日本労働組合総連合会「有期契約労働者に関する調査2018」を公表

 日本労働組合総連合会(連合)から、「有期契約労働者に関する調査2018 」が公表されました。2013年に改正労働契約法が施行され、第18条では、同じ事業主で契約更新が繰り返されて通算5年を超えた有期契約労働者は、本人の申し出によって無期雇用として働けるとされており、2018年4月1日以降、期間の定めのない労働契約(無期労働契約)に転換できる権利を有する労働者が生じることとなりました。

 そこで、日本労働組合総連合会は、無期労働契約への転換が始まって以降の、有期契約労働者の改正労働契約法の認知状況や改正労働契約法についての考えや実態を把握するため、2013年および2017年に行った調査に続き3回目となる「有期契約労働者に関する調査2018」を2018年5月16日~5月17日の2日間でインターネットリサーチにより実施し、全国の20歳~59歳の有期契約労働者1,000名の有効サンプルを集計しました。

2013年4月施行の改正労働契約法の認知状況
「無期労働契約への転換」の内容を知らない有期契約労働者が依然68%
「無期転換申込権対象者となっている」は有期契約労働者の約2割
無期転換申込権対象者の4人に1人が「無期転換を申し込んだ」と回答


◆2013年4月施行の改正労働契約法の認知状況
・2013年4月施行の改正労働契約法
 「無期労働契約への転換(第18条)」内容の認知率は上昇も、内容を知らない有期契約労働者が依然68%
 「不合理な労働条件の禁止(第20条)」の内容を知らない有期契約労働者は83%
・改正労働契約法の認知経路「マスコミ」5割強、「勤務先からの説明」4割
 契約社員では「勤務先からの説明」が昨年より14ポイント上昇

◆労働契約法第18条(無期労働契約への転換/5年ルール)に対する意識
・無期転換申込権の発生状況
 「無期転換申込権対象者となっている」は有期契約労働者の約2割、
 「無期転換申込権があるかないか、わからない」は4割半ば
・無期転換申込権対象者の4人に1人が「無期転換を申し込んだ」と回答
・「無期労働契約への転換(第18条)」に対する考え
 「待遇が正社員と同等になるわけではないから意味が無い」同意率は約6割

◆労働契約法第20条(不合理な労働条件の禁止)の施行状況
・労働条件や福利厚生、教育訓練で正社員との格差あり
 「ボーナスの支給対象になっている」は3割半、「教育訓練の対象になっている」は約5割にとどまる

労働基準法第15条(労働条件の明示)などの認知状況・施行状況
・賃金、労働時間その他の労働条件の通知「文書でも口頭でも伝えられていない」10%
 契約更新の有無を「文書でも口頭でも伝えられていない」12%
・有期契約労働者でも一定の条件を満たせば取得可能な休暇・休業の認知率
 「年次有給休暇」では8割強、しかし、「育児休業取得」では5割にとどまる

◆働き方・職場の満足度
・正社員になれず有期契約で働く“不本意有期契約労働者”契約社員の4割半
・働き方の満足度正社員になれず有期契約で働いている人の6割強が「不満」
・正社員になれず有期契約で働く人の4割強が仕事のやりがいを「感じない」、現在の職場に「不満」も4割強
・有期契約労働者が職場に対して抱える不満1位「給料が安い」2位「給料が上がらない」


詳しくは下記参照先をご覧ください。

参照ホームページ[日本労働組合総連合会 ]
https://www.jtuc-rengo.or.jp/info/chousa/data/20180628.pdf