でトラブルが生じることがある。

 外国人の職場への定着のためには、外国人に対して日本の職場への理解を深めることを求めるのみならず、受入企業側に対しても外国人が働きやすい雇用環境を整備するよう働きかけ、両者のギャップを埋めることで、円滑な関係を構築できるような取組が進められるべきである。
また、留学を経て専門的・技術的分野の在留資格を取得する者は増加傾向にある。これら在留資格は、更新に制約がなく、日本に長期間滞在することを前提としていることから、在留資格の変更を含めた多様なキャリアを実現するための支援が行われるべきである。加えて、外国につながる子どもについても、労働市場や地域社会への包摂という観点から、適切な能力開発と在留資格の取得を通じ、自己実現を図ることができるよう、適切なキャリア形成支援を行っていく必要がある。

(4)まとめ:外国人雇用対策は、我が国の雇用や労働市場の質を向上させるという積極的な視点をもって推進するべき。
 これまで述べた外国人労働者をめぐる課題の諸相をみると、外国人が抱えやすい課題がある一方で、我が国の労働市場の課題を反映している面がある。このため、外国人労働者に対する支援は、現下の状況を踏まえた特別な対応としての意味に留まらず、広く我が国の雇用や労働市場の質を向上させていくという点で、アフターコロナに向けての積極的な意味を持ちうるものである。


2:各課題とその対応に関する方向性(各論)
データ(整備の必要性)
 ・労働市場における外国人労働者の状況をより詳細に把握・分析すべき。
 ・中長期的には、日本人と外国人が比較可能な統計等を新たに整備することも含めて検討すべき。

国際労働移動(送出国の視点で捉える)

 ・国際機関の活動等への参画を通じて国際労働移動の状況変化を把握すべき。
 ・ポストコロナも見据え、外国人労働者にとって日本の労働市場が円滑に機能するための職業紹介のあり方等を検討すべき。

文化ギャップ(コミュニケーションの改善)
 ・職場で必要なコミュニケーション能力の見える化とそれに応じた研修、文化ギャップを克服する就業体験を促進すべき。
 ・外国人労働者の職業紹介や就業環境の向上を担う専門人材の育成を検討すべき。

支援(様々な要因で困窮)
 ・NPO法人等とハローワークが連携し、困窮外国人へのアウトリーチを強化すべき。
 ・地域コミュニティ等を通じた情報発信、データベース整備による求人開拓を強化すべき。
 ・帰国困難者が応募可能な短期求人を民間企業・職業紹介事業者に働きかけるべき。

職場定着(定着を見据えた受入れ)
 ・モデル地域と受入れから定着までの一貫した支援を実証し、成果を周知すべき。
 ・各種支援ツールも積極的に活用して、雇用管理改善指導・援助を行うべき。

留学生(国内就職の促進)
 ・大学とハローワークの連携協定の締結等、就職支援を強化し、成果を横展開すべき。
 ・就活や職場定着のための研修用モデルカリキュラムの普及を図るべき。

子ども(キャリアを拓く)
 ・キャリアコンサルタントの育成などキャリアアップを支援すべき。
 ・高校・ハローワーク・関係機関が連携して、親も含めた外国につながる子どものキャリア形成支援を試行的に実施すべき。




詳しくは下記参照先をご覧ください。

参照ホームページ[ 厚生労働省 ]
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_19426.html