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2015.5月分アーカイブ |建設業の人材確保・育成策について|小規模基本法に基づく初めての「小規模企業白書」が公開|障害者雇用に係る税制優遇制度について|民法の一部を改正する法律案について|平成27年度税制改正~消費課税の概要~|特別安全衛生改善計画の作成指示の対象となる重大な労働災害について|ストレスチェック制度の具体的な運用方法について

2015.05.20

建設業の人材確保・育成策について

長期にわたる建設投資の減少に伴い、競争が激化したことによる技能労働者の就労環境の悪化や東日本大震災の復興需要、東京オリンピックパラリンピック開催等による建設投資の増加に伴う建設業の人材確保・育成の必要性等から、厚生労働省は、国土交通省と連携し、建設業の人材確保・育成に向けて「建設業の人材確保・育成策」をとりまとめ公表しました。

■建設業の人材確保・育成策の概要

1.魅力ある職場づくり

技能労働者の処遇を改善し、安心して働けるための環境整備

社会保険未加入対策の推進

公共事業労務費調査(平成26年10月調査)における社会保険加入状況調査結果をみると、

企業別の加入率は、雇用保険では96%[対前年度比+0.4% ]、健康保険では94%[対前年度比+2.6%]、厚生年金保険では94%[対前年度比+2.7%]となっている。

労働者別の加入率は、雇用保険では79%[対前年度比+3.0%]、健康保険では72%[対前年度比+6.0% ]、厚生年金保険では69%[対前年度比+5.4%]となっている。

・適切な賃金水準の確保や雇用管理の知識習得・向上の推進

中小建設事業主を対象に地域の業界団体等と連携して、雇用管理制度導入に係るコンサルティングや好事例等のセミナー開催を実施する。また、適切な雇用管理の知識習得・向上の推進のため、雇用管理責任者に対する雇用管理研修を実施。

・雇用管理に資する助成制度の活用促進

雇用管理制度を導入する事業主に対する助成について中小企業以外へ適用拡大を行うほか、助成対象メニューの追加、目標達成助成の創設を行う。

建設業等の人手不足が懸念される分野において、高年齢者の活用促進のために雇用環境整備の措置を行う事業主に対する助成の拡充と要件緩和を実施。

(雇用環境整備措置)

ア.67歳以上への定年引き上げ

イ.定年の廃止

ウ.65歳以上への定年引き上げと希望者全員を67歳以上まで雇用する継続雇用制度の導入

・現場の安全管理の徹底

建設業における職長の指導力向上のための研修会、墜落・転落災害防止対策普及のための現場診断及び研修会に加え、新たに足場からの墜落防止対策に関する研修会を実施。

2.人材確保施策

建設業への入職を促すため、建設業の魅力の向上や入職促進に向けたきめ細かな直接的な取組を実施

・若年者等の建設分野への入職促進

プロジェクト未実施地域のうち、求人充足に係るニーズが高い地域において、新たにプロジェクトを実施するとともに、建設分野の人材確保に向けた取組等に伴い業務量の増加が見込まれる、就職支援コーディネーター未配置のプロジェクト実施所に同コーディネーターを新たに配置。

大学などへのジョブサポーターの相談窓口設置・出張相談を実施するとともに、中小企業団体・ハローワーク・大学等間の連携強化・情報共有化などにより、新卒者・既卒者に対する就職支援を促進。

若年労働者等の入職定着促進に取り組む事業主・団体に対する助成について中小企業以外へ適用拡大を行うほか、助成対象メニューの追加を行う。

・女性の活躍促進

女性等の入職定着促進に取り組む事業主・団体に対して助成を行う。

3.人材育成施策

若年技能労働者等を育成するための環境整備

・地域における元請・下請、関係団体、教育機関等の連携による人材育成策の推進

離転職者、新卒者、学卒未就職者等を対象とした、型枠工等不足する技能者に係る訓練から就職支援に至るまでのパッケージ型の、業界団体等と連携した人材育成事業を創設。

ものづくりマイスターを中小企業等に派遣し、若年技能者等への実技指導を実施。(27年度からマイスターの広域的な活用を図ること等により技能継承等の取組を強化)

建設機械等の運転技能だけでなく、パソコンスキル講習等と組み合わせた「総合オペレーション科」等、建設分野の訓練コースを拡充。

・事業主等による人材育成の促進

中小建設事業主等が雇用する建設労働者に対して技能向上のための教育訓練を実施した場合に訓練期間中の賃金と訓練経費の一部を助成。

詳しくは下記参照先をご覧ください。

参照ホームページ[厚生労働省]

http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000083709.html

2015.05.20

小規模基本法に基づく初めての「小規模企業白書」が公開

  平成26年6月に成立した小規模企業振興基本法に基づく初めての「小規模企業白書」が公表されています。白書では、全国385万社の中小企業、中でもその90%、334 万社を占める小規模事業社(常用従業者数が20 人以下(商業又はサービス業は5 人以下))の業種構成の分析や従業者に占める親族の割合などの実態調査、販路開拓のための取組や新しい働き方として注目されているフリーランスの実態についての分析が行われています。

※個人事業者も含まれることをわかりやすく伝えるため、上記図表を含め、以下「小規模企業」ではなく「小規模事業者」という。

◎小規模事業者の実態~業種構成、常用雇用の有無の状況

・小規模事業者の業種構成としては「卸売業、小売業」、「宿泊業、飲食サービス業」、「建設業」、「製造業」、「生活関連サービス業・娯楽業」、「不動産業、物品賃貸業」で80%を超えています。

・小規模事業者(334万者)の常用雇用者(※注)の有無

常用雇用者なし⇒151万者・45%

常用雇用者あり⇒183万者・55%

(※注)「常用雇用者」は、法人の有給役員、個人事業主、無給の家族従業者は含まない。

◎小規模事業者における小企業者の占有率

・小規模事業者334万者のうち、312万者(93%)は小企業者である。

・個人事業者206万者のうち205万者(99%)、法人128万者のうち107万者(84%)は「小企業者」(※注)である。業種別に見ても「電気・ガス・熱供給・水道業」など一部の業種を除き、業種を問わず、ほとんどが「小企業者」。

(※注)「小企業者」とは、小規模企業振興基本法第2条第2項に基づき「概ね常時使用する従業員の数が5人以下の事業者をいう」と定義されている。

◎小規模事業者の従業者構成及び経営者の手取り年収

・小規模事業者の従業者は親族依存度が高い。特に個人事業者では70%弱が親族によって支えられている。

・手取り年収は、個人事業主で300万円までが60%強を占め、家族や親族全体の収入で家計を支えている。

◎小規模事業者の従業者の出身地及び最終学歴等

・従業者(経営者を含む)の出身地は本社所在地と同じ市区町村、最終学歴は高等学校が多い。

・経営者から見た従業員の評価について、会社や事業に貢献しているとする回答が90%を超える。

・人材の採用方法は、知人からの紹介や個人的な勧誘とする回答が30%を超える。

◎小規模事業者の施策情報の入手方法

・小規模事業者は、顧客との会話、業界や地域の会合など、日頃の様々なコミュニケーションから経営や支援施策に関する情報を入手している。

・国、自治体、商工会・商工会議所などの支援機関は、これらの日頃の様々なコミュニケーションの中に、施策などの情報を展開していくことが重要である。

主な回答(複数回答)

・日常的なやり取り(仕入、販売先、 顧客との会話等) ⇒64.1%

・業界や地域の経営者等の会合 ⇒50.1%

・施策のチラシ・パンフレット ⇒39.8%

・ホームページ ⇒26.3%

・展示会・セミナー ⇒20.7%

メールマガジン ⇒3.8%

◎小規模事業者の事業所数の業種別推移

・小規模事業所数の経年推移を業種別に見ると「小売業」は、ピーク時から50%減、「製造業」は46%減と半減。

・「サービス業」、「不動産業」は微増傾向。それ以外の業種は、ほぼ横ばいとなっている。

・「サービス業」は、事業所数自体はここ20年横ばいとなっているが、全業種に占めるシェアは高まってきている。

◎小規模事業者の効果的な販路開拓

・販路開拓のため、営業能力の高い人材の新規採用に取り組んでいる事業者は、足下の売上は増加傾向だがその数は比較的少数。・他方、多くの事業者が取り組んでいる顧客への売り込みなどが、売上増加につながっている割合は高くない。

主な回答(複数回答)

・新しい顧客への直接訪問・売り込み ⇒31.7%

・新しい顧客への直接訪問・売り込み ⇒31.3%

・ホームページ、Eメールを活用した情報発信 ⇒24.4%

・営業能力の高い人材の新規採用 ⇒7.9%

・特に取り組んでいない ⇒49.5%

◎小規模事業者の経営計画の策定と意識の変化

・平成25年度補正予算で措置された「小規模事業者持続化補助金(※注)」の採択事業者アンケートによれば、全体の約60%が同補助金の活用をきっかけに初めて経営計画を作成したと回答。

・経営計画作成後の事業者の意識面では、「自社の強み・弱みが明らかになった」、「新たな事業を企画できた」とする回答が50%を超えたほか、「事業の見直しを行うきっかけとなった」が約40%になるなど、経営に向き合おうとする意識が生まれている。

・本補助金で求めている経営計画は1ページ程の簡易なものであることから、その位の分量でも十分効果が上がるものと考えられている。

(※注)「小規模事業者持続化補助金」は、小規模事業者が、商工会・商工会議所と一体となって、販路開拓に取り組む費用(チラシ作成費用や商談会参加のための運賃など)を支援。(補助上限50万円、補助率2/3、平成25年度補正予算分:申請数27,409件→採択数 13,327件)

詳しくは下記参照先をご覧ください。

参照ホームページ[中小企業庁]

http://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/150424hakusyo.html

2015.05.10

障害者雇用に係る税制優遇制度について

 障害者を多数雇用するなど、障害者の雇用や就業に積極的な企業は、税制優遇制度を利用することができます。具体的には、一定の要件のもとで法人税(個人事業主の場合は所得税)や事業所税、不動産取得税、固定資産税の優遇措置が受けられるものです。

■税制優遇制度の概要

1.機械等の割増償却措置(法人税所得税)

障害者を多数雇用する事業所が減価償却を行う際、その事業年度、またはその前5年以内に開始した各事業年度に取得・製作、建設した機械や設備などについて、普通償却限度額に加えて、機械は24%、工場用建物は32%の割増償却をすることができます。

◎適用期限:平成28年3月31日

◎対象となる事業所の要件

次のいずれかの要件を満たす事業所

(1)労働者の総数に占める障害者の割合が50%以上(※1)

(2)雇用している障害者数が20人以上であり、かつ労働者の総数に占める障害者の割合が25%以上(※1)

(3)法定雇用率を達成している事業主で、雇用している障害者数が20人以上(※2)

であり、かつ雇用障害者に占める重度障害者(※3)の割合が50%以上(※2)

(※1)短時間労働者を除く重度障害者は1人を2人としてカウント(ダブルカウント)

重度以外の障害者である短時間労働者は1人を0.5人としてカウント

(※2)ダブルカウントなし。短時間労働者は1人を0.5人としてカウント

(※3)重度身体・重度知的・精神障害者

2.助成金の非課税措置(法人税所得税)

国や地方公共団体補助金、給付金、障害者雇用納付金制度に基づく助成金※の支給を受け、それを固定資産の取得または改良に使った場合、その助成金分については、圧縮記帳により損金算入(法人税)、または総収入金額に不算入(所得税)とすることができます。

◎適用期限:なし(恒久措置)

※障害者雇用納付金制度に基づく助成金

障害者作業施設設置等助成金、障害者福祉施設設置等助成金、重度障害者等通勤対策助成金、重度障害者多数雇用事業所施設設置等助成金、障害者能力開発助成金

3.事業所税の軽減措置

◎資産割

障害者を多数雇用する事業所が助成金の支給を受けて施設の設置を行った場合、その施設で行う事業にかかる事業所税について、課税標準となるべき事業所床面積の2分の1に相当する部分について控除できます。

◎従業員割

事業所税課税標準となるべき従業員給与総額の算定について、障害者に支払う給与総額を控除できます。

◎適用期限:なし(恒久措置)

資産割のみ、以下の要件を満たす必要があります。従業員割には特に要件はありません。

◎対象となる事業所の要件

雇用している障害者数が10人以上(※1)であり、かつ労働者の総数に占める障害者割合が50%以上(※2)

(※1)重度以外の障害者で短時間労働者は1人を0.5人としてカウント

(※2)短時間労働者を除く重度障害者は1人を2人として、重度以外の障害者である短時間労働者は1人を0.5人としてカウント

◎対象となる助成金

雇用保険二事業に基づく「中小企業障害者多数雇用施設設置等助成金」、障害者雇用納付金制度に基づく「重度障害者多数雇用事業所施設設置等助成金

4.不動産取得税の軽減措置

障害者を多数雇用する事業所が助成金の支給を受けて事業用施設を取得し、引き続き3年以上、事業用に使用した場合には、その施設の取得に伴う不動産取得税について、取得価格の10分の1相当額に税率を乗じた額が減額されます。

◎適用期限:平成29年3月31日

◎対象となる事業所の要件

雇用している障害者数が20人以上であり、かつ労働者の総数に占める障害者の割合が50%以上

※短時間労働者を除く重度障害者は1人を2人として、重度以外の障害者である短時間労働者は1人を0.5人としてカウント

◎対象となる助成金

雇用保険二事業に基づく「中小企業障害者多数雇用施設設置等助成金」、障害者雇用納付金制度に基づく「重度障害者多数雇用事業所施設設置等助成金

5.固定資産税の軽減措置

障害者を多数雇用する事業所が助成金の支給を受けて事業用施設を取得した場合には、その施設についての固定資産税の課税標準は、当初5年度分に限り、課税標準となるべき価格から取得価格の6分の1に障害者雇用割合を乗じた金額が減額されます。

◎適用期限:平成29年3月31日

◎対象となる事業所の要件

雇用している障害者数が20人以上であり、かつ労働者の総数に占める障害者の割合が50%以上

※短時間労働者を除く重度障害者は1人を2人として、重度以外の障害者である短時間労働者は1人を0.5人としてカウント

◎対象となる助成金

雇用保険二事業に基づく「中小企業障害者多数雇用施設設置等助成金」、障害者雇用納付金制度に基づく「重度障害者多数雇用事業所施設設置等助成金

詳しくは下記参照先をご覧ください。

参照ホームページ[厚生労働省]

http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/shougaishakoyou/shisaku/jigyounushi/index.html

2015.05.10

民法の一部を改正する法律案について

現行民法は、明治29(1894)年の制定以来、全般的な見直しが行われてきませんでした。この間、社会・経済が大きく変化し、取引形態も多様化・複雑化していることを踏まえ、数年間に及び民法の見直し作業が行われてきました。この程、必要な手続きが終えたことから、改正法案が第189回通常国会へ提出されました。

■改正法案の概要

◎定型約款について

定型約款とは、「定型取引(ある特定の者が不特定多数の者を相手方として行う取引であって、その内容の全部又は一部が画一的であることがその双方にとって合理的なものをいう。)において、契約の内容とすることを目的としてその特定の者により準備された条項の総体をいうものとすること」と規定され、今回の改正で初めて一定の要件のもとで法的拘束力が認められることとなりました。

消滅時効

(1)原則

まず、消滅時効の期間ですが、現行法は大雑把に言えば民事10年、商事5年というようなイメージですが、改正法案では、

一 債権の消滅時効における原則的な時効期間と起算点

債権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅するものとすること。

1 債権者が権利を行使することができることを知った時から5年間行使しないとき。

2 権利を行使することができる時から10年間行使しないとき。

二 定期金の債権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅するものとすること。

1 債権者が定期金の債権から生ずる金銭その他の物の給付を目的とする各債権を行使することができることを知った時から10年間行使しないとき。

2 1に規定する各債権を行使することができる時から20年間行使しないとき。

現行法では、例えば、医師の診療費は3年で消滅時効にかかり(民法170条)、弁護士報酬は2年で消滅時効にかかる(民法)という規定がありますが、改正法案ではこれらの職業別短期消滅時効制度は一切廃止となりました。

(2)不法行為による損害賠償請求権の消滅時効

不法行為に基づく損害賠償請求権の消滅時効については、基本的には現行法(20年間)どおりなのですが、改正法案では人の生命身体の侵害による損害賠償請求権については、より長い消滅時効期間(例えば、被害者が損害及び加害者を知った時から5年間)になっています。

特に、交通事故(人身事故)案件などについて適用されることになります。

(3)時効の完成猶予と更新

現行法では「時効の中断」という制度があり、時効の進行を止めて、振り出しに戻してしまうというものですが、「中断」という言葉が分かりにくいと言われてきたことから、改正法案では「時効の完成猶予」と「時効の更新」という表現が用いられています。

◎法定利率

法定利率について、現行法は、民事は年5%、商事は年6%となっています。改正法案では、一律に年3%に変更となっています(商法514条は削除)。しかも、3年ごとに1%刻みで見直すとなっていますので、変動利率となります。

また、交通事故の損害賠償などで被害者側の賠償額を減額する要素である中間利息控除の利率についても議論があり、改正法案では「将来において取得すべき利益についての損害賠償の額を定める場合において、その利益を取得すべき時までの利息相当額を控除するときは、その損害賠償の請求権が生じた時点における法定利率により、これをするものとすること」とし、法定利率と同じ(年3%・変動制)になりました。利率が低い方が被害者有利となりますので、これが適用されれば今よりも賠償額が増えることになります。

債務不履行

中間試案では、「債務の本旨」という言葉を使うと債務不履行の態様を限定する趣旨だと誤読されるとして、あえて削除していたのですが、「債務者がその債務の本旨に従った履行をしないとき又は債務の履行が不能であるときは、債権者は、これによって生じた損害の賠償を請求することができるものとすること。ただし、その債務の不履行が契約その他の債務の発生原因及び取引上の社会通念に照らして債務者の責めに帰することができない事由によるものであるときは、この限りでないものとすること」という形で規定されました。

◎危険負担

契約目的物が帰責性なしに滅失等した場合のリスクを誰が負担するかという問題である危険負担の問題については、現行法の規定が合理的ではないと批判が強かったことから、現行民法534条及び535条は削除されました。

ただし、危険負担に関する規定が消えたわけではなく、「売買」のパートにおいて「目的物の滅失又は損傷に関する危険の移転」という規定が定められています。そこでは、売主が買主に目的物を引き渡した時以後にその目的物が売主の帰責性なく滅失・損傷したときは、買主は契約の解除等をできないし、代金の支払いを拒むこともできない旨を規定しています。

なお、中間試案では、現行民法536条1項に該当する規定も削除となっていましたが、法曹界から矛盾点を指摘されたことから、「当事者双方の責めに帰することができない事由によって債務を履行することができなくなったときは、債権者は、反対給付の履行を拒むことができるものとすること」と規定されました。

◎施行日

公布の日から3年以内の政令で定める日

詳しくは下記参照先をご覧ください。

参照ホームページ[法務省]

http://www.moj.go.jp/hisho/kouhou/houan189.html

2015.05.01

平成27年度税制改正~消費課税の概要~

平成27年度税制改正のうち、消費課税に係る改正のポイントは、費税率10%への引上げ時期が平成29年4月1日に変更され、景気判断条項が削除されました。また、外国人観光客をさらに誘致するため、外国人旅行者向け消費税免税制度等の拡充が図られました。

■消費課税の概要

(1)消費税率10%への引上げ時期の変更等

・消費税率10%への引上げ時期について、平成27年10月1日から、平成29年4月1日に変更。

・「景気判断条項」(税制抜本改革法附則第18条第3項)を削除。

※消費税率の引上げ時期の変更に伴い、住宅ローン控除等の延長(適用期限:平成31年6月末)等を実施。

(2)外国人旅行者向け消費税免税制度の拡充

消費税免税店の拡大及び利便性向上を図る観点から、平成27年4月から、

・商店街やショッピングモール内などにおける各店舗の免税手続を、「免税手続カウンター」でまとめて行うことができるようになります。

※この場合、免税販売の購入下限額(一般物品:1万円、消耗品:5千円)について、各店舗における購入金額の合計額で判定できるようになります。

・免税店を経営する事業者が、臨時店舗を設置しようとするクルーズ船寄港地の港湾施設について、あらかじめ税務署長の承認を受けた場合には、出店の前日までに臨時店舗を設置する旨等を税務署長に届け出ることにより、臨時店舗での免税販売を行うことができるようになります。

(3)国境を越えた役務の提供に対する消費税の課税の見直し

◎国内外の事業者間における競争条件の公平性を確保する観点から、国外事業者が国境を越えて行う電子書籍・音楽・広告の配信などの電子商取引に消費税が課税されます。

(平成27年10月から施行)

◎サービス提供者が国外事業者である場合の課税方式について、

・事業者向けの取引については、「リバースチャージ方式」(サービスの受け手に納税義務を課す方式)を導入

・消費者向けの取引については、国外事業者が申告納税を行う方式

※事業者向けの取引とは、サービスの性質や取引条件等から、サービスの受け手が通常事業者に限られる取引(広告配信等)を、消費者向けの取引とは、それ以外の取引(電子書籍や音楽の配信等)を指します。

※課税売上割合が95%以上の事業者や簡易課税事業者等については、事業者の事務負担に配慮する観点から、リバースチャージ対象取引を 申告対象から除外。

※日本に事務所等を有しない国外の納税義務者は、国内に書類送達等の宛先となる居住者「納税管理人」を置くこととなります。

※事業者が、国外事業者から消費者向けサービスの提供を受けた場合において、当該国外事業者が国税庁長官の登録を受けているときには、仕入税額控除が認められることとなります。

(4)たばこ税の見直し

旧3級品の紙巻たばこに係る国及び地方のたばこ税の特例税率については、平成28年4月1日から平成31年4月1日までの間、段階的に税率を引き上げることによって廃止されます。

※「旧3級品の紙巻たばこ」とは、「わかば」、「エコー」、「しんせい」、「ゴールデンバット」、「ウルマ」及び「バイオレット」の6銘柄をいいます。

詳しくは下記参照先をご覧ください。

参照ホームページ[財務省]

http://www.mof.go.jp/tax_policy/index.html

2015.05.01

特別安全衛生改善計画の作成指示の対象となる重大な労働災害について

  労働安全衛生法の一部を改正する法律(平成26年法律第82号)において、重大な労働災害を繰り返す企業に対応するため、厚生労働大臣が企業単位での改善計画(特別安全衛生改善計画)を作成させ、改善を図らせる仕組みを創設することとされていますが、この程、その施行に必要な省令の規定が定められました。

■特別安全衛生改善計画関係規則の概要

1.特別安全衛生改善計画の概要

法令に違反し、一定期間内に同様の重大な労働災害を複数の事業場において発生させた企業に対して、当該企業の事業場において再び同様の重大な労働災害を発生しないようにするための必要な再発防止対策について計画を作成するよう、厚生労働大臣が指示することができるもの。

2.改正の概要

(1)「重大な労働災害」の定義

ア.死亡災害

イ.負傷又は疾病により、障害等級第1級から第7級までの障害に該当するものが生じたもの又は生じるおそれのあるもの

(2)「再発を防止するため必要がある場合」の要件

同一企業において、次の法令違反により、同様の『重大な労働災害』を3年以内に複数の事業場で発生させた場合

労働安全衛生法、作業環境測定法又はじん肺法及びこれらの法律に基づく政省令

労働基準法第36条第1項但書及び労働基準法施行規則第18条(坑内労働等有害業務制限)

労働基準法第62条並びに年少者労働基準規則第7条及び第8条(年少者の有害業務制限)

労働基準法第63条(年少者の坑内労働等禁止)

労働基準法第64条の2及び女性労働基準規則第1条(女性の坑内労働等禁止)

労働基準法第64条の3及び女性労働基準規則第2条及び第3条(女性の危険有害業務の禁止)

(3)事業者が提出する改善計画の内容

特別安全衛生改善計画の作成を指示された事業者は、指示書に記載された期限までに、(ア)計画の対象とする事業場、(イ)計画の期間・実施体制、(ウ)重大な労働災害の再発防止のための措置等を記載した計画を作成し、厚生労働大臣に提出しなければならないこととすること。

(4)その他

計画の指示、計画の変更指示に係る所定の様式を定める。

3.施行日

平成27年6月1日

詳しくは下記参照先をご覧ください。

参照ホームページ[厚生労働省]

http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000078837.html

2015.05.01

ストレスチェック制度の具体的な運用方法について

  先頃、厚生労働省は、平成26年6月25日に公布された労働安全衛生法の一部を改正する法律により、本年12月1日から施行される「ストレスチェック制度」の具体的な内容や運用方法を定めた労働安全衛生規則の一部改正を公布しました。また、心理的な負担の程度を把握するための検査及び面接指導の実施並びに面接指導結果に基づき事業者が講ずべき措置に関する指針についても公表されました。

■ストレスチェック制度に関する省令の概要

ストレスチェック制度とは、労働者に対して行う心理的な負担の程度を把握するための検査や検査結果に基づく医師による面接指導の実施などを事業者に義務付ける制度です。ただし、従業員数50人未満の事業場については、制度の施行後当分の間「努力義務」と定められています。

1.労働安全衛生規則(省令)の一部改正のポイント

(1)産業医の職務

産業医の職務に、「ストレスチェックの実施」、「ストレスチェックの結果に基づく面接指導の実施」、「面接指導の結果に基づく労働者の健康を保持するための措置に関すること」を追加。

(2)検査の実施などに係る規定の整備

・事業者は、常時使用する労働者に対して、(ア)職場におけるストレスの原因に関する項目、(イ)ストレスによる心身の自覚症状に関する項目、(ウ)職場における他の労働者による支援に関する項目について毎年1回定期的に検査を行わなければならない。

・検査の実施者は、医師または保健師のほか、厚生労働大臣が定める一定の研修を修了した看護師または精神保健福祉士とする。ただし、検査を受ける労働者について、解雇などの直接的な人事権を持つ監督者は、検査の実施の事務に従事してはならない。

・事業者は、労働者の同意を得て、検査の結果を把握した場合、この結果の記録を作成し、5年間保存しなければならない。それ以外の場合は、事業者は、検査を行った実施者による検査結果の記録の作成、検査の実施の事務に従事した者によるこの記録の保存が適切に行われるよう、必要な措置を講じなければならない。

・検査結果は、検査の実施者から遅滞なく労働者に通知しなければならない。なお、検査の実施者が、検査結果を事業者に提供することについて、労働者から同意を取得する場合は、書面または電磁的記録によるものでなければならない。

(3)検査結果の集団ごとの分析などに係る規定の整備

事業者は、実施者に、検査の結果を一定規模の集団ごとに集計させ、その結果について分析させるよう努めるとともに、この分析結果を勘案し、必要と認められる場合は、その集団の労働者の実情を考慮して、この集団の労働者の心理的な負担を軽減するため、適切な措置を講ずるよう努めなければならない。

(4)検査結果に基づく面接指導の実施などに係る規定の整備

・検査結果に基づく面接指導の対象となる労働者の要件は、「検査の結果、ストレスの程度が高い者」で、「検査を行った実施者が面接指導の実施が必要と認めた場合」とする。

・労働者が検査結果の通知を受けた後、面接指導の申し出を遅滞なく行うとともに、事業者は、労働者から申し出があった場合は、遅滞なく面接指導を実施しなければならない。また、面接指導の実施者は、面接指導の対象となる要件に該当する労働者に対して、面接指導の申し出を行うよう勧奨することができる。

・医師は、面接指導を行うに当たっては、この労働者の勤務状況や心理的な負担の状況などを確認しなければならない。

・事業者は、面接指導の結果の記録を作成し、これを5年間保存しなければならない。なお、面接指導の結果に基づく医師からの意見聴取は、面接指導が行われた後、遅滞なく行わなければならない。

(5)その他の事項

常時50人以上の労働者を使用する事業者は、検査、面接指導の実施状況などについて、毎年1回定期的に、所轄労働基準監督署長に報告しなければならない。

2.施行日

平成 27年12月1日

詳しくは下記参照先をご覧ください。

参照ホームページ[厚生労働省]

http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000082587.html