「第10次職業能力開発基本計画」を策定

厚生労働省は、今後5年間にわたる職業能力開発施策の基本方針を示した「第10次職業能力開発基本計画」を策定し公表しています。人口減少社会、グローバル化の進展、AI、ビッグデータ解析などの技術進歩を背景に、ビジネス環境や就業環境が変化している中、人々が能力を高め、その能力を存分に発揮できる社会実現と、わが国経済の量と質の向上に資することを目的としています。

■第10次職業能力開発基本計画の概要

1.生産性向上に向けた人材育成の強化

国、企業、民間教育訓練機関、学校などの教育訓練資源を 効果的に活用し、国全体の人材育成の抜本的な強化を図る。

・専門実践教育訓練給付制度等におけるIT分野の講座拡充検討、IT分野に関する職業訓練の推進等

・国家資格化されたキャリアコンサルタントの質の保証や専門性向上、セルフ・キャリアドックの導入推進、教育訓練給付制度の周知・普及、等

・グローバル人材育成等のためのキャリア形成促進助成金・キャリアアップ助成金による訓練機会の確保、教育訓練休暇制度等の導入に取り組む企業への支援、認定職業訓練制度の活用促進等

2.「全員参加の社会の実現加速」に向けた職業能力底上げの推進

女性・若者・中高年齢者・障害者など、全ての人材が 、その能力を存分に 発揮できる 「全員参加の社会」の実現加速に向け、個々の特性やニーズに応じた職業能力開発の機会を提供し、一人一人の能力の底上げを図る。

・育児等と両立しやすい短時間訓練コースの設定、訓練受講の際の託児支援サービスの提供

・児童・生徒等への職場体験等の支援、就業経験の少ない若者に対する日本版デュアルシステムや雇用型訓練の推進、地域若者サポートステーションにおけるニートや高校中退者等への支援の強化

・中高年の在職中のキャリアアップや再就職に向けた支援

・障害者の特性やニーズに応じた訓練の実施

・キャリアアップ助成金、雇用型訓練等による非正規雇用労働者の支援等

3.産業界のニーズや地域の創意工夫を活かした人材育成の推進

さまざまな主体が有機的なネットワークでつながり、地域特性や産業ニーズを反映した人材育成を地域レベルで実施していく。

産学官が連携した地域コンソーシアムの構築、就職可能性を高める職業訓練コースの開発・検証

・企業や地域の多種多様なニーズに対応した新たな人材育成プログラムの開発等の支援

・地域訓練協議会における多様な産業のニーズの把握、産業界や地域のニーズを反映した職業訓練の実施分野及び規模の設定

・教育訓練機関への訓練指導員派遣等による連携の強化等

4.人材の最適配置を実現するための労働市場インフラの戦略的展開

人材の最適配置を図るとともに、個々の労働者の能力を最大限に活かすため、職業訓練制度や職業能力評価制度を車の両輪とした 労働市場インフラの戦略的展開を図る。

・わが国の産業・職業構造の中長期的な変化を見据えた人材ニーズの把握

・総合的な訓練計画の策定、職業訓練におけるeラーニングの導入検討や最先端の技術革新やグローバル化に対応した人材育成

・対人サービス分野を重点とした技能検定の整備、認定社内検定の普及促進等による職業能力評価制度の構築

・ジョブ・カードの活用促進

・企業における人材育成投資の促進

・地域の職業能力開発行政の拠点としての都道府県労働局の機能強化等

このほか、技能の振興、国際連携・協力の推進(技能評価システムの移転、職業訓練の実施の支援、技能実習制度の適正かつ円滑な推進)に関する施策を実施するとともに、この計画に基づく施策推進の目標を設定し、その進捗状況を把握する。

詳しくは下記参照先をご覧ください。

参照ホームページ[厚生労働省]

http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000122803.html