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「平成28年分 年末調整のしかた」について

今年も年末調整を行う時期が近づいてきましたが、国税庁は、年末調整における主な留意事項として、(1)平成28年1月からの通勤手当非課税限度額引上げへの対応、(2)国外に居住する親族に係る扶養控除等の適用、(3)年末調整関係書類に係るマイナンバー(個人番号)の記載を不要とする見直し、の3点を挙げて注意を呼びかけています。

 

■平成28年分年末調整の注意点

1.通勤手当の非課税限度額

平成28年1月1日以後に支払われるべき通勤手当の非課税限度額が10万円から15万円に引き上げられました。

(注)改正後の非課税規定は、平成28年1月1日以後に支払われるべき通勤手当について適用されます。

なお、次に掲げる通勤手当については、改正後の非課税規定は適用されません。

ア.平成27年12月31日以前に支払われたもの

イ.平成27年12月31日以前に支払われるべき通勤手当で、平成28年1月1日以後に支払われるもの

ウ.アまたはイの通勤手当の差額として追加支給されるもの

◎年末調整の際における精算の具体的な手続

平成28年4月の改正前に支払われた通勤手当については、改正前の非課税規定を適用したところで所得税及び復興特別所得税源泉徴収が行われていますが、改正後の非課税規定を適用した場合に過納となる税額は、本年の年末調整の際に精算する必要があります。

(注)

1)既に支払われた通勤手当が改正前の非課税限度額以下である人については、この精算の手続は不要です。

2)年の中途に退職した人など本年の年末調整の際に精算する機会のない人については、確定申告により精算することになります。

3)給与所得の源泉徴収票の「支払金額」欄は、通勤手当のうち非課税となる部分の金額を除いて記入します(年の中途に退職した人などに対し、既に給与所得の源泉徴収票を交付している場合には、「支払金額」欄を訂正するとともに、「適用」欄に「再交付」と表示した給与所得の源泉徴収票を作成し、再交付する必要があります。)。

≪具体的な手続≫

年末調整の際における精算の具体的な手続は、次のように行います。

イ.既に改正前の非課税規定を適用したところで所得税及び復興特別所得税源泉徴収をした(課税された)通勤手当のうち、改正後の非課税規定によって新たに非課税となった部分の金額を計算します。

ロ.「平成28年分給与所得・退職所得に対する源泉徴収簿」(以下この項において「源泉徴収簿」といいます。)の「年末調整」欄の余白に「非課税となる通勤手当」と表示して、イの計算根拠及び今回の改正により新たに非課税となった部分の金額を記入します。

ハ.また、源泉徴収簿の「年末調整」欄の「給料・手当等①」欄には、給料・手当等の総支給金額の合計額からロの新たに非課税となった部分の金額を差し引いた後の金額を記入します。

ニ.以上により、改正後の非課税規定によって新たに非課税となった部分の金額が、本年の給与総額から一括して差し引かれ、その差引後の給与の総額を基にして年末調整を行います。

2.国外に居住する親族に係る扶養控除等の適用

平成28年1月1日以後に支払われる給与等の源泉徴収又は年末調整において、非居住者である親族(以下「国外居住親族」といいます。)に係る扶養控除、配偶者控除、障害者控除(以下「扶養控除等」といいます。)又は配偶者特別控除の適用を受ける場合には、「親族関係書類」及び「送金関係書類」を源泉徴収義務者に提出又は提示する必要があります。

(注)

1)「非居住者」とは、居住者(国内に住所を有し、又は現在まで引き続いて1年以上居所を有する個人)以外の個人をいいます。

2)「国外居住親族」とは、給与所得者の扶養控除等(異動)申告書に記載された控除対象扶養親族、控除対象配偶者、同居特別障害者、その他の特別障害者又は特別障害者以外の障害者であって非居住者である親族又は給与所得者の配偶者特別控除申告書に記載された配偶者であって非居住者である配偶者をいいます。

◎親族関係書類の提出又は提示

給与等の源泉徴収において、国外居住親族に係る扶養控除等の適用を受ける給与所得者は、その適用を受ける旨を給与所得者の扶養控除等(異動)申告書(以下「扶養控除等(異動)申告書」といいます。)に記載(「非居住者である親族」欄に○印を付す等)した上で、その申告書に「親族関係書類」を添付して源泉徴収義務者に提出するか、又はその申告書の提出の際に「親族関係書類」を提示する必要があります。

(注)扶養控除等(異動)申告書に記載された国外居住親族の扶養控除等については、その国外居住親族に係る親族関係書類が提出又は提示された後、最初に支払われる給与等の源泉徴収から適用されます。

≪親族関係書類≫

次のア又はイのいずれかの書類で、国外居住親族がその給与所得者の親族であることを証するものをいいます(その書類が外国語で作成されている場合には、その翻訳文を含みます。)。

ア.戸籍の附票の写しその他の国又は地方公共団体が発行した書類及び国外居住親族のパスポートの写し

イ.外国政府又は外国の地方公共団体が発行した書類(国外居住親族の氏名、生年月日及び住所又は居所の記載があるものに限ります。)

(注)

1)親族関係書類は、国外居住親族の旅券の写しを除いて、原本の提出又は提示が必要です。

2)外国政府又は外国の地方公共団体が発行した書類とは、国外居住親族の氏名、生年月日及び住所又は居所が記載されている書類で、国外居住親族がその給与所得者の親族であることを証するものをいい、たとえば次のような書類が該当します。

ア.戸籍謄本その他これに類する書類 イ.出生証明書 ウ.婚姻証明書

3)1つの親族関係書類ではその給与所得者の親族であることが確認できない場合であっても、複数の書類を組み合わせることにより、給与所得者の国外居住親族であることが確認できるのであれば、国外居住親族に係る扶養控除等又は配偶者特別控除を適用することができます。

◎送金関係書類の提出又は提示

年末調整において、国外居住親族に係る扶養控除等の適用を受ける給与所得者は、扶養控除等(異動)申告書の「生計を一にする事実」欄にその国外居住親族に対して送金等をした金額を記載した上で、その申告書に「送金関係書類」を添付して源泉徴収義務者に提出するか、又はその申告書の提出の際に、「送金関係書類」を提示する必要があります。

また、非居住者である配偶者に係る配偶者特別控除の適用を受ける給与所得者は、給与所得者の配偶者特別控除申告書(以下「配偶者特別控除申告書」といいます。)にその旨を記載した上で、その申告書に「親族関係書類」及び「送金関係書類」を添付して源泉徴収義務者に提出するか、又はその申告書の提出の際に「親族関係書類」及び「送金関係書類」を提示する必要があります。

≪送金関係書類≫

次の書類で、給与所得者がその年において国外居住親族の生活費又は教育費に充てるための支払を、必要の都度、各人に行ったことを明らかにするものをいいます(その書類が外国語で作成されている場合には、その翻訳文を含みます。)。

ア.金融機関の書類又はその写しで、その金融機関が行う為替取引によりその給与所得者から国外居住親族に支払をしたことを明らかにする書類

イ.いわゆるクレジットカード発行会社の書類又はその写しで、国外居住親族が、そのクレジットカード発行会社が交付したカードを提示してその国外居住親族が商品等を購入したこと等によりその商品等の購入等の代金に相当する額をその給与所得者から受領したこと等を明らかにする書類

3.年末調整関係書類に係るマイナンバー(個人番号)の記載を不要とする見直し

給与の支払者に対して提出する年末調整関係書類のうち、次に掲げる申告書については、平成28年4月1日以後に提出するものからマイナンバー(個人番号)の記載が不要とされています。

ア.給与所得者の保険料控除申告書

イ.給与所得者の配偶者特別控除申告書

ウ.給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書

(注)

1)給与の支払者が上記アからウの申告書を受理した際に、給与の支払者が個人である場合には、これらの申告書に自らのマイナンバー(個人番号)を付記する必要はありません(給与の支払者が法人である場合には法人番号を付記する必要があります。)。

2)平成26年分の所得税の確定申告で(特定増改築等)住宅借入金等特別控除の適用を受けた者については、税務署から個人番号欄のある「給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書」が送付されていますが、上記のとおりマイナンバー(個人番号)を記載する必要はありません。

4.復興特別所得税の計算

所得税源泉徴収義務者は、平成25年1月1日から平成49年12月31日までの間に生ずる所得について源泉所得税を徴収する際、復興特別所得税を併せて徴収し、源泉所得税の法定納期限までに、その復興特別所得税を源泉所得税と併せて国に納付しなければなりません。

(注)租税条約の規定により、所得税法及び租税特別措置法に規定する税率以下の限度税率が適用される場合には、復興特別所得税は課されません。

このため、年末調整において年税額を計算する際にも、復興特別所得税を含めた年税額(以下「年調年税額」といいます。)を算出する必要があります。なお、毎月の給与や賞与については、税務署から配布している源泉徴収税額表に基づき、所得税及び復興特別所得税の合計額を源泉徴収することができます。

◎年調年税額の計算方法

年調年税額は、算出所得税額から(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額を控除した後の税額(年調所得税額)に102.1%を乗じて算出します(100円未満の端数は切り捨てます。)。

詳しくは下記参照先をご覧ください。

参照ホームページ[国税庁]

http://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/gensen/nencho2016/01.htm