2012.12.13 (その他)「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針」に関するアンケート調査について
政府は、平成19 年6 月に「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針」を策定しました。警察庁は、企業における反社会的勢力への対応の実態や、同「指針」の導入状況等を把握するため、平成24 年7月に全国の企業10,000 社を対象として、反社会的勢力による不当要求の有無やその内容、「指針」に基づいた反社会的勢力との関係遮断の取組状況、行政機関への要望等についてアンケート調査した結果を公表しました。
■アンケート調査の概要
1. 調査の方法及び対象等
調査方法 | 郵送による方法 | |
---|---|---|
調査対象 | 全国の企業10,000 社に調査票を送付して調査を実施 | |
調査時期 | 平成24年7月 | |
回収結果:2,885社回答
~回答会社の業種別内訳 |
業種 | 会社数(%) |
建設業 | 430 (14.9%) | |
製造業 | 237 (8.2%) | |
運輸・通信業 | 257 (8.9%) | |
不動産業 | 341 (11.8%) | |
卸売・小売業(商社を含む) | 268 (9.3%) | |
銀行業 | 192 (6.7%) | |
証券・保険業 | 150 (5.2%) | |
その他金融業 | 94 (3.3%) | |
飲食業 | 186 (6.4%) | |
電気・ガス・水道・熱供給業 | 19 (0.7%) | |
その他サービス業 | 989 (34.3%) | |
その他 | 413 (14.3%) | |
全体 | 2,885(100%) |
2.不当要求等の実態について
(1)実際に受けた不当要求の有無について
過去5年間に反社会的勢力からの不当要求を受けた経験がある企業数:337社(全体の11.7%)。
(2)前記(1)で回答した337社について
ア.過去1年以内に不当要求を受けた企業は54.9%で、その頻度は、
・1年に1回程度・・・・39.2%
・6ヶ月に1回程度・・・7.4%
イ.不当要求の相手方の属性について、どのように認識したか(複数回答)
・暴力団員でないが何らかの関係を有する者・・・43.0%
・えせ同和・・・34.4%
・暴力団員・・・31.2%
・えせ右翼・・・24.9%
ウ.不当要求の相手方がどのように名乗ったか(複数回答)
・同和・・・28.8%
・貴社からサービスの提供を受けた者・・・27.6%
・右翼構成員・・・15.4%
・社会的、政治的な活動家・・・14.8%
エ.不当要求の態様について(複数回答)
・因縁を付けて金品や値引きを要求・・・39.2%
・物品購入やリース契約を要求・・・32.6%
・寄付金、賛助金、会費等を要求・・・19.6%
・工事発注や下請参入等要求・・・11.6%
オ. 不当要求を拒否した場合にどのような危害を加えられると認識したか(複数回答)
・不安になるような漠然とした危険・・・65.6%
・営業の妨害・・・32.6%
・会社に対する経済的被害・・・20.5%
カ.不当要求を受けた場所について(複数回答)
・本社(主たる営業場所)・・・59.6%
・支社、支店、出張所等常設の施設・・・36.5%
・現場事務所、営業所等仮設施設や業務の現場・・・16.0%
キ.不当要求の手段について(複数回答)
・固定電話・・・52.5%
・反社会的勢力との直接の接触(面会等)・・・51.0%
・携帯電話・・・14.5%
・郵便、宅配便等・・・11.9%
ク.不当要求への措置結果について(複数回答)
・不当要求に一切応じなかった・・・81.0%
・不当要求の一部に応じた・・・14.5%
・不当要求に全て応じた・・・3.9%
ケ.不当要求への対応状況について(複数回答)
・代表取締役等のトップ以下、組織として対応した・・・47.5%
・警察等の外部の専門機関と連携して対応した・・・44.2%
・反社会的勢力対応部署が対応した・・・34.7%
・不当要求対応マニュアルに沿って対応した・・・31.2%
・契約書等の暴力団排除条項を活用し対応した・・・1.8%
・暴力団排除条例を活用し対応した・・・0.9%
(3)過去5年間に応じた要求額について
ア.「不当要求の一部に応じた」、「不当要求に全て応じた」と答えた企業62社について、
・1万円以上10万円未満・・・45.2%(28社)
・10万円以上50万円未満・・・14.5%(9社)
・500万円以上・・・8.0%(5社)
イ.不当要求の一部又は全てに応じた62社の頻度
・数年に1回・・・33.9%(21社)
・毎年1回・・・25.8%(16社)
・年に2~5回・・・11.3%(7社)
3.「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針」について
(1)「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針」について、
・知っていた・・・77.4%(2,232社)
・知らなかった・・21.4%(617社)
(2)暴力団排除条例について
・知っていた・・・88.8%(2,562社)
・知らなかった・・・9.9%(287社)
(3)暴排条例施行に伴う取組みについて
・施行に伴う取組みを行った・・・37.4%
・既に指針に沿って取組みをしていたので、特段行わなかった・・・22.5%
・取組みを行わなかった・・・24.89%
(4)反社会的勢力による被害防止のための取組み内容について(複数回答)
・契約書等に暴力団排除条項を盛り込んでいる(または盛り込む予定である)・・・79.8%
・対策の基本方針を示し、社の内外に宣言した・・・43.9%
・組織全体として対応する仕組みを導入した・・・41.9%
・ネット等を利用して相手が反社会的勢力か確認・・・18.6%
・反社会的勢力のデータベースを業界等と共有・・・12.1%
(5)警察の暴力団情報提供について
・情報提供の依頼をしたことがある・・・12.1%(350社)
・該当事例があったが情報提供を依頼しなかった・・・1.7%(48社)
・該当事例がないので依頼したことがない・・・45.5%(1,312社)
参照ホームページ[警察庁] http://www.npa.go.jp/sosikihanzai/bouryokudan/boutai/20121115_enquete.pdf