65歳超雇用推進マニュアルの改定版などを公表

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独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構から、「65歳超雇用推進マニュアル(その2=改訂版)」及び「65歳超雇用推進事例集」が公表されています。
2013年4月より、高年齢者雇用安定法により、企業は、従業員が希望すれば65歳まで働き続けられるしくみを整備することが義務付けられました。これによって、希望すれば65歳まで働けるようになりましたが、さらに戦力化を図っていくことが求められています。
「ニッポン一億総活躍プラン」(2016年6月に閣議決定)や「働き方改革実行計画」(2017年3月働き方改革実現会議決定)では、将来的に継続雇用年齢や定年年齢の引上げを進めていくための環境整備を行っていくこととされています。
マニュアルは、こうした動きを受け、65歳以上への定年引上げ、66歳以上への継続雇用延長などに関して、制度を見直す手順や、企業事例、チェックリスト、就業規則のひな形など、役に立つ情報を取りまとめたものです。

「65歳超雇用推進マニュアル(その2)」は、「65歳超雇用推進マニュアル」の改訂版です。退職金制度の解説を充実させ、業種別ワンポイントアドバイス就業規則(参考例)など役に立つ情報を追加。また、事例を大幅に入れ替え、22事例がコンパクトに紹介されています。

<65歳超雇用推進マニュアル(その2)>
http://www.jeed.or.jp/elderly/data/q2k4vk000000tf3f-att/q2k4vk000001c9rh.pdf

このマニュアルでは定年引上げ、継続雇用延長、定年制の廃止、再就職の受入れに関して、
・制度を見直す「手順」を具体的に説明
・具体的な企業事例を紹介
・貴社の状況を5分で知るためのチェックリストを用意
・再雇用と定年引上げをメリット・デメリット表で比較
・業種別ワンポイントアドバイス就業規則の例も用意
されています。

『平成29年「高年齢者の雇用状況」集計結果』(厚生労働省)によると、2017年6月時点で法に定められた高年齢者雇用確保措置を実施している企業の割合は99.7%、希望者全員が65歳以上まで働ける企業の割合は75.6%となっています。
一方、高齢者の側は、7割近くが65歳を超えても働きたいと答えています。 「65歳超雇用推進事例集」は、2017年5月から10月にかけてヒアリングした企業のうち、規模、業種、地域などを勘案して選定した23事例を掲載しています。また、事例集では、読者が使いやすいよう様々な工夫がされています。ここでは、本事例集の活用方法についてご紹介します。
<基本編>
各事例とも、4ページ構成で、①企業概要、②定年引上げの背景、③定年制度の内容、④高齢社員を活用するための工夫、⑤今後の課題-などを示しています(項目名は、企業の取組みによって異なります)

<応用編>
○規模別にみる
各種取り組みについて、大企業では比較的容易にできることであっても、中小企業にとっては必ずしもそうでないこともあります。事例集では、多くの企業等の方々にご活用いただけるよう様々な従業員規模の事例を取り上げています。なお、事例は規模の小さい企業から順番に掲載しています。
○業種別にみる
業種によって、共通の課題を抱えている場合があります。目次及び一覧表で業種を明記していますので、ご活用ください。
○キーワードでみる
引上げのきっかけ、高齢社員の処遇、助成金など各種支援制度の活用など、気になるキーワード別に引けるよう索引も用意されています。
○定年・継続雇用制度、高齢者の受入れ状況別にみる
定年引上げを考えているのか、継続雇用延長を考えているのか、あるいは、高齢者の採用を考えているのかによって、参考となる事例は異なります。
○地域でみる
事例集作成にあたっては、できるだけ幅広い地域で事例の収集がされています。

<65歳超雇用推進事例集>
http://www.jeed.or.jp/elderly/data/q2k4vk000000tf3f-att/q2k4vk000001c9uc.pdf

詳しくは下記参照先をご覧ください。

参照ホームページ[独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構 ]
http://www.jeed.or.jp/elderly/data/manual.html

エイジレスに働ける社会の実現に向けた高齢社会対策

内閣府から、平成30年2月16日に開催された「第29回高齢社会対策会議」の資料が公表されました。今回の会議では、新たな高齢社会対策大綱の案について議論が行われました。年金の受給開始年齢について70歳以降を選択可能とすることを盛り込み、高齢者の就業促進と年金の給付改善を期待するものです。数値目標も設定し、2016年時点で63・6%だった60~64歳の就業率を2020年に67%まで引き上げる目標を掲げています。

●大綱策定の目的
・65歳以上を一律に「高齢者」と見る一般的な傾向はもはや現実的なものではなくなりつつあり、70歳やそれ以降でも、意欲・能力に応じた力を発揮できる時代が到来。
高齢化に伴う社会的課題に対応し、全ての世代が満ち足りた人生を送ることのできる環境をつくる。

●基本的考え方
(1)年齢による画一化を見直し、全ての年代の人々が希望に応じて意欲・能力をいかして活躍できるエイジレス社会(※1)を目指す。
○年齢区分でライフステージを画一化することの見直し
○誰もが安心できる「全世代型の社会保障」も見据える

※1エイジレス・ライフとは内閣府によって推し進められている、高齢者の生活様式。これは年を重ねて高齢者となった者が、年齢にとらわれることなく自らの責任と能力において自由で生き生きとした生活を送ろうというものである。エイジレス・ライフというのは社会に参加するという形式での生活という事とされており、これは就業であったり社会活動であったり、または異なった世代との交流であるなど、高齢となった者でも社会の一員として活動できるという生活を見つけ出そうというものである。 【出典:Wikipedia (2)地域における生活基盤を整備し、人生のどの段階でも高齢期の暮らしを具体的に描ける地域コミュニティを作る。
○多世代間の協力拡大や社会的孤立を防止
高齢者が安全・安心かつ豊かに暮らせるコミュニティづくり

(3)技術革新の成果(※2)が可能にする新しい高齢社会対策を志向する。
高齢期の能力発揮に向けて、新技術が新たな視点で、支障となる問題(身体・認知能力等)への解決策をもたらす可能性に留意

※2政府では、“Society 5.0”、すなわち、「サイバー空間の積極的な利活用を中心とした取組を通して、新しい価値やサービスが次々と創出され、人々に豊かさをもたらす、狩猟社会、農耕社会、工業社会、情報社会に続く人類史上5番目の社会」の実現に取り組むこととしている。(経済財政運営と改革の基本方針2017、平成29年6月9日) ・年金の受給開始時期は、現在、60歳から70歳までの間で個人が自由に選べる仕組みとなっている。このうち65歳より後に受給を開始する繰下げ制度について、積極的に制度の周知に取り組むとともに、70歳以降の受給開始を選択可能とするなど、年金受給者にとってより柔軟で使いやすいものとなるよう制度の改善に向けた検討を行う。

・また、在職老齢年金については、高齢期における多様な就業と引退への移行に弾力的に対応する観点から、年金財政に与える影響も考慮しつつ、制度の在り方について検討を進める。

などとされています。

詳しくは下記参照先をご覧ください。

参照ホームページ[内閣府]
http://www8.cao.go.jp/kourei/measure/taisakukaigi/29/shiryou.html

AI(人工知能)が職場にもたらす影響に関する調査

平成30年2月16日、日本労働組合総連合会より「AI(人工知能)が職場にもたらす影響に関する調査」が公表されました。この調査は、全国の20歳以上の働く男女1,000名の有効サンプルを集計したものです。連合が指摘しているように、AI等の情報通信技術の進展により、省人化が進展することが予測されています。そして、それは、人手不足の解消につながる反面、従来型のホワイトカラーの仕事が大きく減少していくことになる可能性も高いと言われています。

この調査で、現状の労働者がAIに対して持っているイメージは下記の結果となっています。

・AIのイメージ1位「記憶力や情報量が多い」
 臨機応変な対応や創造性の能力は、苦手なイメージ

・AI導入で「自分の仕事が変わる」と3人に2人が予想

・AIの導入で仕事は楽になる?それとも負担が増える?
 4割半ばが「仕事が楽になる」と予想

・AI導入で労働時間がどう変わる?2割半ばが「減る」と予想
 減少予想は「運輸」「金融・保険」で高く、AI導入で長時間労働の緩和に期待

・AIの活用で「勤務先が維持・成長・発展する」と考える人は約6割

・AIが導入されたら現在のスキル・知識で対応できる?「できないと思う」が7割弱
 AIに関する知識やスキルに自信のない人が多いという結果

◆AIの認知とイメージ
・AIの認知率は約9割
・AIのイメージ1位「記憶力や情報量が多い」2位「ミスが少なく正確」3位「複数の事象を把握・対応できる」「臨機応変な対応ができる」「創造性がある」とイメージした人は4割未満

◆AIの普及に関する意識
・AIの普及に「期待している」5割半期待率が最も高いのは金融・保険業
・AI導入で「自分の仕事が変わる」と3人に2人が予想
・AIの導入で仕事は楽になる?それとも負担が増える?4割半ばが「仕事が楽になる」と予想
・AIの導入で労働時間はどう変わる?2割半ばが「減る」と予想減少予想は「運輸」「金融・保険」で高く、AI導入で長時間労働の緩和に期待
・AIの導入によって職場で働く人数に変化?公務等、金融・保険業では半数以上が「減る」と予想
・AIの導入で賃金は増える?それとも減る?6割半ばが「変わらない」と回答、2割半ばが「減る」と予想
・AI導入による影響はまだ先?「自分が働いている間は、AIによる仕事への影響はない」と考える人が5割近く
・AIの活用で「勤務先が維持・成長・発展する」と考える人は約6割

◆AIを使った仕事に関する意識
・職場にAIが導入されたら「AIを使って仕事をしたい」4割強
・AIが導入されたら現在のスキル・知識で対応できる?「できると思う」3割強「できないと思う」7割弱
・AIに関するスキルアップの訓練は「公的な教育機関、専門学校」など企業外で受けたい人が4割、「自分が働く企業の研修施設、業務時間中のOJT」など企業内で受けたい人が3割強

詳しくは下記参照先をご覧ください。

参照ホームページ[日本労働組合総連合会 ]
https://www.jtuc-rengo.or.jp/info/chousa/data/20180216.pdf

健康保険料率・介護保険料率・雇用保険料率の改定

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平成30年度の健康保険料率・介護保険料率・雇用保険料率が決定しました。
健康保険料率・介護保険料率は改定され、雇用保険料率は据え置きとなります。

●健康保険料率
平成30年度の協会けんぽの保険料率は3月分(4月納付分)から改定されます。
*任意継続被保険者及び日雇特例被保険者の方は4月分(4月納付分)から変更となります。 ※40歳から64歳までの方(介護保険第2号被保険者)は、これに全国一律の介護保険料率(1.57%)が加わります。

介護保険料率
協会けんぽ介護保険料率は、下記の通りです。
【一般被保険者】
平成30年3月分(5月1日納付期限分)から: 1.57%
【任意継続被保険者、日雇特例被保険者】
平成30年4月分から:1.57%

雇用保険料率
平成30年度の雇用保険料率は、平成29年度から変更ありません。
平成30年4月1日から平成31年3月31日までの雇用保険料率は下記の通りです。
【失業等給付の保険料率】
⇒労働者負担・事業主負担ともに3/1,000(農林水産・清酒製造の事業及び建設の事業は4/1,000
雇用保険二事業の保険料率】(事業主のみ負担)
3/1,000(建設の事業は4/1,000です。)

詳しくは下記参照先をご覧ください。

参照ホームページ[ 厚生労働省 ]
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat330

【NEW】無期転換ルールに関する取組を強化へ 相談ダイヤルを設置

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厚生労働省から平成30年2月8日、「平成30年4月に向けて無期転換ルールに関する取組を強化します」というお知らせが公表されました。
無期転換ルール(※)に基づき、無期転換申込権が本格的に発生する平成30年4月1日まで残り2か月を切ったことから、これまでの取組に加え、次の2つの取組を実施するとのことです。

※無期転換ルール
平成25年4月1日以降の有期労働契約期間が同一の事業主との間で更新されて通算5年を超えた有期契約労働者が、期間の定めのない労働契約(無期労働契約)への申込みをした場合、事業主は当該申込みを承諾したものとみなされ、無期労働契約に転換されるルールのことです。

●相談窓口を明確化し、相談にしっかりと対応
平成30年2月13日(火)から、「無期転換ルール」に関する相談に対応する全国統一番号の相談ダイヤル「無期転換ルール緊急相談ダイヤル」を開設。無期転換ルールの概要などの問い合わせのほか、同ルールに関連した雇止め、労働条件の引き下げなどの相談について対応します。 【無期転換ルール緊急相談ダイヤル 概要】
■開設日時:平成30年2月13日(火)8:30~
■受付時間:平日8:30~17:15
 (土曜、日曜、祝日、年末年始(12月29日~1月3日)は除く)

上記ダイヤルは、発信地域から最寄りの都道府県労働局へ繋がります。
 固定電話からの通話料は10.8円/90秒(20kmまで、距離によって変わります)
 携帯電話からの通話料は10.8円/20秒かかります。
 050番号帯IP電話等からはご利用いただけません。
都道府県労働局の「無期転換ルール特別相談窓口」にも直接ご相談いただけます。

●業界団体等に対して改めて要請を行います
厚生労働省では製造業や小売業など有期契約労働者を多く雇用している業界の団体に対して、労働契約法の趣旨を踏まえた無期転換ルールの円滑な導入が図られるよう、改めて要請を行います。また、独立行政法人等に対しても、関係省庁を通じて、改めて要請を行うとのことです。

同省では、これらの取組をはじめ、労働契約法の趣旨を踏まえた無期転換ルールの円滑な導入が図られるよう、より一層の周知啓発に取り組んでいくとのことです。

詳しくは下記参照先をご覧ください。

参照ホームページ[ 厚生労働省 ]
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000193500.html

【NEW】年金分野でのマイナンバー制度の利用について

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厚生労働省より平成30年2月14日、年金分野でのマイナンバー制度の利用について、情報を掲載するページが公開されました。
平成29年1月より、年金分野でのマイナンバーの利用が開始されています。これにより、年金手帳等でなくても、マイナンバーカードを窓口に持参すれば、相談や照会といったサービスを受けられるようになっています。

平成30年3月より、厚生年金保険の被保険者、事業主及び受給権者並びに国年年金の被保険者及び受給権者が提出する各種届書等であって、現在、基礎年金番号を記載しなければならないこととされているものについて、個人番号による各種手続も可能とするため、「個人番号又は基礎年金番号」のいずれかの記載を求めることとする改正が行われます。制度導入に伴うメリットや、主な変更点について、リーフレットが公開されています。 同ページでは、この改正により、個人番号による手続が可能となった主な届書等も紹介されています(「マイナンバー(個人番号)を記載していただく主な届書等」として紹介)。
  • 厚生年金保険関係
    • 被保険者資格取得届・70歳以上被用者該当届
    • 被保険者資格喪失届・70歳以上被用者不該当届
    • 被保険者報酬月額算定基礎届・70歳以上被用者算定基礎届
    • 被保険者賞与支払届・70歳以上被用者賞与支払届
    • 被保険者報酬月額変更届・70歳以上被用者月額変更届
    • 被扶養者(異動)届・第3号被保険者関係届
  • 国民年金関係
    • 第3号被保険者関係届
    • 国民年金被保険者関係届書(申出書)
    • 国民年金保険料免除・納付猶予申請書
    • 国民年金保険料学生納付特例申請書
  • 年金給付関係


詳しくは下記参照先をご覧ください。

参照ホームページ[ 厚生労働省 ]
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000193798.html

障害者雇用率が2.0% ⇒ 2.2%へ引き上げ (平成30年4月1日施行)

障害者雇用促進法では、事業主に対し、常時雇用する従業員の一定割合(法定雇用率、民間企業の場合は2.0%)以上の障害者を雇うことを義務付けており、厚生労働省が取りまとめた、平成29年の「障害者雇用状況」集計結果では、法定雇用率達成企業の割合は 50.0%(対前年比1.2ポイント上昇)となっています。

そして、平成30年4月1日より、身体障害者知的障害者に加え、精神障害者の雇用も義務化されることになったことに伴い、障害者法定雇用率が2.0%から2.2%(民間企業)に引き上げられます。

詳しくは下記参照先をご覧ください。

参照ホームページ[ 厚生労働省 ]
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000192051.html