2013.07.11 障害者雇用に係る税制上の優遇措置|消費税転嫁対策特別措置法について

障害者雇用に係る税制上の優遇措置

  政府は、障害者の就労意欲が急速に高まって来ていることを鑑み、障害者が職業を通じ、誇りをもって自立した生活を送ることができるよう障害者雇用対策を積極的に進めています。この程、障害者を多数雇用する企業に対する税制優遇制度が拡充されました。

■拡充された税制優遇制度の概要

障害者を多数雇用する事業所で下記1の要件を満たすものが減価償却を行う際、その事業年度又はその前5年以内に開始した各事業年度に取得・製作・建設した機械装置、工場用建物及びその附属設備並びに一定の車両運搬具について、普通償却限度額の24%(工場用建物及びその附属設備32%)の割増償却ができます。

この程、重度障害者の一層の雇用促進を図る観点から、下記1の(3)の要件を満たす事業主についても、割増償却制度を利用できるようになりました。

1.税制優遇制度の対象となる事業主の要件

青色申告書を提出する事業主であること

◎平成26年3月31日までの期間内に始まるいずれかの事業年度(※)において、以下のいずれかの要件を満たす事業主であること。なお、個人事業主の場合は、平成26年12月31日までの各年。

(1)従業員数に占める障害者数の割合が50%以上(※1)

(2)雇用している障害者数が20人以上(※1)であり、かつ、従業員数に占める障害者数の割合が

25%以上(※1)

(3)法定雇用率を達成している事業主で、基準雇用障害者数が20人以上(※2)であり、かつ、基準雇用障害者数に占める重度障害者(※3)数の割合が50%以上(※2)

※1:短時間労働者を除く重度障害者は1人を2人とカウント(ダブルカウント)とし、重度以外の障害者である短時間労働者は1人を0.5人とカウントします。

※2:基準雇用障害者数とは、ダブルカウントなしの障害者数の合計をいい、重度障害者数の割合とは、基準雇用障害者数に占めるダブルカウントなしの重度障害者数の割合をいいます。この場合、短時間労働者は1 人を0.5人とカウントします。

※3:重度身体障害者、重度知的障害者及び精神障害者をいいます。

2.事務手続

・最寄りのハローワークで、上記の事業主要件を満たしていることの確認を受ける必要があります。

ハローワークで交付される証明書は、税務署に申告する際、税務署から提示を求められれば必要となります。

詳しくは下記参照先をご覧ください。

参照ホームページ[厚生労働省]

http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyou/shougaisha/intro-yugusochi.html

2013.07.11

消費税転嫁対策特別措置法について

  平成26年4月1日及び平成27年10月1日における消費税率の引上げに際し、消費税の円滑かつ適正な転嫁を確保するため、特定事業者による消費税の転嫁の拒否等の行為及び事業者による消費税の転嫁を阻害する表示を迅速かつ効果的に是正するための制度が創設されました。

■法律の概要

Ⅰ.消費税の転嫁拒否等の行為の是正に関する特別措置

1.法律の対象となる事業者

特定事業者:

ア.大規模小売事業者

イ.特定供給事業者から継続して商品又は役務の供給を受ける法人である事業者

特定供給事業者:

ア.大規模小売事業者に継続して商品又は役務を供給する事業者

イ.資本金等の額が3億円以下である事業者

ウ.個人事業者等

2.特定事業者の遵守事項

特定事業者は、特定供給事業者に対し、以下に掲げる行為を行ってはならない。

(1)消費税の転嫁拒否等の行為

ア)減額、買いたたき

・商品又は役務の対価の額を事後的に減額することにより、消費税の転嫁を拒否すること

・商品又は役務の対価の額を通常支払われる対価に比べて低く定めることにより、消費税の転嫁を拒否すること

イ)購入強制、役務の利用強制、不当な利益提供の強制

・消費税の転嫁に応じることと引換えに商品を購入させ、又は役務を利用させること

・消費税の転嫁に応じることと引換えに金銭、役務その他の経済上の利益を提供させること

ウ)税抜き価格での交渉の拒否

・商品又は役務の対価に係る交渉において消費税抜き価格を用いる旨の申出を拒むこと

(2)報復行為

特定供給事業者が公正取引委員会等に転嫁拒否等の行為に該当する事実を知らせたことを理由として、取引の数量を減じ、取引を停止し、その他不利益な取扱いをすること

Ⅱ.事業者の遵守事項

事業者は、以下に掲げる消費税の転嫁を阻害する表示をしてはならない。

(1)取引の相手方に消費税を転嫁していない旨の表示

「消費税は転嫁しません」、「消費税は当店が負担しています」等の表示

(2)取引の相手方が負担すべき消費税を対価の額から減ずる旨の表示であって消費税との関連を明示しているもの

「消費税率上昇分値引きします」等の表示

(3)消費税に関連して取引の相手方に経済上の利益を提供する旨の表示であって(2)に掲げる表示に準ずるものとして内閣府令で定めるもの

「消費税相当分、次回の購入に利用できるポイントを付与します」等の表示

Ⅲ.価格の表示に関する特別措置

(1)事業者は、消費税率の引上げに際し、消費税の円滑かつ適正な転嫁のため必要があるときは、現に表示する価格が税込価格であると誤認されないための措置を講じているときに限り、税込価格を表示することを要しない(総額表示義務の特例措置)。

(2)(1)により税込価格を表示しない事業者は、できるだけ速やかに、税込価格を表示するよう努めなければならない。

(3)事業者は、税込価格を表示する場合において、消費税の円滑かつ適正な転嫁のため必要があるときは、税込価格に併せて、税抜価格又は消費税の額を表示するものとする。

(4)(3)の場合において、税込価格が明瞭に表示されているときは、税抜価格の表示については、景品表示法第4条第1項(不当表示)の規定は適用しない。

Ⅳ.独占禁止法の適用除外とする共同行為

(1)転嫁カルテル:消費税の転嫁の方法の決定に係る共同行為

(例)

ア.事業者がそれぞれ自主的に定めている本体価格に消費税額分を上乗せする旨の決定

イ.消費税額分上乗せした結果、計算上生じる端数を、切上げ、切捨て、四捨五入等により合理的な範囲で処理することの決定

(注)「本体価格を統一することの決定」は、適用除外の対象にはならない。

※参加事業者の3分の2以上が中小事業者であることが必要

(2)表示カルテル:消費税についての表示の方法の決定に係る共同行為

(例)税率引上げ後の価格について統一的な表示方法を用いること

・「消費税込み価格」と「消費税額」とを並べて表示

・「消費税込み価格」と「消費税抜き価格」とを並べて表示

Ⅴ.施行期日

平成25年10月1日、但し、本法律は平成29年3月31日までの時限的措置です。

(注)消費税転嫁対策特別措置法の適用について

本法律の施行期日は、平成25年10月1日ですが、本法律により規制の対象となるのは、平成26年4月1日以降に供給する商品又は役務について行われる転嫁拒否等の行為や転嫁を阻害する表示です。

また、本法律第10条に規定されている総額表示義務に関する特例については、施行期日から適用されますので、平成25年10月1日以降、表示価格が税込価格であると誤認されないための措置を講じた場合に限り、税込価格を表示しないことが可能となります。

詳しくは下記参照先をご覧ください。

参照ホームページ[公正取引委員会]

http://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/h25/jun/tenkataisakuhouan.html