平成28年度労働保険の年度更新について

労働保険料は、年度当初に概算で申告・納付し、翌年度の当初に確定申告の上精算することになっており、事業主は、前年度の確定保険料と当年度の概算保険料を併せて申告・納付する必要があります。これを「年度更新」といい、平成28年度の年度更新期間は、6月1日(水)から7月11日(月)までです。

■労働保険の年度更新の概要

1.労働保険の年度更新とは

労働保険の保険料は、毎年4月1日から翌年3月31日までの1年間を単位として計算されることになっており、その額はすべての労働者(雇用保険については、被保険者)に支払われる賃金の総額に、その事業ごとに定められた保険料率を乗じて算定することになっています。

労働保険では、保険年度ごとに概算で保険料を納付し、保険年度末に賃金総額が確定したあとに精算する方法がとられています。

したがって、事業主は、前年度の保険料を精算するための確定保険料の申告・納付と新年度の概算保険料を納付するための申告・納付の手続きが必要となります。これが「年度更新」の手続きとなります。この年度更新の手続きは、毎年6月1日から7月10日(平成28年度は、7月11日(月))までの間に行わなければなりません。

手続きが遅れた場合、政府が保険料・拠出金の額を決定し、さらに追徴金(納付すべき保険料・拠出金の10%)が課されることがあります。

◎労働保険料の負担割合

労働保険料は、労働者に支払う賃金総額に保険料率(労災保険率+雇用保険率)を掛けて得た額となります。

そして、労働保険料の負担割合は、次のとおりとなります。

労災保険・・・全額事業主負担

雇用保険・・・事業主と労働者(被保険者)双方で負担

労災保険は、事業の種類ごとに定められています。

URL:http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/roudouhokenpoint/dl/rousaihokenritu_h27.pdf

雇用保険は、事業ごとに下表のように定められています。

roumu01-01(2)

2.年度更新の申告・納付先

「労働保険概算・確定保険料/石綿健康被害救済法一般拠出金申告書」(以下「申告書」といいます。)を作成し、その申告書に保険料等を添えて、金融機関(注1)、所轄都道府県労働局及び労働基準監督署(注2)のいずれかに、6月1日から7月10日までの間(土日祝日を除く)に提出する必要があります。

申告書は、あらかじめ労働保険番号、事業の所在地・名称、保険料率等が印字され、都道府県労働局から各事業主宛に送付されますので、そちらを使用してください。

(注1)日本銀行の本店、支店、代理店及び歳入代理店(全国の銀行・信用金庫の本店又は支店、郵便局)。

(注2)黒色と赤色で印刷してある申告書は所轄都道府県労働局又は所轄労働基準監督署へ、ふじ色と赤色で印刷してある申告書は所轄都道府県労働局へ提出。

なお、納付書(領収済通知書)の金額は訂正できませんので、記入誤りをした場合は、所轄都道府県労働局又は所轄労働基準監督署で新しい納付書を受け取り、書き直してください。

3.年度更新手続上の留意点

労働保険料等は、その事業に使用されるすべての労働者に支払った賃金の総額に、その事業に定められた保険料率・一般拠出金率を乗じて算定します。そのため、この賃金総額を正確に把握しておくことが必要です。

「労働者」とは、職業の種類を問わず、事業に使用される者で賃金を支払われる者をいいます。ただし、その事業に使用される労働者のうち、雇用保険料の負担が免除される「高年齢労働者」(その保険年度の初日において満64歳以上の者)や雇用保険の被保険者とならない者(学生アルバイト等)に対して支払った賃金がある場合には、労災保険に係る保険料と雇用保険に係る保険料とを区別して、それぞれ算定したものの合計が労働保険料となります。

「賃金」とは、賃金、給与、手当、賞与など名称の如何を問わず労働の対償として事業主が労働者に支払うすべてのものをいい、一般的には労働協約就業規則、労働契約などにより、その支払いが事業主に義務づけられているものです。

◎保険料の計算

・1年間に労働者に支払う賃金が310万円

内訳:従業員1名、毎月20万円×12ヶ月+賞与70万円(夏:30万円・冬:40万円))の小売業を営んでいる場合。

労災保険率:3.5/1000(小売業)

雇用保険率:11/1000(うち被保険者負担分は4/1,000)

労働保険料=賃金総額×(労災保険率+雇用保険率)

310万円(賃金総額)×(3.5+11)/1000(労災保険率+雇用保険率)=44,950円(労働保険料)

※この場合の事業主負担分は、雇用保険の被保険者負担分を除いた額となります。

この場合の被保険者負担分は

roumu01-02(1)

したがって、事業主負担分の労働保険料は、44,950円-12,400円=32,550円となります。

詳しくは下記参照先をご覧ください。

参照ホームページ[厚生労働省]

http://www2.mhlw.go.jp/topics/seido/daijin/hoken/980916_3.htm