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2013.12.24 労働時間の新たな適用除外制度の創設について

2013.12.24

労働時間の新たな適用除外制度の創設について

  政府の規制改革会議おいて、今後の「労働時間法制等の見直し」について議論が行われ、(1)労働時間の量的上限規制、(2)休日・休暇取得に向けた強制的取り組み、(3)一律の労働時間管理がなじまない労働者に適合した労働時間制度の創設の3つをセットにした改革として、労使双方が納得できる「労働時間の新たな適用除外制度の創設」を提案しています。

■労働時間の見直しに関する意見概要

1.労働時間法制の包括的な改革

・健康確保の徹底のための取組み

わが国ではフルタイム労働者の総実働時間は過去20年ほど変わっておらず、長時間労働はいまだに大きな社会問題である。健康確保を徹底するために、労働時間の量的上限規制の導入が必要である。

ワークライフバンスの促進

年次有給休暇消化率、長期連続休暇の取得率が国際的にみても低い。休日・休暇取得促進に向けた強制的取り組みや労働時間貯蓄制度(時間外労働に対して割増賃金ではなく休暇を付与する制度)の本格的導入などが必要である。

一律の労働時間管理がなじまない労働者に合った労働時間制度の創設

労働者の中には、その成果を労働時間の長さで測ることができず、実労働時間の長さで測ることがなじまない層が多様に存在する。こうした労働者の生産性を上げ、長時間労働を解消するために、労働時間の長さと賃金のリンクを切り離し、その働き方にあった労働時間制度が必要である。

2.労働時間規制の三位一体改革

上記の 、(ア)労働時間の量的上限規制、(イ)休日・休暇取得に向けた強制的取り組み、(ウ)一律の労働時間管理がなじまない労働者に適合した労働時間制度の創設は相互に連関した課題である。それぞれが個別に議論されると、使用者側・労働者側いずれかからの反対を受け議論が進まない。

・規制改革会議では、上記3つをセットにした改革として、労使双方が納得できるような「労働時間の新たな適用除外制度の創設」を提案したい。

3.一律の労働時間管理がなじまない働き方に合い、健康確保と両立する適用除外制度の創設

(1)現在ある労働時間の例外的措置うち、(ア)管理監督者の適用除外、(イ)裁量労働制、の2つについては、前者は“名ばかり管理職”を生んでいるとう問題が指摘されており、後者は手続が煩雑で利用度が低い。このため分かりやすく実態に合致した新制度を創設する。

(2)適用除外の範囲は、国が対象者の範囲の目安を示した上で、基本的には、企業レベルの集団的な労使自治に委ねる(労使代表で労使協定を締結)。また、割増賃金制度は深夜を含めて適用しないこととする(労基法37条)。

(3)使用者の恣意的運用を排除するため、取り決め内容(労使協定)を行政官庁(労働基準監督署長)に届け出ることを義務化する。

(4)適用除外対象者の健康確保を徹底し、ワークライフバランスを促進するため、(ア)労働時間の量的上限規制と、(イ)休日・休暇取得促進に向けた強制的取組みをセットで導入する。(ア)(イ)それぞれについて、下記の具体例のような取組みの中から、産業、職務等の特性に応じて労使の合意によりいずれか一つまたは複数の組み合わせを選択する。そのための枠組みを国が設定する。

(5)国が枠組みを設定するにあたっては、企業活動の実態に合わず、企業の活力低下につながることがないよう、適切な選択の幅が用意されるべきである。また、非常時においては、労使の取り決めにより、一時的にこうした規制を緩和できるよう十分配慮されるべきである。

(6)一定の試行期間を設け、当初は過半数組合のある企業に限定する。

【例:セットで導入すべき取組み。いずれか一つ又は複数の組合せとする】

(1) 労働時間の量的上限規制

・一定期間における最長労働時間の設定

・翌日の労働開始まで健康安全確保のための最低限のインターバルの導入、など

注:経営層に近い上級管理職等については、労働時間の量的上限規制に代えて健康管理のための適切な措置の義務付けを行うことも考えられる。

(2) 休日・休暇取得に向けた強制的取組み

・年間104日(週休2日相当)の休日を、労使協定で定めた方法で各月ごとに指定して取得

・年休は労使の協議に基づいて柔軟かつ計画的に付与(年休時季指定権を使用者へ付与した上で労働者の希望・事情を十分考慮)

・長期連続休暇の義務化、など

4.今後の議論の進め方

現在、労働政策審議会では中小企業に猶予されている時間外割増賃金率、企画業務型裁量労働制の在り方など個別テーマを中心に議論がなされているが、長年の長時間労働問題を解決するには、労働時間法制を包括的に議論することが不可欠である。

労働時間法制の適用除外制度の基本的な枠組みについて、規制改革会議の本意見を受けて労働政策審議会において議論が開始されることを強く期待する。

規制改革会議は、厚生労働省労働政策審議会の取り組みを注視し、検討状況の聴取などを行いながら、必要に応じて会議の意見を示すなど引き続き積極的な働きかけを行っていく。

新たな適用除外制度が機能するためには、労働時間の多寡によらない成果評価の基準を明確化していくとともに、長時間労働を是正するための働き方の工夫が必要である(職務範囲や責務の明確化、職務限定型の働き方の促進など)。

詳しくは下記参照先をご覧ください。

参照ホームページ[内閣府]

http://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kaigi/meeting/2013/committee2/131205/agenda.html