【NEW】「副業・兼業の場合の労働時間管理の在り方」検討会が報告書を公表

厚生労働省の「副業・兼業の場合の労働時間管理の在り方に関する検討会」は、「副業・兼業の場合の労働時間管理の在り方に関する報告書」をとりまとめ、公表しました。この検討会は、未来投資戦略2018で「副業・兼業を通じたキャリア形成を促進するため、実効性のある労働時間管理等の在り方について、労働者の健康確保等にも配慮しつつ、労働政策審議会等において検討を進め、速やかに結論を得る。」とされたことなどを踏まえて設置されたものです。
これまでに9回にわたり検討が重ねられてきましたが、その検討の結果が報告書としてとりまとめられました。報告書では、主に、労働者の健康管理、時間外労働の上限規制、割増賃金という観点から、今後の方向性として考えられる選択肢の例示が整理されています。

1.健康管理について
労働安全衛生法では、複数の事業者間の労働時間を通算することとされていないが、副業・兼業を行う労働者の健康確保の観点から、新たに、労働者の自己申告を前提に、各事業者が通算した労働時間の状況(例:月の総労働時間)を把握することも考えられる。(ただし、副業・兼業は労働者のプライバシーに配慮する必要があること、事業者を跨がることから、労働者自身による健康管理も重要になると考えられる。)

・健康確保措置に係る制度の見直しの方向性としては、例えば、以下のようなことが考えられる。

1-1 事業者は、副業・兼業をしている労働者について、自己申告により把握し、通算した労働時間の状況などを勘案し、当該労働者との面談、労働時間の短縮その他の健康を確保するための措置を講ずるように配慮しなければならないこととすること。(公法上の責務)

1-2 事業者は、副業・兼業をしている労働者の自己申告により把握し、通算した労働時間の状況について、休憩時間を除き一週間当たり四十時間を超えている時間が一月当たり八十時間を超えている場合は、労働時間の短縮措置等を講ずるほか、自らの事業場における措置のみで対応が困難な場合は、当該労働者に対して、副業・兼業先との相談その他の適切な措置を求めることを義務付けること。また、当該労働者の申出を前提に医師の面接指導その他の適切な措置も講ずること。

2 通算した労働時間の状況の把握はせず、労働者が副業・兼業を行っている旨の自己申告を行った場合に、長時間労働による医師の面接指導、ストレスチェック制度等の現行の健康確保措置の枠組みの中に何らかの形で組み込むこと。
※なお、労働時間の上限規制や割増賃金などにおける選択肢により、健康管理の在り方も変わりうることに留意。


2.時間外労働の上限規制について
・通算を行うために、複数の事業場の労働時間を日々厳密に管理することは、企業にとって、実施することが非常に困難な場合が多い。この結果として、
1 違法状態が放置され労働基準法に対する信頼性が損なわれかねないこと、
2 労働者が保護されない事態になりかねないこと等
を踏まえ、制度の見直しの方向性としては、例えば、以下のようなことが考えられる。

1 労働者の自己申告を前提に、通算して管理することが容易となる方法を設けること。(例:日々ではなく、月単位などの長い期間で、副業・兼業の上限時間を設定し、各事業主の下での労働時間をあらかじめ設定した時間内で収めること。)

2 事業主ごとに上限規制を適用するとともに、適切な健康確保措置を講ずることとすること。
※その他、労働者自身が月の総労働時間をカウントし、上限時間に近くなったときに各事業主に申告すること等も考えられる。


3.割増賃金について
・日々、他の事業主の下での労働時間を把握することは、企業にとって、実施することが非常に困難であって、結果として、
1 違法状態が放置され労働基準法に対する信頼性が損なわれかねないこと、
2 別の事業主の下で働く場合に、労働時間を通算して割増賃金の支払い義務があることが、時間外労働の抑制機能を果たしていない面もあること等
を踏まえ、例えば、以下のような制度の見直しが考えられる。

1 労働者の自己申告を前提に、通算して割増賃金を支払いやすく、かつ時間外労働の抑制効果も期待できる方法を設けること。(例:使用者の予見可能性のある他の事業主の下での週や月単位などの所定労働時間のみ通算して割増賃金の支払いを義務付けること)

2 各事業主の下で法定労働時間を超えた場合のみ割増賃金の支払いを義務付けること。
※その他、割増賃金の支払いについて、日々計算するのではなく、計算・申告を簡易化すること等も考えられる。

厚生労働省は、この報告書を踏まえ、今後、労働政策審議会において引き続き検討を行うこととしています。



詳しくは下記参照先をご覧ください。

参照ホームページ[ ○○ ]
"> "https://www.mhlw.go.jp/content/11201250/000536310.pdf">

【NEW】「中小企業における消費税の価格転嫁等に関する実態調査」結果

日本商工会議所が8月5日に発表した調査結果では、消費税率を引き上げる際に導入される軽減税率制度を巡り、企業の準備が遅れていることが明らかになりました。対応するレジへの改修について4割が着手していないことが判明しており、他の調査でも、軽減税率に未対応の企業が半数程度に上るというデータが公表されています。このまま10月に入れば現場の混乱は必至で、全国で同時多発的に混乱が生じる可能性が高まり、景気の足を引っ張る事態が懸念されています。
 
<調査概要>
・調査対象:各地商工会議所管内の会員企業
・回答事業者数:3,305件/3,771件(回収率87.6%)
・調査期間:2019年5月7日(火)~6月7日(金)
・調査方法:経営指導員等によるヒアリング調査
※各データは端数処理(四捨五入)の関係で、合計値が100%とならない場合がある。

【調査結果のポイント】
1.消費税率引上げ後の価格転嫁・価格設定について
・約7割の事業者が「転嫁できる」見込み。前回(2018年7月)調査時と比較すると、「転嫁できる」と見込む事業者の割合が4.3ポイント向上。
・売上高別では、BtoB事業者はいずれも7割超が「転嫁できる」としているものの、BtoC事業者では「1千万円以下の事業者」で約6割と、小規模な事業者は価格転嫁が難しい傾向。
 

2.軽減税率制度について
・「自社商品が軽減税率に該当するかの確認」について対応済み/対応中と回答した事業者(軽減税率対策に着手している事業者)は約8割を占めている。(図2-1)
・軽減税率対象品目を扱う事業者における「請求書・領収書等の区分記載対応(BtoB事業者)」、「レジの複数税率対応(BtoC事業者)」については、対応済み/対応中と回答した事業者は、いずれも約6割を占めている(図2-2、2-3)。うち、売上高別で見ると、小規模な事業者ほど「未着手」の割合が増加。売上高5千万円以下の事業者では、4割超が「未着手」となっている(図2-4、2-5)。
(※)「未着手」には、軽減税率対策が必要ない事業者(店内飲食のみでテイクアウトを実施していない等)が含まれているf:id:koyama-sharoushi:20190902183704p:plain
 出典:日本商工会議所「中小企業における消費税の価格転嫁等に関する実態調査」調査結果より】

【軽減税率制度への取り組みに未着手の事業者の声】・増税するかはっきりしてから対応予定(大阪府製造業)・昔からの税理士にすべて任せている(埼玉県飲食業)・現在、レジは使っていない。領収書等もすべて手書きで対応しており、今後もレジの導入予定はない(埼玉県飲食業)・店内飲食のみで、テイクアウトは実施していないので対応不要と考えている(群馬県飲食業)

3.軽減税率導入後の価格表示について
・軽減税率導入後の価格表示は、「総額表示」を選択する事業者が約15%減少。
・テイクアウト・イートインが発生するBtoC事業者においては「総額表示」、「外税表示」のいずれも多様な表示方法等が検討されている。
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 【出典:日本商工会議所「中小企業における消費税の価格転嫁等に関する実態調査」調査結果より】

4.経理事務負担の状況について
・「売上高1千万円以下の事業者(≒免税事業者)」では約3割が経理事務を「すべて社内で対応」しており、税理士等外部専門家の関与がない。
・「売上高1千万円以下の事業者(≒免税事業者)」では約半数が手書きで帳簿等を作成している一方、市販の業務用ソフトウェアも同程度普及している。
・「売上高1千万円以下の事業者(≒免税事業者)」では9割超、「売上高1億円超の事業者」でも約3割は経理事務に1人で従事。

5.インボイス制度および免税事業者について
インボイス制度は課税事業者の約5割、免税事業者の約6割が「知らない」と回答。課税事業者のうち、それぞれ約1割が「免税事業者との取引は(一切または一部)行わない」、「経過措置の間は取引を行う予定」と回答。免税事業者のうちそれぞれ約1割が「課税事業者になる予定はない」、「廃業を検討する」と回答。

インボイス制度とは>
インボイス制度とは税金計算のベースとなる証票制度です。正式名称は「適格請求書等保存方式」で、適格請求書等の保存を仕入税額控除の要件とする制度です。
インボイス方式」は、課税事業者が発行するインボイスに記載された税額のみを控除することができる方式。
課税事業者は「インボイス」の発行が義務付けられており、また、自ら発行した「インボイス」の副本の保存が義務付けられている。
インボイス」に適用税率・税額の記載が義務付けられている。
免税事業者は「インボイス」を発行できない。したがって、免税事業者からの仕入れについて仕入税額控除ができない。
(注)「インボイス」とは、適用税率や税額など法定されている記載事項が記載された書類。欧州においては、免税事業者と区別するため、課税事業者に固有の番号を付与してその記載も義務付けているが、「インボイス」の様式まで特定されているものではない。



詳しくは下記参照先をご覧ください。

参照ホームページ[ ○○ ]
"https://www.jcci.or.jp/news/jcci-news/2019/0805150000.html"

外国人技能実習生の実習実施者に対する平成30年の監督指導、送検等の状況を公表

厚生労働省は、全国の労働局や労働基準監督署が、平成30年に外国人技能実習生(以下「技能実習生」)の実習実施者(技能実習生が在籍している事業場。以下同じ。)に対して行った監督指導や送検等の状況について取りまとめ公表しています。

 外国人技能実習制度は、外国人が企業などでの実習を通して技術を習得し、母国の経済発展を担う人材となるよう育成することを目的としています。しかし、実習実施者においては、労使協定を超えた残業、割増賃金の不払い、危険や健康障害を防止する措置の未実施などの労働基準関係法令に違反する事例が依然として存在しています。
 こうした中、全国の労働局や労働基準監督署は、実習実施者に対し、監督指導を実施することで、技能実習生の適正な労働条件と安全衛生の確保に取り組んでいます。

平成30年の監督指導・送検の概要
■労働基準関係法令違反が認められた実習実施者は、監督指導を実施した7,334事業場(実習実施者)のうち5,160事業場(70.4%)。
<注>違反は実習実施者に認められたものであり、日本人労働者に関する違反も含まれます。

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【出典:厚生労働省 技能実習生の実習実施者に対する監督指導、送検等の状況(平成30年) 以下同様】
■主な違反事項は、(1)労働時間(23.3%)、(2)使用する機械に対して講ずべき措置などの安全基準(22.8%)、(3)割増賃金の支払(14.8%)の順に多かった。
<注>違反事項が2つ以上ある場合は、各々に計上しているので、各違反事項の件数の合計と違反事業場数とは一致しない。

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■主な業種に対する監督指導の状況は、以下のとおりであった。

主な業種に対する監督指導の状況

<注1>「主な業種」は、技能実習生の受入人数が多い5職種(機械・金属関係職種、食料品製造関係職種、繊維・衣服関係職種、建設関係職種、農業関係職種)に関連する業種について取りまとめたものである。

<注2>業種ごとの内訳は以下のとおり。
機械・金属・・・鉄鋼業、非鉄金属製造業、金属製品製造業、一般機械器具製造業、
電気機械器具製造業、輸送用機械等製造業
食料品製造・・・食料品製造業
繊維・衣服・・・繊維工業、衣服その他の繊維製品製造業
建設・・・土木工事業建築工事業、その他の建設業
農業・・・農業、畜産業


■重大・悪質な労働基準関係法令違反により送検したのは19件。

 全国の労働局や労働基準監督署は、監理団体および実習実施者に対し、労働基準関係法令などの周知・啓発に努めるとともに、労働基準関係法令違反の疑いがある実習実施者に対しては監督指導を実施し、引き続き、技能実習生の適正な労働条件と安全衛生の確保に重点的に取り組むとのことです。なお、度重なる指導にもかかわらず法令違反を是正しないなど重大・悪質な事案に対しては、送検を行い厳正に対応していくとしています。

 

監督指導による賃金不払残業の是正結果(平成30年度)

厚生労働省は、平成30年度に時間外労働などに対する割増賃金を支払っていない企業に対して、労働基準法違反で是正指導した結果を取りまとめ公表しています。全国の労働基準監督署が、賃金不払残業に関する労働者からの申告や各種情報に基づき企業への監督指導を行った結果、平成30年4月から平成31年3月までの期間に不払だった割増賃金が各労働者に支払われたもののうち、その支払額が1企業で合計100万円以上となった事案を取りまとめたものです。

監督指導の対象となった企業では、タイムカードの打刻時刻やパソコンのログ記録と実働時間との隔たりがないか定期的に確認するなど、賃金不払残業の解消のために様々な取組が行われています。
厚生労働省では、引き続き、賃金不払残業の解消に向け、監督指導を徹底していくとしています。

【平成30年度の監督指導による賃金不払残業の是正結果のポイント】
(1)是正企業数1,768企業(前年度比102企業の減)
うち、1,000万円以上の割増賃金を支払ったのは、228企業(前年度比34企業の減)
(2)対象労働者数11万8,837人(同89,398人の減)
(3)支払われた割増賃金合計額125億6,381万円(同320億7,814万円の減)
(4)支払われた割増賃金の平均額は、1企業当たり711万円、労働者1人当たり11万円


 100万円以上の割増賃金の遡及支払状況(平成30年度分)

【出典:厚生労働省 100万円以上の割増賃金の遡及支払状況(平成30年度分)】



詳しくは下記参照先をご覧ください。

参照ホームページ[ ○○ ]
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_06128.html

令和元年度の最低賃金は全国加重平均で27円の引上げを提示

令和元年(2019年)7月31日に開催された「第54回中央最低賃金審議会」で、令和元年度の地域別最低賃金額改定の目安について、答申の取りまとめが行われ、その内容が厚生労働省から公表されました。今年度の目安で示された引上げ額は、最高28円(Aランク)~最低26円(Dランク)、全国加重平均では「27円」(昨年度は26円)となっており、これは昭和53年度に目安制度が始まって以降で最高額となります。

最低賃金制度と地域別最低賃金額の改定に係る目安制度の概要】
(1)最低賃金制度とは
最低賃金法に基づき国が賃金の最低限度を定め、使用者は、その最低賃金額以上の賃金を労働者に支払わなければならないとする制度である。仮に最低賃金額より低い賃金を労使合意の上で定めても、それは法律により無効とされ、最低賃金額と同額の定めをしたものとみなされる。

(2)最低賃金の種類
最低賃金には、産業に関わりなく地域内のすべての労働者に適用される都道府県別の「地域別最低賃金」と、例えば電気機械器具製造業、自動車小売業など特定の産業に働く労働者に適用される「特定最低賃金」の二種類が設定されている。

(3)最低賃金の決定と最低賃金審議会
最低賃金は、最低賃金審議会において、賃金の実態調査結果など各種統計資料を十分参考にしながら審議が行われ、
 ①労働者の生計費
 ②労働者の賃金
 ③通常の事業の賃金支払能力
の3要素を考慮して決定又は改定されることとなっており、①を考慮するに当たっては、労働者が健康で文化的な最低限度の生活を営むことができるよう、生活保護に係る施策との整合性に配慮するものとされている。最低賃金審議会は、厚生労働省中央最低賃金審議会が、都道府県労働局に地方最低賃金審議会が置かれており、地域別最低賃金は、各地方最低賃金審議会の審議を経て、都道府県労働局長が決定又は改定することとなっている。

(4)地域別最低賃金額改定に係る目安制度の概要
昭和53年から、地域別最低賃金の全国的整合性を図るため、中央最低賃金審議会が、毎年、地域別最低賃金額改定の「目安」を作成し、地方最低賃金審議会へ提示している。また、目安は、地方最低賃金審議会の審議の参考として示すものであって、これを拘束するものでないこととされている。なお、地域別最低賃金額の表示については、従来、日額・時間額併用方式となっていたが、平成14年度以降時間額単独方式に移行されており、目安についても、平成14年度以降時間額で示すこととなっている。

【答申のポイント】
(ランク(注)ごとの目安)
都道府県の引上げ額の目安については、 Aランク28円、Bランク27円、Cランク26円、Dランク26円 (昨年度はAランク27円、Bランク26円、Cランク25円、Dランク23円)。
注.都道府県の経済実態に応じ、全都道府県をABCDの4ランクに分けて、引上げ額の目安を提示している。現在、Aランクで6都府県、Bランクで11府県、Cランクで14道県、Dランクで16県となっている。(参考参照)

(参考)各都道府県に適用される目安のランク

ランク 都 道 府 県
埼玉、千葉、東京、神奈川、愛知、大阪
茨城、栃木、富山、山梨、長野、静岡、三重、滋賀、京都、兵庫、広島
北海道、宮城、群馬、新潟、石川、福井、岐阜、奈良、和歌山、岡山、山口、徳島、香川、福岡
青森、岩手、秋田、山形、福島、鳥取、島根、愛媛、高知、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄


また、全都道府県で20円を超える目安額となっており、引上げ率に換算すると3.09%(昨年度は3.07%)となっています。この答申は、「中央最低賃金審議会目安に関する小委員会」において4回にわたる審議を重ねて取りまとめられた「目安に関する公益委員見解」等を、地方最低賃金審議会に示すものです。

今後は、各地方最低賃金審議会で、この答申を参考にしつつ、地域における賃金実態調査や参考人の意見等も踏まえた調査審議の上、答申を行い、各都道府県労働局長が地域別最低賃金額を決定することとなります。
なお、目安どおりに改定されると、地域別最低賃金の全国加重平均は、単純計算で901円(現行は874円)となります。また、最も高い東京都は1,013円(現行は985円)、それに次ぐ神奈川県は1,011円(現行は983円)となり、初めて1,000円を超える地域が誕生することになります。



詳しくは下記参照先をご覧ください。

参照ホームページ[ ○○ ]
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_06020.html

カムバック支援助成金(両立支援助成金-再雇用者評価処遇コース)を案内


厚生労働省から、両立支援助成金-再雇用者評価処遇コースを、「カムバック支援助成金」として案内するリーフレットが公表されています。この助成金は、妊娠、出産、育児、介護または配偶者の転勤等(配偶者の転居を伴う転職を含む。)を理由とした退職者について、適切に評価され、配置・処遇される再雇用制度を導入し、希望する者を再雇用した事業主を助成するものです。
 支給額は、再雇用人数が1人目の場合、中小企業は38万円【48万円】、大企業は28.5万円【36万円】、2~5人目の場合、中小企業は28.5万円【36万円】、大企業は19万円【24万円】(【】内は生産性要件を満たした場合の金額)となっており、1事業主あたり5人まで支給されます。

【支給額】
<>内は生産性要件を満たした場合の額です。生産性要件については厚生労働省HP
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000137393.html)をご参照ください。
f:id:koyama-sharoushi:20190805200313p:plain
*1事業主あたり5人まで支給。
*期間の定めのない雇用契約締結後、上記額を継続雇用6か月後、継続雇用1年後の2回に分けて半額ずつ支給します。
(同一対象労働者について)

【支給要件
対象となる労働者に対して以下の取組を講じた場合に支給となります。

■妊娠、出産、育児、介護または配偶者の転勤等(配偶者の転居を伴う転職も含む)を理由とした退職者について、退職前の勤務実績等を評価し、処遇の決定に反映させることを明記した再雇用制度を導入すること。
※過去に再雇用制度を設けている場合であっても、要件に沿った制度内容に改正すれば対象となりますが、改正日以降の再雇用について対象となります。

■上記制度に基づき、離職後1年以上経過している対象者を再雇用し、無期雇用者として6ヶ月以上継続雇用し、支給申請日においても雇用していること。
※当初、有期契約労働者として再雇用した場合も、無期雇用契約を締結後、6ヶ月以上継続して雇用すれば対象となります。

(対象となる労働者)
・退職時または退職後に、退職理由と再雇用の希望を申し出ていたことが書面で確認できること。

・支給対象事業主または関連事業主の事業所を退職した日の前日において、当該事業主等の雇用保険被保険者として継続して雇用されていた期間が1年以上あること。
※関連事業主とは、人事、雇用管理等の状況から見て支給対象事業主と密接な関係にある事業主をいいます。

・退職後、再雇用に係る採用日の前日までに、支給対象事業主または関連事業主と雇用、請負、委任の関係もしくは出向、派遣、請負、委任の関係により当該事業主等の事業所において就労していないこと。

・再雇用日において、退職の日の翌日から起算して1年以上が経過していること。
※下記以外にも要件がありますので、詳細は厚労省HPにある「支給申請の手引き2019」をご参照ください。

【手続き・支給の流れ】
 f:id:koyama-sharoushi:20190805200333p:plain
同省では、「ご活用ください!」として、次のリーフレットを紹介しています。
<カムバック支援助成金のご案内>
https://www.mhlw.go.jp/content/000529414.pdf

なお、両立支援助成金の全体を案内するリーフレットなどについても、2019年7月作成のものが公表されています。
<両立支援等助成金のご案内(リーフレット)>
https://www.mhlw.go.jp/content/000526013.pdf

<両立支援等助成金支給申請の手引き(パンフレット)>
https://www.mhlw.go.jp/content/000532830.pdf


詳しい支給の要件や手続、生産性要件等、その他、ご不明点については
厚生労働省HP
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kodomo/shokuba_kosodate/ryouritsu01/index.html)を参照いただくか、申請する管轄の都道府県労働局雇用環境・均等部(室)へお問い合わせください。



詳しくは下記参照先をご覧ください。

参照ホームページ[ ○○ ]
https://www.mhlw.go.jp/content/000529414.pdf

令和元年度経済財政白書を公表

内閣府から、令和元年(2019年)7月23日にとりまとめられた「令和元年度経済財政白書(令和元年度年次経済財政報告)」が公表されました。白書では、多くの企業において、女性、高齢者、外国人、障害者等の多様な人材の活躍が進んでいるが、その背景には深刻な人手不足があるとしています。それとともに、新しい発想や専門的知識を持った人材等が求められているとしています。そして、多様な人材の増加は、生産性の向上、人手不足の解消等の効果が期待できるが、多様な人材の活躍に向けた取組とセットで行うことが非常に重要であり、多様な人材はいるが、それに対応した取組を行っていない企業では、多様な人材がいない企業よりも生産性が低くなる可能性があると指摘しています。
 企業が多様な人材を採用することは、そのために複雑化する労務管理に、どのように対応していくのかが課題となります。今年度の白書では、人手不足や労働市場の多様化についても大きく取り上げられています。

■第1章 日本経済の現状と課題
・日本経済は、内需を中心に緩やかな回復が続いているが、中国経済の減速などから輸出や生産活動の一部に弱さがみられることに留意が必要。

・輸出の減少は、世界的な情報関連財需要の一服や中国経済の減速などにより、中国向け輸出が2018年以降低下していることが主な要因。それに伴い生産も一部で弱含んでいる。世界の半導体出荷は2019年は減少が見込まれており、情報関連財需要の調整は当面続く見込み。

中国経済減速の影響は、海外向け出荷比率の高い生産用機械、電子部品・デバイスなどの生産に現れている。

・設備投資の緩やかな増加傾向の背景として、高水準の企業収益、人手不足感の高まりなどがある。

・ただし、輸出の減少は、製造業を中心に設備投資を下押しするため、海外経済の動向には注意が必要。

・生産年齢人口が減少する中、女性や高齢者の活躍推進により就業者数は増加を続けており、実質総雇用者所得も増加を続けている。こうしたことを背景に、消費は持ち直しを続けている。ただし、若年層で消費性向が低下しているなど、雇用・所得環境全体の改善に比べると消費の伸びは緩やかにとどまっている。

・消費を持続的に増加させるためには、現在だけでなく将来を含めた雇用・所得環境の安定が重要。また若年層の消費喚起には、教育費の負担軽減、労働時間の短縮も効果が見込まれる。

・若者を中心に完全自動運転搭載車の購入意欲は高く、また働く女性を中心に家事代行ロボットの購入意欲は高い。Society5.0に向けた取組みを一層強化することで、消費を刺激する効果が期待される。

・キャッシュレス化は消費者の利便性を高め、事業者の生産性向上に資する。半数近くの者でキャッシュレス決済の利用頻度が高い。現在キャッシュレス決済を利用していない層にもキャッシュレス化のメリットについて周知を図ることが重要

・企業の人手不足の状況を年齢別にみると、若年層ほど人手不足感が高い。売上が伸びている企業、離職率が高い企業ほど人手不足感が高くなっているほか、賃金水準が低い企業ほど人手不足感が高い。

・人手不足への対応として、採用増や待遇改善による従業員確保が主であり、省力化投資を行う企業の割合は2割程度と限定的。人手不足感がある企業は労働生産性が低く、資本装備率も低い。労働生産性を上昇させることにより、人手不足を緩和するとともに、賃金上昇にもつなげることが重要。

・AI等の活用が進んでいる企業ほど柔軟な働き方が進んでいる。労働生産性への影響が大きいRPAを始めSociety5.0に向けた取組を強化し、省力化投資や柔軟な働き方を積極的に進めることが重要。

基礎的財政収支の対GDP比は、歳入の増加などにより赤字幅が縮小している。

・消費税率引き上げの経済への影響は、幼児教育の無償化等の措置により2兆円程度に抑えられる一方、消費税率引き上げに対応した新たな対策として2.3兆円程度を措置している。

・先進国では、労働市場の改善にもかかわらず物価が上がりにくくなっており、世界経済の一部に弱さがみられる中で、金融緩和が継続されている。

■第2章 労働市場の多様化とその課題
・多様な人材が働ける環境を整備することは、雇用者の観点からは、働く意欲のある女性や高齢者の活躍を促すとともに、価値観の多様化に対応するために重要。

・多くの企業において、女性、高齢者、外国人、障害者等の多様な人材の活躍が進んでいる。多様な人材の活躍が進む背景として、企業側の観点からは、人手不足が深刻になっているとともに、新しい発想や専門的知識を持った人材等が求められていることがあるが、労務管理の複雑化などに対する懸念もみられる。

・企業による多様な人材の活躍を推進するためには、柔軟な働き方やワーク・ライフ・バランスの改善等の働き方を変革すること、長期雇用と年功序列等を特徴とする日本的な雇用慣行を見直すこと、職場において管理職が適切にマネジメントを行うこと等が特に重要である。

・多様な人材がいる職場で働く際に雇用者が必要と思う制度として、柔軟に働ける制度、仕事範囲の明確化等を求める声が多く、企業側でも必要と考えられる改革とおおむね一致。

・多様な人材の活躍には、新卒の通年採用の導入等、企業における採用制度の見直しも求められる。

・65歳以上の雇用者の活躍については、定年年齢や継続雇用制度のあり方についての見直しが必要。特に、賃金の大幅低下や長い労働時間は高齢者の就業に対する意欲を大きく低下させる可能性が高い。

・企業側としても、高い専門性を持つ者、健康で働く意欲が高い者等は65歳以降も雇用したいと考えている。また、必要な取組として、柔軟な働き方、職務の明確化、キャリアモデルの再構築等を挙げる企業が多い。

・多様な人材の増加は、生産性の向上、人手不足の解消等の効果が期待できる。ただし、多様な人材の活躍に向けた取組とセットで行うことが非常に重要であり、多様な人材はいるが、それに対応した取組を行っていない企業は、多様な人材がいない企業よりも生産性が低くなる可能性。

・高齢者の増加については、他の世代から人手不足の緩和や助言が得られるといった評価する声がある一方、賃金や昇進に影響があるとの指摘もある。ただし、分析結果をみると、高齢層の増加が若年層の賃金や雇用(採用)を抑制するとの関係性は確認されない。

・全体として雇用者が伸びる中で外国人労働者も増加している。


■第3章 グローバル化が進む中での日本経済の課題
・日本の経常収支は黒字で推移してきたが、その内訳は大きく変化し、貿易黒字が大幅に減少する一方、海外からの投資収益など所得収支の黒字が着実に増加。こうした中、日本は、機械など複雑度の高い製品に競争力を有してきたほか、国際的な技術取引やインバウンドの増加など、サービス貿易でも競争力を向上。

・さらに、日本企業の海外展開が進む中で、海外企業の買収を含む対外直接投資が増加。財やサービスの貿易面に加え、海外拠点や買収先企業からの投資収益等を通じても、世界で稼ぐ力を高めている。

・世界貿易量は、関税の低下をはじめとする貿易の自由化や、グローバル・バリュー・チェーン(GVC)の進展とともに、2000年代まで急速に拡大。ただし、近年では、2017年に伸びが高まった後、2018年に入ってからは、中国経済の緩やかな減速や世界経済を巡る不確実性の高まりなどから、世界貿易の伸びが鈍化。

・アジアでは、中国が部品等を輸入・加工して完成品を生産するサプライチェーンが構築されており、過去20年で急速に拡大。こうした中、日本の生産は、情報関連財を中心に、中国の最終需要に大きく依存しており、今後の米中間の通商問題や中国経済の動向には留意が必要。

・米中間の通商問題によるアジアの日系現地企業への影響について、中国では中国国内向け販売比率が高く、輸出先も日本向けが過半。中国と密接な関係のある地域ではマイナスの影響が指摘されており、通商問題の動向には不透明感が高いことから、引き続き注意が必要。

・英国はEUとの間で緊密なサプライチェーンを構築。英国のEU離脱に対し、日系現地企業では、一部に具体的な取組を行う企業もみられるが、多くの企業では不確実性の高さから対応があまり進んでいない状況。

アメリカ・メキシコ・カナダの新たな協定(USMCA)について、自動車など一部ではマイナスの影響を懸念。

グローバル化の恩恵として、輸出や対外直接投資などを行う企業は少数だが、そうでない企業と比べて、生産性や雇用者数、賃金の水準が平均的に高い。また、輸出を開始することや、海外企業との共同研究・人材交流等を行うことで、企業の生産性が向上する可能性がある。

・他方で、貿易を行うことで産業内での技能労働への需要が高まることで、高い技能を持つ労働者と技能の低い労働者の賃金格差につながる可能性もある。グローバル化した経済で競争力を保ちつつ、格差拡大への対処として、教育訓練の強化や雇用の流動性の確保、セーフティネットの整備を行うことも重要。




詳しくは下記参照先をご覧ください。

参照ホームページ[ ○○ ]
https://www5.cao.go.jp/j-j/wp/wp-je19/index_pdf.html